読切小説
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アポロンの息子
「うわあ、か、可愛いなあ・・・」

一人の青年が、愛しい『彼女』の姿を眺めている。


彼の言う『彼女』は現在ビデオに映っており、産まれたままの姿で水浴びを行っている。


「可愛い、これは犯罪的に可愛い過ぎるぞ」

もしこの場に誰かがいたら確実に通報されそうなくらいに、今の彼は緩みきっていた。


彼の名前は十河神哭(ソゴウカミナ)、近くにある県立白山高等学校の二年生である。

成績は良くも悪くも平凡、突出してできる科目が、極端に出来ない科目の点数を補うくらいのもの。


部活動には所属していないながらも、幼馴染の父親が営む槍術道場に幼い頃から通っているため、すでに実力は免許皆伝の腕前。

見た目は悪くはなく、良くもなく、まさしく平凡そのもの。

そんな彼ではあるが、実は一つ、変わった趣味があった。


「はあはあ、本当にこの娘可愛いな」

彼の見るビデオに映っているのは人間ではなく、ニョロニョロと地面を這う可愛らしい蛇である。


そう、彼は無類の蛇好きなのであった。

いつからそうだったのかは、よくわからないし、ひょっとしたら最初からそうだったのかもしれない。


気がつけば彼は、蛇の魅力に取り憑かれてしまっていた。

というわけで、彼の部屋の本棚には蛇に関する本がたくさん並び、壁に貼り付けてあるポスターも蛇ばかり、しかも中には中世の頃に描かれたラミアやらリリスの絵画の複製画まであるのだから本格的に始末に負えない。


「おっと、もうそんな時間か」

時計を見るともう7時40分だ、早く出ないと遅刻してしまう。

「じゃあ、またな」

ビデオを切ると、荷物を背負い、彼は部屋から出て行った。


「おはようカミナ、今日もしけたツラしてるわねっ」

家から出た直後にいきなり話しかけてきた少女は六道沙耶。

神哭とは小学校から一緒のいわゆる幼馴染というやつである。


「おはよう沙耶、良い朝だな」

そう言って見せてから神哭はかるく欠伸をしてみせた。


「カミナ、あんた昨日は一体何時に寝たのよ?」

沙耶の言葉に、神哭はすぐさま答える。


「夜の一時だ、九時から『世界の蛇、秘境にて巨大な蛇と出会う』を見た後にやるべき課題を仕上げていた」

神哭の言葉に、呆れたように沙耶はため息をついた。


「本当にあんたってば、そんなことばかりよね、蛇なんかの何が良いんだか・・・」

沙耶の言葉に神哭は軽く肩をすくめて見せた。

そういえば沙耶はずいぶん昔から蛇のことは、文字通り蛇蠍のように嫌っていたが、一体どうしてなのかは神哭にはわかってはいなかった。

それ故、ついつい今回も感情的になってしまっていた。

「そうは言うがな、あのシンプルなフォルムにキラキラ輝く小さな瞳、地を這う状なんか到底言葉に表せないほどの魅力だぞ?」

「・・・あんたね、だいたいあんたは蛇ばっかりに気をとられないで、たまにはそばにいる可愛い女の子を大事にしたらどう?」


一瞬だけ幼馴染の表情が、何かを期待するかのようなものに変わっていたが、蛇のことで頭が一杯の神哭は気がつかなかった。


「そばにいる可愛い女の子?、誰のことだ?」

瞬間神哭は顔面に拳の直撃を喰らって近くの街灯まで吹き飛ばされた。

「あたっ、沙耶いきなり何を・・・」

抗議する神哭だが、殴ったとうの本人である沙耶は肩をいからせながら怒鳴りつけた。

「うっさいバカミナっ、死ねっ」

そのまま沙耶はダッシュで学校まで走り去っていった。

「まったく、何が癪にさわったのか、最近の若者はすぐキレる」


ゆらりと街灯に手をつきながら立ち上がると、神哭はここにはいない幼馴染み相手に悪態を吐く。

「やれやれ、何だってあやつは暴力をすぐ振るうのか、あれでは嫁の貰い手に困りそうだな」

釈然としないながらも神哭は頭を振るって気持ちをしっかりと切り替えると、神無とともに学校へと向かった。


このとき、神哭は気がつかなかった。


街灯の陰から不自然に鮮やかな色の蛇が神哭の様子を伺い見ていることを。



学校につくと、神哭は椅子に座り、一限目の授業の用意をする。

隣の席に座っている幼馴染のほうを神哭はちらっと見てみたが、向こうの方はまだ怒りが覚めないのか、ずっと窓の方ばかりを見ている。


早く怒りを納めていただかないことにはこちらとしてもいい気分はしない、それに万一忘れ物をした時に見せてもらえないのも困る。

「あっと、沙耶・・・」

「・・・何?、蛇と添い遂げる変態の神哭くん?」

変態などと言われてしまい、神哭はいささか閉口してしまったが、そこは男らしくスルーする。


「その、今朝は悪かった、蛇のことばかりで、君のことをあまり考えられず・・・」

おずおずと告げた神哭の言葉を聞いて、沙耶は深いため息を吐きながら視線を彼に移した。


「あんたさあ、どれだけ自分がモテてるのか知ってる?」

いきなりの沙耶の言葉に神哭は首を傾げながら頭を振るって見せた。

「はあ、そんなことだろうとは思ってたけど、一応言うけどあたしの知ってる限りでも三人はいるわよ?」


三人、どうして自分のような平々凡々な人間に好意を寄せるような酔狂がそんなにいりのか、神哭にはまったく理解出来なかった。


「平々凡々だと思ってるのはあんただけ、成績はまあまあだけど、誠実で約束は破らないし、槍の実力も父さんが認めるくらい、おまけに素行も悪くはない、これでもまだ平凡?」

なんともわからないが、そのくらいならばまだ平凡の領域に入るのではないかと思い、神哭はその思いを沙耶に伝えた。


「と・に・か・く、あんたは実はすっごくモテてるの、それこそ何であんたなのか、誰かが催眠術を使ってるのかって思うけどね」

神哭のささやかな抗議もスルーして、沙耶は強引に話しを進めようとしている。


「けどね、あんたのその奇特な趣味がみんなに壁を作ってるの」

奇特な趣味、もしかしなくても蛇が好きだという性格であろう。

神哭からしてみれば、自分のことは何でも普通に思えるが、他人からすれば普通でも何でもない、むしろ奇特なこともたくさんあるのだ。


「だからそれさえなければモテモテよ?」

ようやく神哭は沙耶が何を言いたいのかがわかった、つまるところ沙耶としては神哭に蛇好きの趣味をやめてもらいたいのだ。


理由はよくわからないが、沙耶は蛇を嫌っている、故に親しい幼馴染である神哭が蛇のことばかり喋るのにいい気分はしない。


「沙耶よ、私はやっぱり蛇が好きだ、それに私はまだ恋人云々など考えたこともない」

実際は蛇のことで頭が一杯なだけだが、沙耶には。

『私に恋人は必要ない』という一言に聞こえてしまっていた。

「お、始業チャイムだ」

チャイムの音を聞いて、呑気に神哭は呟いたが、その隣で沙耶は眉間に深い皺を刻み、蛇も逃げ出しそうな瞳で神哭の左手を睨みつけていた。



さて、授業が終わると神哭はいそいそと学校を出て自宅へと向かっていた。

勿論蛇のビデオを眺めて悦に浸るためであり、足取りはとても素早く、なんの修行もしていない人間が見ればわけがわからないほどに早く、隙がない。



沙耶の父親の道場で培った普段はまったく活かされていない武術のスキルが無意識的に活かされていた。


「おや」

ふと近くの公園の街灯に蛇がいるのが目についた。

こんなところで珍しい、それにその蛇は見たことがないような不思議な色をしていた。


「可愛いな、どこかの家から逃げてきたのかな?」

そっと近づいてみると、逃げないどころか蛇のほうからシュルシュルと這い寄ってきた。

「人に慣れているな、まったくこんな可愛い蛇を放ったらかしにして飼い主は何をしているのかな」

声自体はそこそこ怒り気味ではあったが、表情はだらしなく弛んでいるため、まったく威圧感は与えないものだ。


指で蛇の頭を触ろうとしていると、いきなり蛇は長い舌をチロチロと出して、神哭の指を舐め始めた。

「あはは、くすぐったい、しっかし珍しい色をしているなあ・・」

今まで色々な蛇を見てきたが、この蛇の色は見てことがないものだった。


一日中戯れていたかったが、神哭にも色々な予定がある、名残は尽きないが帰るとしよう。


「じゃあな」

軽く手を上げると、神哭は背を向けて家の方向に歩き始めた。


後ろから先ほどの蛇が人間ではなく、まるで同族の異性を見るかのような妖しい視線で見ていたが、神哭はまったく気がついていなかった。


夜の九時、神哭は自室で課題をしていたが、ふと小腹が空いていることに気がついた。


彼の両親は八時半にはもう寝てしまうので、十河家ではもっぱら夜食は自分で用意しなければならない。


手早く身支度すると、神哭は玄関から外に飛び出した。


外は真っ暗で、気温もそこそこ低かったが、気にせずに神哭は近くのコンビニに向かった。

途中、昼間に蛇がいた街灯を通り過ぎたが、すでに蛇の姿はなかった。

少し残念に思いながら神哭は小走りでコンビニに向かっていった。


十河家の近くにあるコンビニの前には大きな公園がある。

中央に遊具があり、周りがたくさんの樹木で囲まれた広大な自然公園であり、昼間は子供達で賑わい、夜は散歩の人がちらほらいる公園である。


その公園で、ふと神哭は足を止めた。

公園の茂みの中から、巨大な蛇の尻尾がのぞいていたからだ。

あまりに大きい、キングコブラすらも遥かに上回るサイズ、いやひょっとしたら某洋画の怪物蛇にすら匹敵するかもしれない。


「こ、こ、これは何とも・・・」

このようなものを見てしまい、無類の蛇好きである神哭には無視出来ようか、いや出来まい。

ニヤニヤしながら神哭は茂みに入っていった。


「うふふ、つかまえましたわよ?」


「・・・え?」

茂みの中には彼の予想した蛇の胴体も、人間を呑み込まんばかりの巨大な頭部もなかった。

かわりにそこには、信じらないくらい美しい女性がいた。

「ええっと、どちらさま?」

意外なほどに力が強い女性の両手に抱きしめられ、さらには人並み以上であろう胸の膨らみを押し付けられて、神哭は不覚にもドキドキしてしまった。

「よくわかりませんが、人違いでは?」

「いいえ、十河神哭くんはあなた、でしょう?」

彼女の言葉に神哭はさらに心拍数が上がるのを感じた、こんな美人の知り合いはいなかったはずだが。


「ねえ、わたくしの尻尾、よく見て?」

尻尾?

頭にはてなを浮かべながら神哭が視線を移すと・・・。

「うふふ・・・」

あまりのことに、神哭は絶叫しそうになった。



「おっそいな」

六道沙耶は夜の道を歩きながらついつい独り言を呟いていた。

神哭に話したいことがあり、メールで家に呼び出したのだが、一向に来る気配はない。

試しに十河家に行ってみたが、彼の部屋には灯りがついてはいなかった。

最初は他人の家に行くのに何か手土産を用意しようとしたのかと思ったが、どうやら違うようだ。


コンビニまでは片道十分程度、あまりに遅すぎるのだ。

一度コンビニに行ってみようかと思い、沙耶は最寄りのコンビニに向かった。




神哭が絶叫しなかったのは、いきなり女性が唇を奪ってきたからだ。

「ん・・・チュ・・・ムチュ・・」

「ん・・んん・・・・」

いったいどれだけそうしていただろいか、女性はゆっくりと唇を離した。

「うふふ、わたくしのファーストキス、あなたに捧げてしまいましたわ」

神哭が叫びそうになったのは、彼女の下半身がまさしく先ほどみた蛇の尻尾になっていたためだ。

人外、物語や伝承にしかいないような存在がそこにはいたからだ。


「そう言えばわたくし、自己紹介していませんでしたわね?」

蛇の女性はゆったりと一礼した。

「初めまして、わたくしの名前は朧月夜、見ての通り、魔物エキドナですわ」

エキドナ、たしかギリシア神話に出てくる怪物の母、ケルベロスやオルトロス、ネメアの獅子、著名な怪物の母親。

よくわからないが、ともかく名乗られたならば名乗り返さねば非礼だろう、神哭はそう考えて、まだ収まらない動悸を抑えつつ一礼した。

「私は・・・」

「知っていますわ、十河神哭さん、でしょう?」

自己紹介しようとして朧に先取りされてしまった。

唖然としている神哭に対して、エキドナの朧とやらは

「うふふ、勿論知ってますわ、いつも見ていましたもの」

朧は微笑みながら神哭の額にキスをした。

「しかし・・・」

神哭はゆっくりと朧の下半身に手を伸ばし、見事は蛇腹に触れた。

「あ、ん・・・」

「凄い、本物だっ、もっと触ってもいいかな?」

人外に出会った恐怖感は完全に薄れ、かわりに恐ろしく魅力的な蛇に出会えた幸福感が溢れてきた。


「もう、がっつかないの、仕様のない子ですわね」

そうは言いながらも朧は何となく嬉しそうにシュルシュルと尻尾を神哭に向けた。

「すべすべだ、鱗は普通の蛇よりも硬いのかな?、けれども触り心地は凄く良い」

ナデナデと触っているうちに、朧の鼻息が荒くなっていた。

「もうっ、神哭くんの興味は尻尾ばっかりですの?」

むくれたように告げると、朧は神哭の身体をギュウギュウに締め上げた。

「朧さん?」

「うふふ、ごめんなさい、もっと触らせてあげたいけれど、もう我慢出来そうにありませんの」

まず始めに朧はチロチロと神哭の首すじを舐め、ついで彼の服をはだけさせて、頑強な胸にキスをした。

「うふふ、やっぱり、鍛えていますのね」

朧はにっこり微笑むと、今度は自分の衣服にも手をかけ、一息に脱ぎ捨ててしまった。


「朧さん、見えているが・・・」

「見せていますの、さあ楽しみますわよ?」

ぎゅっと神哭を抱きしめると、朧は彼の下半身に手を伸ばした。

「うふふ、もうこちらは準備完了みたいですわね」

下半身の逸物を朧が握ると、かすかに神哭の身体が震えた?

「怖いんですの?」

朧の言葉に神哭は笑いながら首を振った。

「馬鹿な、これは武者振るいだ、だがその前に」

神哭はじっと朧を見つめる。

「私で良いのか?、私は何の取り柄もない平凡、・・・むぐっ」

またしてもいきなり口を塞がれた。

「クチュ・・・レロ・・・ムチュ・・・チュ・・・」

ぷはっと朧は口を離すと、神哭から目を逸らさずに想いを告げた。


「私で、ではありませんわ、あなただからこそ、わたくしは好きなのですわ」


あまりにストレートな告白に、神哭は知らず目を見開き、赤面してしまった。

「真面目な性格、優しい眼差し、少しばかり鈍感なところも、あなたの全てが愛おしいですわ」


女性にそこまで言われてしまえば、もう神哭としても踏ん切りがつく。

彼は不意をついて、今度は此方から朧の唇を
奪ってみた。

先ほどの朧のようなねっとりとしたものではないが、あまりの体温の暑さに、朧は蕩けそうになった。


「その、どうやら私も君が好きになりつつあるようだ、清らかな心やその蛇の身体、蛇体に走る蛇の筋、小さな鱗何もかもが美しい」

相変わらずブレない神哭の趣味に、クスリと朧は笑った。

「うふふ、やっぱりわたくしは間違っていませんでしたわね」

嬉しいそうに呟くと、朧は少し神哭への身体の締め付けを緩めた。


「さあ、神哭さん、あなたの分身を、わたくしのナカに挿れて下さいまし、もう用意は出来ていますわ」

神哭が視線を下に移すと、すでに彼女の蛇と人間の付け根からはトロトロの液体が漏れていた。


「いくぞ」

覚悟を決めて、神哭はきつい道をこじ開け、自分の分身を押し込んでいく。



「んぐっ・・・んあっ、・・・んああああっ」

「きつっ、は、入った!?」

一瞬何かを突き破るような感覚の後、神哭の逸物は朧のナカに収まっていた。

ギュウギュウとまわりからそれこそ蛇のように締め付けられ、神哭は一瞬失神しそうになった。


「うぉぉぉぉぉぉ」

「え?、きゃっ・・・」

だがそれも一瞬のこと、すぐに神哭はその快楽すらも上回る意思を発揮し、ぐいぐい腰を叩きつけ始めた。


「お、朧っ、朧っ」

見た目によらず男らしく、また激しい神哭の動きに、朧は知らず知らずのうちに彼の身体を抱きしめていた。

「ふあ、あああっ、か、神哭くん、あなたは、わたくし以外に、経験が・・・」


あまりに精錬された動きに、ほぼ無意識ではあるが、朧はそんなことを訊いてしまっていた。


「あるはずか、ない、私のような、き、奇特な人間に言い寄るものなぞおらんっ」

少しだけではあるが、神哭はそのようなことを問われてむくれてしまっていた。


「わ、私は自分の伴侶になる人間としか契らないっ、くあああっ・・・だから朧っ、私と・・・」


「勿論ですわっ、もうあなたは逃さない、わたくしはあなたの、あなたはわたくしのものですわっ

それを聞くや否や神哭の動きがさらに激しさを増し始めた。

幼い頃から槍術を学び、人並み以上の実力を持つ彼だが、どうやら下半身の槍も扱いが上手なようだ。




「くひっ・・・ひあっ・・・んひっ・・・」



「はあはあ、うわっ、うわああああっ」




あまりの激しさに、互いに矯正をあげながら二人はまぐわい続ける。


「神哭くんっ、わ、わたくしは、もう・・・」



「わ、私もだ朧っ、このままでは・・・」

刹那、正気に戻った神哭は、腰を引こうとしたが、蛇体に巻きつかれ、身動きがとれない。


「お、朧?、このままでは、君は・・・」

「良いですのっ、ナカに、わたくしのナカに、放って下さいましっ」


人間らしい倫理観が一瞬彼の邪魔をしたものの、もうとうに彼女を伴侶にする決意を決めた神哭である、すぐさま覚悟を決めた。



「は、孕めっ、私の子供を産んでくれっ」



「あんっ、あはっ、わかっています、わ・・・けれど、その前に名前で、月夜と呼んで下さいましっ」


神哭はしっかりと朧の身体を抱きしめ、彼女の最奥で白い欲望を爆発させた。


「うわああ、つ、月夜っ、月夜ぉぉぉぉ」


「いひぃぃぃぃぃぃ、で、出てる、か、神哭くんのが、わたくしのナカにぃぃぃ・・・・」


ビクンビクンと互いに身を震わせあうと、どちらともなく自然に唇を交わしていた。

「んちゅ、くちゅ・・・」」


「んふ、ちゅ・・・・うふふ、神哭、くん・・・」


幸せそうに朧は下腹部を撫ぜた。

「あなたの精が、わたくしの中で泳いでいるのがわかりますわ」


うっとりと言われ、神哭は出したばかりだというのに股間に血が集まるのを感じた。

「あんっ、神哭くんの、また大きくなって・・・」

繋がったままだとわかりやすいようで、朧は一瞬恍惚とした表情を浮かべた。


「月夜、これはなんと言うか、男の性みたいなもので・・・」

「わかってますわ、月夜は果報者ですわ、こんなに愛していただいて・・・」


すぐさま言葉を述べようとする神哭だが、すぐ後ろで物音がして振り返った。



「・・・あんた、何をしてるの?」


「沙、耶・・・」


そこには自身の幼馴染みであり、隣に住む隣人でもある六道沙耶が肩を怒らせ、その手には槍を持ち立っていた。


「あらあら、恋人同士の逢瀬を見るなんて、不粋な出歯亀ですわね」

ゆっくりと神哭の逸物を身体から引き抜き、朧は不穏な気配の沙耶を見つめた。


「バカミナっ、あんたどうかしてるんじゃないのっ」

まくしたてるように沙耶は言葉を放つ。


「こ、こんな公共の場で、は、破廉恥だとは思わないのっ」


怒り心頭の沙耶に対して、朧は余裕だ。


「そう、ならば神哭くん、わたくしの住処に参りましょう、今度は邪魔が入らないように、しっぽりは楽しみましょう?」


あまりに魅力的な提案、神哭はこくりと頷くと、近くにあった服をまとった。

「そう言うわけだ沙耶、私はしばらく帰らないと思うからそのつもりでな・・・」

「では、ごめんあそばせ」








「待ちなさいよっ」

沙耶は手にしていた槍の穂先を朧に向けながら怒鳴り散らした。


「バカミナっ、そいつは化け物なのよ?、なのに、なのにどうしてそいつと・・・」


しばらく神哭は黙り込んでいたが、やがて顔を上げ、視線を沙耶に向けた。


その視線たるや、猛獣ですら裸足で逃げ出すような激しいものであり、さしもの沙耶もたじろいだ。


「化け物、だと?、それがどうした・・・」


近くにあった長い木の棒を掴み、神哭は沙耶を睨みつけた。


「奪い奪われ、殺し殺され、傷つけ傷つき、人間が、世界にどれほどの混沌をもたらしている?、化け物は我等も同じこと





我等も彼女も化け物同士、この世界に生きているという意味で、どれほどの違いがある?」


神哭の言葉に圧倒され、沙耶の槍を持つ手が微かに震えた。


「この娘、ひょっとして・・・」

朧は何かに気がついたようで、ほっそりとした手を、自分の顎に当てた。


「・・・なら、力づくで連れ帰るっ」


先に動いたのは沙耶だ、片手で槍を構え、朧めがけて槍を放つ。


「やらせんっ」

だが、その一撃は神哭の持つ枝によって阻まれた。


「カミナっ、何、この力・・・」


正直に言えば先ほどの神哭の動き、沙耶には見切ることすら出来てはいなかった。


気が付いたら神哭の手にしていた枝が、己の槍を阻んでいた、そういう次元の話しだ。


槍に関しては沙耶の方が神哭よりも早く奥義を授けられ、免許皆伝も彼より早かった。


故に今でも沙耶の実力は神哭に勝るとも劣らない、筈だった。



にも関わらず、神哭の実力は沙耶が知らない内に、認知することすら困難な領域にまで達していたのだ。


「どういうことだか、すこぶる調子が良い・・・」

枝を槍のように振るいながら神哭は呟いた。


「これならば、負ける気はしないな」

沙耶の槍を弾き、神哭は枝の先端を相手に向ける構えをとった。


「それはカミナ、あんたの十八番、終の神槍『蒼月』の型」

もし今の状態の神哭を相手にすれば沙耶とて無事では済まない、ならば一瞬でかたをつけるしかない。

沙耶は槍を両手で持ち、後ろを担ぐようにして構えて見せた。


「極意『花鳥風月』・・・」


互いに必殺の構えをとったまま、動かない。


刹那、二人は同時に地を蹴り、一瞬交差した。



「・・・くっ」

神哭の右肩から血が噴き出した。

あまりの痛みに、神哭は片膝をつく。


「・・・・・」

沙耶はゆらりと振り向いたが、直後に物言わず倒れ伏した。


「・・・沙耶、何故我等が争わねばならないのだ」

枝を放り投げ、神哭は右肩を抑えながら気絶している幼馴染みに近づく。


「神哭くん、待って下さいまし」

シュルシュルと地を滑るような音がして、朧が神哭に近づいてきた。


「彼女のことは、わたくしにまかせてはくれませんこと?」

どういうつもりだ?

何故朧は沙耶のことを気にかけているのか、彼女は明らかにエキドナである朧のことを気に入っていない。

いや、そればかりか蛇にも嫌悪感を抱いている、一緒にして大丈夫なのか。


「・・・わかった、月夜、彼女を頼む」

「はい、悪いようにはしませんわ」

にこりと朧は微笑んだが、その笑みには危険な香りがしていた。




「ん?、ここ、は?」

沙耶は気がつくと、どこかの洞窟のような場所にいた。

土の壁と、天井はたしかに洞窟だが、小さな小部屋みたいになっており、彼女が目を覚ました大きなベッドや机などの調度品が揃っている。


「ようこそ、六道沙耶さん、わたくしの住処へ」

一つしかない入り口からエキドナの朧月夜が入ってきた。

「あんたっ!」

立ち上がろうとしたが、全身に痛みが走り、沙耶はベッドから降りることが出来なかった。


「あまり動かないほうが良いですわよ?、神哭くんの一撃を受けたのですもの」


心配そうに朧は言うが、とうの沙耶は敵意を込めた眼差しを常時朧に送り続けている。


「何なのよあんたっ、いきなりあたしとカミナの間に入ってきてっ、何がしたいのよっ」


「・・・沙耶さん、そろそろ正直になっては如何ですの?」

朧は穏やかに沙耶を見つめている。


「あなたもわたくしと同じ、神哭くんを懸想しているのでは?」


朧の言葉に、沙耶は目に見えて錯乱し始めた。


「なっ、どっ、どうしてあたしがバカミナのことなんかを・・・」


「わかりますわよ、わたくしも彼をお慕いしていますもの、同じ気持ちのあなたのお心はお見通しですわよ?」




沙耶は奥歯を噛み締め、何かに耐えるように俯いた。


「蛇が嫌いなのですわね?、いえ蛇ではなく・・・」


ゆっくりと近づくと、朧は沙耶の肩に右手を置いて目を閉じた。



「彼が大好きだという興味の対象が」


「っ!?」



気がつけば沙耶は、蛇が嫌いになっていた。


神哭が蛇が好きになったときのように理由がないわけではなく、実ははっきりしていた。


「ずっと一緒だったのに、あいつは口を開いたら蛇、蛇、蛇っ、あたしのほうがよっぽどあいつを楽しませられるのに、蛇なんかよりもずっとあいつが好きなのに、あいつはいつも蛇しか見てないっ、挙げ句の果てには・・・」


じろりと沙耶はさらなる敵意を募らせ、最早殺意に近い視線を朧に向ける。


「あんたみたいな化け物蛇があいつをさらっていくっ!・・・・何でよっ、あたしはずっとあいつが好きだったのに、なんであんた達はあたしからあいつを盗っていくのよっ」


その叫びは、目の前にいるエキドナの朧月夜に向けられたものではなく、これまでずっと神哭を盗られ、憎んでいた蛇に向けられた恨みつらみだった。


「あいつはあたしと同じ人間なのよ?、人間には人間しか並び立てないのにっ」


「彼はもう、人間ではありませんわ」


ぽつりと朧がもらした言葉に、沙耶は目を見開いた。


「・・・え?」


「すまない沙耶、どうやらそうらしい・・・」


入り口から、今度は神哭が現れた。





「彼、十河神哭くんは何世代も前の先祖に、わたくしと同じ蛇の魔物がいたようですわ」


朧の言葉に、沙耶は唖然としている。


「白蛇だったのか、それともラミアなのか、はたまたメドゥーサだったのかはわかりませんが、彼の身体には間違いなく蛇の魔物の血が流れていますわ」


本来魔物からは母親の性質を継いだ女の子しか産まれてはこない。

だが、何世代も人間と交わり、少しずつ血が薄まった結果、限りなく人間には近いが、微かに魔物の血を残す男性が産まれたのだという。


「分類上は確かに彼は人間でしたわ、けれど先祖の血が強く出てしまったのか、無意識的に同族である蛇に惹かれていたようですわね」



彼が蛇の魔物の血を強く引いているというのは、見た瞬間に朧は気が付いていた。


人間でありながら、蛇の匂いもするなど、珍しいなんてものではない。


「そして決定的だったのはわたくしとまぐわったこと、接触したことでめでたく体内の血が刺激されて、瞬時にインキュバス化、しかも魔物のハーレムを形成しているようなクラスにまで進化したようですわ」


初体験にも関わらず彼が精錬した動きが出来たのも、沙耶をはるかに上回る槍術を身につけたのも、彼が魔物の伴侶ーーーインキュバスになったためだった。


「さて沙耶さん、これで彼が普通の人間ではないことはわかりましたわね?」


沙耶は普段の彼女からは想像もつかないほどしょんぼりしながら話しを聞いていたが、話しが一区切りすると、神哭のほうを見た。



「知ってたの?、自分が蛇の子孫だって・・・」

「いや、私も月夜に言われて初めて知った事実だ、おそらく父も母も、知らないと思う」


静かに神哭は告げたが、沙耶はうつむき、微かに肩を震わせ始めた。


「わかってた、本当は、わかってたの、バカミナはあたしと何か違うって・・・」

泣いているのか、ベッドに雫が落ち始めた。

「沙耶・・・」


「バカミナはあたしのこと、何とも思ってないってことも、わかってたの、けど、あたし、結局認められなかった・・・」


朧は沙耶の背後に回ると、彼女を後ろから抱きしめた。

「朧、さん?」

「辛かったのですわね?、けれどもう大丈夫、これからはわたくしも、神哭くんも、側にいますわよ?」


朧の言葉に、沙耶は顔を上げた。

「どういう・・・」

「あなたもわたくしと同じ、魔物になればいいのですわ」


囁くように告げると、いきなり朧は沙耶の服を脱がせ始めた。

「お、朧、さん?」

仰天する沙耶だが、朧はどこ吹く風だ。


「ほら、彼にもあなたの姿を見せてあげて下さいまし」


「へ?、きゃあああっ」

じっと見ている神哭の視線に気が付いて、沙耶は叫び声を上げた。


「ば、バカミナっ、見ないでよっ」


「勿体無いですわよ、あなたはこんなに綺麗なのに・・・」


まるで母親のように、朧は慈しみに満ちた視線を送りながら沙耶の服を脱がせていく。


「見ないで、見ないでよっ」


「そんなこと言って、本当は見て欲しいくせに、だって、ほら・・・」


すっと朧は沙耶のショーツに手を伸ばす。

「ひぐっ・・・」

「もうしっかり濡れてますわよ?」


がたがた震えながら沙耶は朧にされたいようにされている。

そんな二人を見ていると、神哭は気持ちがなぜか昂ぶってきた。


「沙耶・・・」

「あらあら、本当に神哭くんはインキュバスらしいですわね」

ついに脱がされ、全裸にされた沙耶から、目をそらせずに神哭はじっと見ていた。


「あ、あああ、い、いや・・・」

強気な彼女に似合わぬ姿に、だんだん神哭は我慢できなくなってきた。


「恥ずかしい?、けれど興奮するでしょう?、好きな人に見られて・・・」


朧の舌が沙耶の首すじを這い、あまりの快感に沙耶は微かに震えた。


「うふふ、さあ、三人で楽しみましょう?」

自分も服を脱ぎ捨てると、朧は神哭を手招きした。





「あっ、カミ、ナ?」

ベッドに上がると、神哭は至近距離から沙耶を見つめた。

「沙耶、君は今でも、蛇が嫌いか?」


神哭の質問に、沙耶は迷った。

確かにさっきまでは大嫌いだった、けれど朧と話しているうちに、なんだかそうでもなくなっていた。


ずっと溜め込んでいたものを、外に吐き出すことが出来たからかもしれない。


「もしそうなら逃げてもいい、私は止めない、だが少しでも、少しでも変わったならば・・・」


神哭はちらっと朧を見たが、彼女は頷いた後に、軽くウィンクしてみせた。


「私の側に、居てはくれないか?」

それは一つの告白、沙耶は顔が赤くなるのを自覚した。


「バカミナ・・・」

「沙耶、私の気持ちは伝えた、今度は君だ」




「ああっ、もうっ、どうしようもないわねっ」

沙耶は頭を掻き毟りながら神哭に抱き着いた。


「あたしもあんたが好きっ、蛇や朧さんに嫉妬するくらいにっ、と言うかそれくらい気づきなさいよっ、バカミナっ」


やっといつもの調子が戻ってきたようだ、変わらぬ幼馴染みの姿に、神哭は嬉しくなった。


「うふふ、もう、ようやくあなたも、彼と結ばれますわね」

心底嬉しそうに朧は微笑んだ。


「ほら、彼はもう準備が出来ていますわ」

朧は微笑みながら、神哭の男根を示した。

知らず、沙耶はゴクリと生唾を飲み込み、身体を起こすと、神哭の上に乗った。


「あらあら、沙耶さん、やっぱりなれてませんわね」

肝心のところから進めずいる沙耶を見て、朧はゆっくりと少女を抱きしめた。


「朧さん・・・」

「怖くはありませんわ、あなたは一人ではありませんもの、わたくしも、あなたの愛しい彼も、しっかりついてますわ」


軽く目を閉じ、沙耶は自分の腰を、神哭の上に勢いをつけて落とした。


「あっ、ああっ、んあああっ・・・」

嬌声を上げ、ついに沙耶は己の内に神哭を迎え入れた。

「カ、カミナ・・・・・あたし、あたし・・・」

「沙耶、よく頑張ったな?」

わしゃわしゃと神哭は沙耶の頭を撫でる。


「ひぎいっ、カミナ、駄目、い、今触られたりしたら・・・」

ぶるぶると沙耶は震え始めた。

いや震えるなどという生易しいものではない、何かが彼女の内から現れようとしている。


「沙耶?、辛いのか?」

神哭は沙耶を抱きしめようと手を伸ばしたが、彼女は神哭の両手を掴み、腰を振り始めた。


「大丈夫、あたしは、大丈夫、だから・・・動いて、カミナ、あんたを、感じさせ、て・・・」




「わかった、だが辛かったりしたらすぐに言うようにな」

神哭は突き上げるように腰を動かし、彼女の奥を突く。


「あ、あはっ、ああああ、ああああっ」


「うふふ、沙耶さん気持ち良さそう、羨ましくなりますわ」

くちゅり、と朧は沙耶の豊かな乳房を長い舌で舐め回す。


「んはあっ、朧、さん、駄目、や、やめて下さい・・・」

切なげに抗議の声を上げる沙耶だが、そんなことで止まるような朧ではない。

「もう、素直にして欲しいって言わないと駄目ですわよ?」

ぽうっ、と朧の右手が淡く光り、その光は沙耶の中に入っていった。


「な、に?、身体が、急にあつく・・・」

突如沙耶の全身の震えがさらに激しくなった。

同時に、少女の内部も、まるで神哭の精を搾り取らんとするかのように、ぎゅうぎゅうに締まり始めた。


「うおっ」

「だ、駄目っ、カミナっ、もうあたし、イクっ、イっちゃうっ」

身体を倒し、両手を神哭の背中に回しながら、沙耶は彼の唇を貪る。


「・・んちゅ・・・れろ、ちゅ・・・・あ、ああ、駄目身体が、あつい、あついのっ」

「出るっ、沙耶っ」

大量の白濁した液体が沙耶のナカに放たれた。

直後。


「あひあああああっ、か、変わるっ、あ、あたしっかわっちゃうううううっ」

沙耶の姿が変わり始めた。


下半身は脱皮するかのようにグズグズに蕩けて一つの蛇体を形成し、頭から生えていた頭髪はいくつもまとまり、無数の蛇にまとまった。


「はあ、はあ、あたし、魔物、に・・・」

絶頂から立ち直れないトロンとした表情で、沙耶は己の身体を見る。


「ハッピーバースデイ、素敵なメドゥーサになりましたわね」

「朧、さん、これであたし、カミナ、と・・・」

かくりと沙耶は神哭の胸に倒れた。

「沙耶っ」

「大丈夫、ちょっとつかれただけだから、ねえ、カミナ・・・」

はあはあと息を荒げなから、沙耶は神哭を見つめた。

「あたしが眠るまで、ギュってしててもらっていい?」

ぐるぐるとすでに神哭の身体は沙耶に巻きつかれているが、神哭は両手を動かし、沙耶の身体を抱きしめた。


「ありがと、カミナ・・・」

それだけ告げると、沙耶はゆっくりと目を閉じた。

「・・・さすがに、疲れた、な」

かく言う神哭も緊張の糸が切れ、一気に眠りの世界に落ちて行った。





「ペロ・・ペロ、ピチャ・・・」

「チュ、レロ・・・ンチュ・・・」



「ん?、んんん?」

朝、目が醒めると神哭の下半身に、蛇がまとわりついていた。

「おはようございます神哭くん、遅いおめざめでしたわね」


「いつまで寝てんのよバカミナっ、あたしも月夜さんもお腹ペコペコよっ」


よく見ると彼の身体もどちらがどちらの蛇体なのかさっぱりわからないほどにぐるぐると巻きつかれ、身動き一つとれない。


「神哭くん、朝食が終わりましたらわたくしと契りを交わしましょう?」

「ちょ、月夜さん駄目ですよっ、カミナとはあたしがヤるんですからっ」

「沙耶さんは昨日あんなに激しくされたではありませんのっ、朝くらい私に譲ってくださいましっ」

「幼馴染みとして彼の世話をするのは当然です、ですからここはあたしが・・・」


言い争う二人の声を聞きながら神哭は穏やかな微睡みにつかまり、意識が遠のくのを感じた。


もう普通の日常には戻れそうにない、しかしこうして二人の妻に出会えた、悔いはない。



「こうなったら、直接彼に決めて頂きますわっ」

「そうねっ、ほらっ、バカミナ起きなさいよっ」

新たな日々が始まる、二人の妻に無理やり起こされながら、神哭は一人微笑んでいた。


15/02/03 12:42更新 / 水無月花鏡

■作者メッセージ
こんばんは鏡花水月であります。

今回は少し息抜きに読み切り小説を投稿させて頂きました。

実は私も神哭くんと同じで昔から蛇が好きです、今の季節は冬眠中ですが、仕事場の周りが自然溢れる場所なので、たまに蛇を見かけるとその日一日テンションが上がります。

しかし残念、私の職場の女性は大半が沙耶さんと同じで蛇嫌い、中々話しが合いません。

さて、もし蛇好きな男の子を好きな女の子が蛇嫌いで、蛇の魔物になったらどうなるか、という妄想から今作は生まれたお話しであります。

もしもお楽しみ頂けたならば幸いです。

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました、それでは今後ともよろしくお願いします。

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