これからは、妻と夫(前編)
礼拝堂の十字架の下、姉さん――サーシャが目を閉じ、小さく唇を突き出す。
その行為の意味は、“誓い”。
これからは、本当の家族として生きる。
俺を必要としてくれる、求めてくれる彼女に全てを捧げる。
教団でも、主神でも、魔王でも、堕落した神とやらにでもなく
…遂に想いの届かなかった大好きな女の子にでも、なく
俺を欲しいと言ってくれた、愛するサーシャに俺を捧げる。
これから死ぬまでずっと続く、その一番初めの、最初のキス。
―最初のキスくらい、俺からしないと恰好悪いよな。
サーシャの肩をそっと抱き寄せて、恐る恐るではあるが、自分から唇を重ねた。
「…………っ」
「んっ……♥」
熱を帯びた、ホイップみたいにふにゃりとした柔らかな感触に唇を押し付ける。
すごい……やわらかい……。
女の子の唇は、サーシャの唇は、こんなにも柔らかかったんだ……。
唇の表面は乾いているのに、まるで果実のように瑞々しい感触。
快楽、とまでは言わないが、ずっとこうしていたいと思うほどに只管心地良い感覚。
心地良いのは唇の感触だけではない。
サーシャの身体から立ち昇る香り、体香。
よく城で嗅ぐ、城勤めの女性たちが付けている香水のように主張の激しい香りではなく、包み込まれるような淡くて甘い香り。
何の香りかは……上手く説明できない。
この香りに似ている匂いを俺は知らないからだ。
花や薬草のような香りとは違う、それらから抽出・蒸留した香水や石鹸とも違う。
吸い込むと鼻から頭に抜けて、脳が甘く痺れる感覚。
まるでサーシャの人柄を表すかのように、優しく包み込んで、温めて、癒す。
そんな、『サーシャの香り』。
俺の顔にかかるサラサラした髪の感触もまた、心地が良い。
頭皮を保護する、というよりも触れる者に快感を与えるためにあるのではないのか……。
そんな馬鹿げたことを思うほどに、ほんの少し顔に触れるのもいちいち心地良い感触。
まるで存在の全て、その機能の全てが愛し、愛されるために在るかのような……。
これが、『魔物』というものなのか。
いや、違うな。
これはきっと……。
「ん………ふふふっ……」
彼女の存在そのものに陶然として、意識がぼやけ始めた頃、サーシャが唇を離す。
離れてしまった彼女の唇が、とても名残惜しく見えた…。
「今度は、私からですね…。
お口を開けて、じっとしていて、ね?」
サーシャの言葉に、俺は異論も挟まずに従う。
彼女の言うとおりに口を開けて、彼女の行動を待つ。
「あなたのお口の中も、私が頂きますね……♥」
サーシャは俺の頬を両手でやんわりと包んで頭を固定する。
そして自らも口を大きく開けて、俺の開いた口に被せるように口付けた。
「あぁ…んむ……ぅ」
人工呼吸のように口に口が覆いかぶさり、そして
口の中に熱くぬめる舌が浸入してきた。
にちゃ……ちゅるっ………
熱い異物感に一瞬身震いするが、ゼロ距離で交わる彼女の視線が、言葉も無しに俺を落ち着かせる。
―怖がらないで。
身体の力を、抜く。
彼女の行為に身を委ねる。
口付けながらやんわりと押し倒されて、座り込んでいた体勢から彼女を上に乗せて寝転ぶ。
サーシャの舌は、唇以上の熱量を持っていた。
滴る唾液は、これがまた熱く、サラサラした感触と不思議な甘味を感じる。
上質な砂糖を湯に溶かして作ったシロップのよう。
ただしその甘さには重みもクセもなく、水が染み込むように舌に染み渡る。
いくらでも求めてしまうような、果糖に似た優しい甘味。
サーシャは俺の口の中を、唾液を塗しながら征服する。
まずは尖った舌先が、俺の上顎を舐める。
熱く柔らかい感触と、甘い唾液に擦られて、むず痒いような、くすぐったい感じ。
舌が上顎を舐める度に、サーシャの唾液が滴って俺の舌の上に落ちる。
滴る唾液は俺の舌を浸し、痺れるような甘さを齎した。
ぷちゅ……ちゅ……
上顎の次は、俺の舌。
滴って溜まったサーシャの甘い唾液に浸された俺の舌を、彼女の舌が包むようにして捕まえる。
口の中、彼女と俺の唾液で出来たプールで、二人の舌が絡まる。
ぬちゃ……ぴちゃ……
甘い、甘い、甘い……
引っ切り無しに襲ってくる甘味に、頭が茹ってくる……。
キスをしながら、サーシャは俺を見つめる。
濡れた深紅の瞳に見据えられると、意識がぼやけてしまう。
感覚が、思考が、彼女に支配されていくかのようだ。
あぁ……それが、とても、心地良い……。
こびりつく程度に残っていた後悔が、良心が、彼女の舌が踊り、見つめられることで崩れていく。
堕落する、というのはこういう事か……。
先刻まで感じていた、今までの人生を裏切る罪悪感が、ボロボロと崩れて只管に気持ちが良い…。
このまま身を任せていれば、サーシャだけのモノにしてもらえる……。
自分の心が造り替えられていくことに、もう恐怖も感じられなくなっていった。
「ちゅるっ……こくん……
ふふっ…美味しい……♥」
サーシャがキスを止めて唇を離す。
彼女と俺の唇に、二人の唾液でできた糸がアーチを作る。
俺はぼんやりとした頭で、その銀の糸を見つめていた。
「あなたも、飲んでください。私の唾…♥」
サーシャに言われるまま、口の中に溜まっている彼女の甘い唾液を……飲み下す。
甘くサラサラしたシロップが咽喉を潤し、食道を潤し、胃に落ちる。
美味しい……。
いつかサーシャが飲ませてくれた薬湯のように、咽喉を潤し、胃に優しく溶けて取り込まれていく。
飲み込んだ胃から、酒を飲んだように身体が温まっていくような……。
胃から頭にじんわりと熱が昇ってきて、酒に酔ったような酩酊を感じた。
「気に入って貰えたみたいですね♥
もっと、私を求めてください……
さぁ……今度はあなたから………♥」
サーシャが口を開けて、小さく舌を出す。
彼女を抱き寄せて、引き寄せられるように唇を重ねる。
出された彼女の舌に、今度は俺からしゃぶりつく。
口の中にサーシャの舌を取り込む。
爪の無い指で引っ掻くように、自分の舌で彼女の舌を捕まえる。
抵抗せず、むしろ待ちかねていたかのように舌が俺に突き出される。
ちゅるるぅ……にゅるぅぅ……
絡めて、吸って、しゃぶる。
無限にシロップが湧き出る、その柔らかい舌を飢えた犬のように懸命に吸い立てる。
吸えば吸うほど、甘いシロップが俺の咽喉を潤してくれる。
ちゅるるっ……ちゅるるっ……
サーシャの熱い視線が、香りが、体温が、肌の感触が
舌に感じる甘味が、脳に響く水音が俺を酔わせていく、
俺を見つめるサーシャの目じりが、小さく垂れ下がった。
「ん……っふ……♪」
唇を重ねたまま、笑う。
甘えるようにしなだれかかり、俺に身体を預けてきた。
シャツ越しに押し付けられる、サーシャの乳房の感触…。
彼女と俺の衣服、2枚の布越しでも分かった。
充血して、コリコリに硬くなった乳首。
サーシャは身を揺らして、自分の乳首を俺の乳首に擦り付ける。
「………っ」
「んふっ……♥」
初めて感じるくすぐったさに、身を捩ろうとした俺をサーシャの左腕が抱き締めて拘束する。
キスを貪りながら、乳房を胸板に押し付けながら、右手が俺の腹を撫でて降りて行き……
俺の股間を優しくまさぐった。
「………っ!!」
キスに気を取られていて自分でも気が付かなかったが、俺のペニスはかつてないほどに屹立していた。
今にもズボンを突き破らんばかりに天を突き、先走りのせいか、押し上げられている先端が湿っている。
意識の外にあったときには分からなかったが、認識した途端に痛みに似た圧迫感を感じた。
「ちゅっ……
ああ……熱くて、かたぁい……♥」
うっとりとした声と熱い吐息を漏らすサーシャ。
股間に置かれた掌は、布地越しにペニスを執拗に撫でる。
背中がゾクゾクする。
今更にだが羞恥を感じた俺は彼女の愛撫から逃れようと身を捩るが…
「めっ……♪」
ペニスを強く握られて、制された。
痛みは感じず、ジワリとした甘い痺れが走る。
呻く俺に微笑みかけて、サーシャは股間を撫で続ける。
掌で撫でながら、人差し指でペニスの先端部分をくりくりと突く。
「じっとしていて?
すぐに『シて』あげますから、ね?」
熱い吐息とともに囁いて、悪戯っぽく笑う。
初めて見る彼女の淫靡な表情に見とれて、俺は意味も分からず頷く。
愛撫していた手がベルトに掛かる。
俺が小さく声を挙げる間も無く、ベルトが外された。
次に、ズボンのボタンを片手で器用に外し……
拘束が解かれたズボンと下着の中にサーシャの手が滑り込んできた。
「うぁ……っ」
「ああ……っ♥熱ぅい………っ♥」
しなやかな指がペニスの竿を包み込み、痛みを感じない程度の力できゅっと握られた。
にちゃっと滑る感触がしたのは、既に下着の中が先走りでベタベタになっていたからだろう。
サーシャの手に押し込まれて、ズボンのチャックが降ろされてペニスが外気に触れた。
………な、なんだ…コレ?
サーシャに握られて下着の中から開放されたペニスは、見たことが無いグロテスクな様を呈していた。
まずサイズからして異常だ。
幾ら彼女の手が大きくないとはいえ、彼女の人差し指と親指の輪に収まらない程の胴回りなんてなかったはずだ。
長さも、普段の勃起したときよりも亀頭一つか二つ分くらい増している。
赤黒く充血した亀頭からは水漏れでも起こしたかのように先走り汁が流れ続け、亀頭をテラテラと光らせている。
掴んでいる彼女の手の美しさが、余計にペニスの異形さを際立たせていた。
「凄い……とっても、逞しい……」
うっとりとした表情で、サーシャは俺のペニスを見下ろす。
吐息が重く、熱い。
今更に、本当に今更にだが気恥ずかしくなって俺は弱弱しくだが抗議した。
「ねえさ……サーシャ、あ…あんまり、見ないで……恥ずかしいよ……」
抗議する俺にサーシャは目を移す。
彼女の表情は、興奮で上気しており、目が合った瞬間にまたどきりとした。
「恥ずかしがることなんてありませんよ?だってほら……」
「うあっ……!」
サーシャがゆっくりと竿を握った手を上下させる。
その弱い刺激ですら、暴発寸前のペニスには身震いするような快感が走った。
「とっても熱くて、硬くて、逞しくって……素敵なオチンチンです♥
今からこれで、私をあなただけの女にして貰えるのだと思うと……あぁっ♥」
堪らない、と言わんばかりにサーシャは俺の胸板に頬ずりをした。
俺は、というと彼女の言った言葉に心臓が更に高鳴った。
サーシャを、俺だけの女に、する。
憧れていた彼女を、これから……犯す。
この、猛り狂ったペニスを、サーシャの、誰も触れたことのない場所に、突き立てて……
セックス、するんだ。
確定事項であったそのことを改めて認識すると、訳の分からないものが胸から噴き出してきた。
僅かな恐怖とそれを押し流すほどの期待。
これまでの関係は終わり、もっと、遥かに深い新しい関係の始まり。
憧れの女性をこの手で犯す背徳感と、彼女を俺だけのモノにできるという暗い悦び。
サーシャへの愛しさと、激しい独占欲。
「あぁぁ……素敵です……♥
私を、欲しがってくれるのですね………嬉しい……嬉しい……っ!!」
「うっ、くっ……!!」
俺の何かが琴線に触れたのか、サーシャが熱い息を吐いてペニスを握る手に力を込めた。
傷が付くほど強い訳ではないが、いつ破裂してもおかしくない程に勃起したペニスには電撃のようにも感じられる刺激。
ペニスの根元、その奥から得体の知れない熱量がせりあがってくる。
「はぁぁっ……こんなにドクドクって、脈を打って……堪りません……っ」
きつく握った後は、優しく擦る。
中指から小指の三つ指と掌で竿を掴んだまま、人差し指と親指で亀頭を撫で回した。
すでに先走りで滑り、真っ赤に充血した亀頭。
カリを、鈴口を、二本の指が執拗に撫で、突き、こねくり回す。
「う、ううぅぅっ……!」
ただ情けない声を挙げることしかできなかった。
弱いが、引っ切り無しに襲ってくる刺激にあっという間に追い詰められる。
射精が、近い。
サーシャの攻めに白旗を揚げようとしたその時、唐突に攻撃が止まる。
、
「出しちゃいそうなんですね……♪
でも、もう少しだけ待ってくださいね?
もっと良いやり方で、あなたにうんと気持ちよくなって欲しいのです♥」
俺の頬にちゅっ、と軽く口付けて、俺を拘束していた腕を離す。
乳房を俺に押し付けながらの身を捩り、股間の位置にまで身体を移動させた。
醜悪な俺のペニスが、サーシャの顔のすぐ傍、息の掛かるほど近くにある。
気恥ずかしさに俺が抗議するより早く
「ちゅっ…♥」
亀頭に、親愛を示すようなキスが触れた。
「くぅ……っ!?」
胡乱な頭では、その現実離れした光景を理解し切れなかった。
自分で恐怖を感じるほどに肥大した醜悪な肉棒に、憧れの女性の麗しい唇が愛しげに押し付けられた。
頭で思い描いたことすらない、未知の光景。
自慰の際に、女にしゃぶられる光景を妄想したことはあるが、自分の身近な女性を投影したことなんて無い。
ましてや、尊敬し憧れていた彼女に奉仕させるなんて……妄想の中ですら畏れ多いことだった。
「うふふっ……とっても、素敵です……♥
いっぱい、お口でご奉仕しますから、出したくなったら……」
―私のお口に、いっぱい射精してくださいね……♥
彼女の口から出たとんでもない発言に、制止も遠慮も口に出来ず、ただ押し黙る。
立て続けに起こる異常事態に混乱は極まり、もはや俺の意識と思考は完全に彼女の為すがままだった。
彼女を凝視し、その行動を見守る。
「あ〜……ん」
サーシャは両手で竿を握って固定し、口を小さく開けて
「は、むっ…」
亀頭の先端に、唇を被せた。
最初に感じたのは、ぬるくぬめった水の感触。
それはすぐにじわじわとした熱さに変わって、まるで炭酸が弾けるような弱い電撃にも変わる。
ただ唇に包まれているだけだというのに、凄まじいくすぐったさに襲われる。
「―――っ!――――……っっ!」
その快楽に慣れる間も与えられず
「じゅ、ぷぷぅ………」
亀頭が、サーシャの唇に、口の中へとゆっくりと呑み込まれていく。
極上の柔らかさのする唇を押し割って、脳を蕩かす甘い唾液を塗りたくられて、口内へとペニスが突き進む。
唇が、充血した亀頭に吸い付いてくすぐる。
唾液が、酸のように亀頭に染み込み、蜜のように蕩かす。
「ぁ――!ぁ―――!!――――!」
ただ、声の無い悲鳴を、嬌声を挙げる。
くすぐったさは熱へと変わり、じんわりとした熱は得体の知れないエネルギーとなって、ペニスの奥へと向かう。
彼女の手で弄られていたときからずっと溜まっていた熱量に、そのエネルギーが加わって圧迫を感じる。
ゆっくりと、唇の端から唾液を零しながら呑み込まれていた亀頭が、完全に彼女の口内へと消えた。
カリのくびれに唇が覆いかぶさり、包み込まれる。
亀頭全体が、あの甘い蜜のような唾液の滴る熱い口内に呑み込まれてしまった。
じんわりと侵蝕してくる甘い熱に陶然とする間もなく、鈴口が柔らかくも弾力を持った何かに突かれる。
サーシャの、舌だ。
「う、むぅん……♥、む、ぅん……っ♥」
ぺろり、ぺろり、ぺろり………
声を漏らしながらも決して唇を離さず、亀頭を咥えたまま口内で先端を舐める。
しかしそれはただ舌先でチロチロと舐める遠慮がちな舌使いではない。
舌の腹で先端を包み、舌の表面全体を先端に押し付けながら、ベロリと擦りあげる。
鈴口を含めた先端が、飴でも舐めるかのように、ゆっくりと強く舐められる。
一定のリズムでそれを繰り返す。
「お、ぉぉぉぉ………ぉぉぉ………」
ぺろり、ぺろり、ぺろり………
重いが、穏やかで優しい快感に、ただ情けなく声を漏らす。
竿に掛かる熱い鼻息が、充血したペニスには涼しく感じて心地が良い。
先端に与えられる刺激はやはり熱量に変わり、竿を伝わって根元の奥へと落ちていった。
ペニスの感覚が甘くぼやけてくるか来ないかのところで、サーシャの舌の動きが変化した。
舌の先端が鈴口に押し付けられて……
尿道をこじ開けるかのようにくりくりと捻り込まれた。
「うお、ぉぉぉぉ………っ!?」
狭い尿道をほじりながら、サーシャの舌が進入してくる。
無論、狭くしかも過度の勃起で圧迫された尿道には舌が入り込めなどしないのだが、それでも入り口を執拗に
彼女の舌がほじくりかえす。
痛みこそ伴わないものの、一番敏感な部分を突きまわされて俺は悶絶する。
感じるのは突かれる感触だけではない。
彼女の舌から滴る甘い唾液、それが尿道の中に無理矢理に押し込まれていく。
それはすぐさま痺れる熱に変わって、ペニスを内側から燃やす。
その新たに発生した熱量と、今までずっと放出の時を待っていたペニスの奥に蓄えられた熱量が共鳴を起こす。
根元から、重たくて熱くて大きなものが先端へ、先端を抜けた先にあるサーシャの口を目指して昇る。
ぼやけた感覚の中で唯一鋭敏になったペニスに、内側から爆発するかのような圧迫感が襲う。
せりあがって来る力を留めるために、反射的に尻に力を入れて耐える。
「サ、ァシャっ……ダメだっ、退いて……っ!」
必死の思いで声を絞り出す。
このままでは、サーシャの口の中に汚液をぶちまけてしまう。
事前に許しを得ているとはいえ、心に強く刻み込まれた彼女への敬意が燃える獣欲にブレーキを掛けた。
「んん……んん……」
彼女はペニスを咥えたまま俺を見上げる。
その瞳には咎めるような…というか、拒否をするかのような色が見えた。
俺の言葉に反抗するかのように、口の中に引き込むようにペニスに添えた手をゆっくりと上下させる。
「で、ちゃうよ……っ、サーシャの、口に……精液っ……!」
上下運動を加えられ、さらに追い詰められながらも声をひり出した。
目の奥で火花が散っている。神経までもが悲鳴を挙げている。
「んっ……んっ……」
サーシャの瞳が細められる。
亀頭をくわえ込みながらも俺の言葉を肯定するかのように、声を漏らす。
その振動もまた、刺激へと加わった。
「出す、よ……っ?サーシャの、口のなかに、俺の……精液っ……出るよ……っ?」
返ってくるであろう彼女の返答が分かっているのに、女々しく許可を求める。
散々しゃぶらせておいて今更もいいところだろう。
だが、サーシャに対する敬意が、無遠慮に欲望を満たすことを許さなかった。
「ん……♪」
細められていた瞳の端が垂れ下がる。
見慣れても飽きることなど無い彼女のいつもの、笑顔。
言葉が無くても、その笑顔が俺に対する答えだった。
サーシャの許しを得て、最後まで残っていた箍(たが)が、外れる。
「出すっ、からね……サーシャに……精液……っ」
「んんぅ……♥」
脳を焦がす放出への欲望が、一気に溢れ出す。
サーシャを穢す罪悪感と背徳感までもが欲望の薪となって炎上する。
絞めていた尻の力を、抜く。
途端、尿道を凄まじい熱を持った圧力が昇っていった。
「で、るっ………!!出るよっ……サーシャ……っ!!」
降参する。
口の中で休み無く亀頭を嘗め回すサーシャに白旗を揚げる。
腰がガクガクと震え、甘い痺れが寒気のように全身に伝播する。
昇る圧力に、尿道が焼け付く。
ぐうっっ、と一回りペニスが膨らんだ気がした。
「出るっ!で、るぅ………っ!!!」
そして遂に、圧力が尿道を、鈴口を抜けた。
ーぶしゅっっっ!!
「んぅぅっ………!」
「お、ぅぉぉぉぉ…………っっ!!!」
ペニスが爆発した。そう思った。
視界がスパークして白に染まる。
言葉にならない、獣じみた喚き声をあげる。
―びゅるっ!びゅるるっ!!びゅるるっっ!!!
快感、というより衝撃だった。
2,3秒で終わる自慰での射精など比較にもならない。
一度の射精の快感がそのまま二度目の、二度目の射精の快感がそのまま三度目の射精の呼び水になる。
断続的に、連続で、サーシャの口の中に精液の塊をぶちまける。ぶちまけ続ける。
サーシャの狭い口内に、まるで小便のように大量の精液を吐き出す。
放出の度にペニスの熱量が上がっていくような錯覚を覚え、その度に倍に、倍々に快感が襲ってきた。
自分の内側に溜まった精と命と欲望を放出し続ける。
「ぉぉぉぉ――………ぁぉぉぉぉ―――………っ」
襲い掛かる快感に、為す術もなかった。
礼拝堂の天井を見上げて、口の端から涎を垂れ流しながら、ケダモノのようにただ―呻く。
呼吸も出来ず、肺に残った空気を呻き声と一緒に吐く。
サーシャを気遣うことすら、出来なかった。
……此処にいるのが俺と彼女だけで本当に良かった。
きっと今、俺の顔は見るに耐えない程に情けない顔をしているだろうから。
今までの人生で一番長かった射精が、終わる。
射精の快感は未だにペニスから引かないが、もう何も出ない。
出すものが無くなったお陰でこれ以上の快感には襲われなかった。
「はぁ――っ!!はあぁ……っ!!」
空になった肺に酸素を取り込む。
荒い呼吸に胸が痛くなるが、我慢して呼吸を繰り返す。
快感で散り散りになった意識を修復しようと調息する。
……ようやく頭が回る程度には落ち着いて、顔をサーシャに向ける。
「サーシャ……大、丈夫?」
「んふぅー……っ、んふぅーー……っ!」
俺の射精を口で受け止めたサーシャは目を閉じて、荒い鼻息を吐いている。
目を閉じて、亀頭を口に咥え込んだまま俺と同じように調息しているようだった。
…我ながら情けないが、そんなサーシャにも劣情を抱いてしまった。
「んんっ………」
調息を終えたサーシャが、ゆっくりと顔をペニスから離す。
亀頭に吸い付き、ずず……と小さな音を立てながら唇を引いていく。
ちゅっ、ぽん……と彼女の唇から亀頭が頭を出した。
あれだけの量の精液を吐き出したというのに、未だにペニスは萎えることがない。
「んん………」
サーシャは口を閉じたまま、俺を見上げて微笑む。
紅潮したその笑みはとても美しかった。
潤んだ瞳に見据えられるだけで、心臓の鼓動が加速する。
愛想笑いの類ではなくこれは……悦びや感謝の笑み……?
「ばぁ……♪」
俺の目を見つめながら、見せ付けるように閉じていた口を開く。
そこには当然ながら、たった今俺が吐き出した精液が溢れんばかりに溜まっていた。
綺麗なピンク色の口の中に精液がたっぷりと溜まり、その中を紅い舌が浸っている。
敬愛するサーシャの口の中いっぱいに、俺の欲望が詰まった白濁した精液が……。
今更ながらに、自分の仕出かしたことに慄く。
「ご、ごめん、サーシャ……!
ちょっと待って、今ハンカチを
――……?」
ズボンのポケットを探ろうとした俺の手に、サーシャの手が置かれやんわりと制止される。
熱っぽい視線で俺を見つめながら、開けていた口を閉じて――
「んく、もく…もく……♪」
咀嚼するように口を動かした。
……そ、咀嚼…?
その行動の意味が分からず――
いや分かってはいるのだが、想像すらできない行為に思考が追いつかなかった。
何も出来ずに、その行為を見守る。
サーシャはゆっくりと、味わうように口を動かす。
二度、三度、四度と咀嚼を繰り返しそして――
ご、くんっ……♥
白い咽喉を揺らして、嚥下……口の中にあったものを飲み下した。
「あ……」
「ん、ばぁ……♪」
再度開いた口の中には、もうあの白濁液は無かった。
サーシャは、俺の吐き出した大量の精液をそれは美味しそうに、飲み込んでしまった。
「んふっ……ご馳走様です♪
あなたがくれた精液、とぉっても……
美味しかったですよ♥」
うっとりと蕩けた、淫靡な貌で、微笑む。
自分が出した精液を、憧れの女性が美味しそうに飲み干して、しかも感謝までされるという異常な状況は、俺の認識を遥かに超えていた。
背徳感と罪悪感――そして激しい興奮が混ざり合って頭をぐるぐると回る。
声の出ない俺に、サーシャは愛しそうにペニスを擦りながら語りかける。
「驚くのも無理もありませんね……私も始めて知ったことですし。
魔物にとって、人間の男性の精液は最高のご馳走なのです♪
そして……」
ペニスを手で包み込むように握り、ゆっくりと上下する。
優しい快感に、ペニスがまたびくりと震えた。
「この世でたった一人の愛する男性……『夫』とみなした方の精液は
もうそれ無しではいられなくなってしまう程に美味しくなるのです。
もう、他の男性の精液なんて、不味くて触れるのも嫌になってしまうほどに、ね」
――つまり、私は
―もう、あなたの精液しか飲めないのです♥
―もう、あなたの精液しかこの身は受け付けないのです♥
―もう、あなたの精液無しでは私は生きることができないのです♥
―もう、あなた無しでは私は存在することすらできなくなってしまったのです♥
――つ・ま・り……♥
「もう、私は
あなただけのモノ
なのですよ♥」
歓喜に満ちた素敵な笑みで、彼女は微笑んだ。
……得体の知れないものが、胸の奥から沸騰して、湧き上がってくる。
サーシャの恍惚とした笑顔が、陶酔した視線が、紡がれた言葉が欲望を掻き立てる。
ペニスが、射精前のそれを凌ぐほどの硬度を取り戻し、天を向き突いた。
「ふふっ……逞しくって、とっても素敵です……♥
いっぱいご奉仕しますから、もっと私にご馳走してくれませんか?
……ココから出る、あなたの美味しい精液……♥」
声も出せずに頷く。阿呆のようにコクコクと。
あの快楽をもう一度味わえるという期待。
愛する彼女に自分の肉棒をしゃぶらせ、精液を飲ませるという狂った肉欲。
……そして、彼女に喜んで貰える―彼女の役に立てるという魂が震えるような歓喜。
それらが混じりあって、一つの欲望と化して燃え上がる。
「ありがとうございます♪
じゃあ、まず……おちんちんに残っている精液も、頂きますね♥」
再び、サーシャはペニスの先端に口付ける。
期待にビクビク震える肉竿を手で固定しながら、亀頭をゆっくりと唇に沈める。
ちゅ……♥
しかし、すぐに止まる。
先刻のように、亀頭をカリまで口のなかに咥え込まず、三分の一だけを唇で包む。
あの凄まじい快感に身構えていた俺は、何事かと思って力を抜く。抜いてしまった。
「……♥」
サーシャは俺が力を抜いたのを見計らってそして……
ちゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……っ!
「あっ、く、ぅぁぁぁぁぁぁ……っ!?」
口を窄めて、鈴口を吸い上げた。
鈴口の内部…尿道に掛かる強烈な圧力。
射精時のあの凄まじいくすぐったさがペニスを襲う。
まるで、射精しつづけるかのような快感。
「ぉ、ぉぉぉぉぉ………!!」
言葉にならない声で呻くことしかできない。
尿道に僅かに残っていた精液が、吸い上げられて、サーシャの口を目指して昇っていく。
肉竿を手で上下に扱きながら、尚もサーシャは俺を吸い上げる。
「ちゅうぅぅぅぅ♥ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ♥」
残っていた精液が、尿道を抜けて吐き出された。
数滴程度のそれを、すかさずサーシャの舌が舐め採る。
舌先でほじくるように鈴口を突きまわされた。
「ぉぉぉ―――……ぉぉぉぉ―――………っ」
口での吸引と、手での上下運動は終わり、今度は舌先での突き攻撃。
否、慈しむようなその優しい舌使いは所謂『おそうじ』というやつだろう。
下級とはいえ貞淑を善しとする教団兵だった自分には一生縁が無いと思っていた、本で得ただけの知識。
実際にこの身で、それも愛する彼女によって経験することになるなんて…。
「ちゅっ………♪
んふっ……美味しい……♥
でも、まだまだ………これからですよ?」
与えられた快楽に翻弄される俺を見上げて、優しく微笑むサーシャ。
自らの唾液と俺の先走りで濡れてテラテラと光る唇が艶かしい。
その淫靡な笑みは、何故か……
……美しき捕食者のようにも、慈愛に満ちた女神のようにも見えた。
エメラルドの髪を掻きあげて、みたび亀頭を唇に呑みこんでいく。
ふわふわの唇を押し広げ、ザラついた舌に迎え入れられ、上顎に亀頭の上部が触れる。
湧き出る唾液が口内に包まれた亀頭に纏わり付き絡みつく。
「んんん………んむぅぅ……っ」
くぐもった声を漏らしながら、サーシャは更に口の奥、咽喉にまで俺のペニスを呑みこもうとする。
しかし、決して大きくない彼女の口内には、いくら大きく口を開けても勃起した肉棒なんて納まりはしない。
俺の普段のペニスだって入りそうにないのに、彼女の魅力に中てられて異常に肥大したペニスなど言うに及ばずだ。
先刻も、亀頭を呑みこむだけで彼女の口内のほとんどを占拠してしまった。
今も、肉竿の三分の二以上は彼女の口の中に納まっていない。
唾液をペニスに塗していたサーシャが、顔を引いてゆっくりと唇からペニスを引き抜いた。
「ぷあっ……♪
逞しすぎて、お口に納まりらないですね……♥」
恍惚として、ペニスを見つめる。
彼女の表情に見とれていた俺は、彼女の手が俺の陰嚢に伸びるのに気付かなかった。
「んぁ……っ!?」
ほっそりとしたしなやかな指が、俺の陰嚢を包み、指の間に陰嚢の中にある睾丸を挟んで揉む。
強く、だが痛みを感じない絶妙な力加減でクニクニと男の急所を弄ぶ。
ぞくぞくする感触が睾丸からペニスと、腹の中へと伝わってくる。
「お?ぉぉぉ……!?」
「うふふっ……気持ち良いですか……?
ここで、いーっぱい精液を作って、たっくさん射精してくださいね……♥」
睾丸を揉まれる度に、精液が溜まってくるのか陰嚢が重たくなる気がする。
根元からの圧力が増して圧迫されたペニスの先端から、新しい先走りが溢れ出す。
それを子猫がミルクを舐めるように、サーシャの舌が舐め採った。
「ここを揉みながら、お口の中でジュポジュポってしてあげます。
出したくなったら我慢せずに、お口のなかでお射精してくださいね?
あなたの濃くて、熱くて、甘くて、美味しい精液、全部私にご馳走してください♥♥」
再度、親愛の挨拶をするように亀頭の先端に軽くキス。
あーん、と大きく開け、俺のペニスを唇に呑みこんで行く。
「ん、むぅ………♪」
じゅ……じゅぅぅ……
「く、お……ぉぉぉ……」
水音を立て、ペニスと唇の間から唾液を零しながら呑みこまれる。
一度体験しているとはいえ、その光景はたまらなく扇情的で興奮を掻き立てる。
サーシャのふわふわした唇が甘噛みしながら口の中に俺のペニスを招き入れる。
竿の上下から軽く前歯に当たる感触がするが、痛みなどまるで感じず、甘い痺れだけが返ってくる。
サーシャの舌の上に亀頭が載せられて、熱い唾液を塗しながらカリの内側と付け根をペロペロと舐められた。
分泌される唾液はあっという間に口内を満たし、俺のペニスは彼女の唾液の中に浸る。
柔らかな唇に竿を咥えられ、裏筋を舌の上に載せられ、上顎に亀頭の上側が当たり、そして唾液に包み込まれる。
口の中に納まりきらない肉竿を、口から零れた唾液が伝って濡らす。
筆舌に尽くし難いほどの快楽を感じるが、同時にペニスに鈍い痛みも感じた。
過度の勃起で暴発寸前で、射精する前に破裂するんじゃないだろうか。
快感の熱でぼやけた頭でそんなことを考えた。
「んん……ふ♥」
じゅっ……じゅ………
恍惚と慈愛の混ざり合った笑みで俺を見つめていたサーシャが、静かに顔を引く。
その柔らかな唇を吸い付かせて肉竿を引っ張り、カリの部分にまで唇を移動させる。
口の中で亀頭をペロリと舐め上げて、再び顔を下ろして肉竿を呑みこんでいく……。
じゅじゅっ………ぢゅる………
再び、サーシャの口内に俺のペニスが深く呑みこまれる。
口内に導かれた亀頭の上側に上顎が、下側を舌がそれぞれ包んでしゃぶる。
口の端と、唇とペニスの間から唾液が零れて肉竿を濡らす。
口の中で舐めしゃぶるだけでなく、睾丸を揉む指も止まらない。
しなやかな指の間に挟まれ、優しい力でクニクニと刺激される。
される度、快感に増産される精液で重みを増していくようだ。
「う、お………っ」
凄まじくも優しい快感に息を漏らす。
すでに我慢のリミットなど超えていて、いつ射精してもおかしくなさそうだが、激しく攻め立てられないことが放出を先送りさせていた。
その分、与えられる快感は深く、射精のエネルギーが限界以上に蓄えられていく。
口の奥で亀頭を愛撫し、再度サーシャは顔を引いて亀頭のカリまで唇を移動させる。
その間、唇は竿に吸い付いたままだ。
空気を吸い込み、ペニスと唇の間からじゅるじゅると卑猥な音が立つ。
ペニスに口の感触を覚えこませようとするように、じっくりと優しく、そして濃厚に。
サーシャは俺のペニスに口淫奉仕する。
口の奥へ導いてはじっくりとしゃぶり、竿を唇で扱き、亀頭を咥えては舌で舐め回す。
彼女の甲斐甲斐しくも淫らな奉仕に、限界の時が近い。
「サ、サーシャ……もう、出そう……っ」
「んんぅっ………ぷぁっ…♪」
あっさりと白旗を揚げて降伏する。
口を離し、サーシャが微笑む。
解放されたペニスは唾液と先走りの混合した粘液でべっとりと濡れていた。
真っ赤に充血し、更なる快感と射精を求めてビクビクと震える。
「ふふ……いいですよ……
お口でゴシゴシしてあげますから、そのままお射精してください♥
全部飲ませてくれなくちゃ、ダメですからね?」
そう言って、あぁむ、とペニスを咥える。
亀頭を口内で2,3回ペロリと舐めたあと、舌を亀頭の下側へと滑り込ませた。
そして口撃を開始する。
唇を肉竿に吸い付かせ、亀頭のカリから口内に入れられる位置までを顔を上下させて扱く。
最初は味わっていた時のようにゆっくりと……徐々に速く、そして激しく。
「んんぅっ…んんっ…んんっ…んんぅ……っ」
じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ……っ
「く、うううぅぅっ!!」
唾液を滴らせながら、一定のリズムでペニスをストロークする。
口内粘膜との摩擦が強烈な熱を持った快感になり、ペニスを加熱していく。
張り詰めたペニスが、さらなる圧力を掛けられて追い詰められていく。
ペニスのみならず、手でのマッサージで精液を増産した睾丸も張り詰めている。
圧縮され、塊と化した精液がストロークに呼応してせりあがって来る。
内側から感じるカウントダウンに、興奮を伴う恐怖を感じた。
せりあがって来る精液塊が、ペニスの根元に到達した。
あとは、尿道を通って放出するだけ。
最早、我慢など効かない焦燥感に押されて、宣言する。
「出るよ……っ、サーシャっ……!
出るっ……出るっ……出るっっ………!!」
「んんんぅっ……♥」
ペニスを咥えたままニコリと微笑んで、サーシャはとどめとばかりにストロークを速めた。
卑猥な音を立てて、滴る唾液でペニスの根元を濡らして、激しく上下させる。
背筋がゾクゾクする。視界に小さな火花が映る。
知らず知らずに背筋がピンと延び、ペニスを突き出すように腰が浮く。
亀頭がぐうっと膨らんで…
そして遂に、決壊の時を迎える。
「出るっ………出、るぅぅっ………!!!」
「んんっっ………!!」
すかさずサーシャは顔を引き、カリを咥える位置で射精を待ち受ける。
左手で睾丸を揉み、右手の人差し指中指親指の三つ指で搾るように竿を扱く。
咥えた亀頭を舌で休み無く舐め回して、最後のアシストをする。
―ぶびゅっ…
――ビュルルルルルルルルルっっっっっっ!!!!
最初の一滴が鈴口から噴き出し、間を置かずに長い長い射精が始まった。
ペニスの根元、その奥から鈴口目掛けて矢のような勢いで精液を噴出する。噴出し続ける。
尿道を奔る灼熱と、撓みに撓んだエネルギーを吐き出す開放感にひたすら曝された。
「オ、オオォォォオォォォオォォオッッッ………!!」
涎を零しながらケダモノじみた咆哮を挙げる。
視界が白に染まり、意識が爆ぜる。
キィィィンという耳鳴りがして、やがて音も聞こえなくなった。
ただただ、射精の快感に翻弄される。
射精の終わるまでのほんの数秒間の間、俺は完全に射精感の奴隷と化した。
永遠に思えるような数秒間が終わる。
嵐が過ぎていくかのように、耳鳴りが治まり、ホワイトアウトした視界に色が戻る。
頭痛と眩暈と、酸欠の苦しさが意識を混濁させた。
「はぁーっ……はぁーっ……はぁーっ……!」
咆哮で空になった肺に酸素を取り込む。
荒い息で呼吸し、調息。
心臓が全速力でランニングしたとき以上にバクバクと鼓動して痛いくらいだ。
一度目の射精以上の快楽で、回復には余計に時間が掛かった。
頭痛に耐えながらなんとか顔を上げて、サーシャの様子を確認する。
射精の衝撃に翻弄されて、彼女を気遣う余裕すらなかった。
「んふぅぅーーっ……んふぅぅーーっ……」
サーシャは目を閉じ、ペニスを咥えたまま鼻で大きく呼吸を繰り返していた。
頬が小さく膨らんでいる。
口内のペニスが粘つく感触に包まれている……サーシャの口内には俺の精液が溜まっているのかもしれない。
何度かそのまま鼻呼吸を繰り返し、そして……
「ん……♥」
こくん………こくん………っ
白い咽喉を鳴らしながら、口内に溜まった俺の精液を嚥下し始めた。
二度目だからといって、そう簡単に慣れることなどできない衝撃的な光景。
サーシャは目を閉じたまま、苦も無く俺の精液を飲み下していく……。
精液を飲み下しているサーシャをぼんやりと見つめていた俺は、衝動的に彼女の髪に手を伸ばす。
俺のペニスに奉仕し、精液を美味しそうに飲んでくれるサーシャがたまらなく愛おしくそして愛らしく見えて、その想いに押されるように彼女の髪をゆっくりと撫でた。
「……♪」
髪を撫でられて嬉しそうな声を漏らすサーシャが、また愛おしい。
側頭部から前頭部にかけて生えている闇色の角にも触れてみるが、返ってくるのは何故か柔肌の感触だった。
口内の精液を飲み終えたサーシャの舌が、口に含んだままのペニスの鈴口をチロチロと舐めて突く。
射精直後で敏感になったペニスにビリビリとした寒気にも似た電撃が奔る。
快楽を与えられる度に、異常な量の精液を吐き出して空になったはずの睾丸が重くなる錯覚を覚えた。
「気持ちいい……凄く、気持ちいいよ、サーシャ……」
「んん……♪♪」
細目で俺を見上げるサーシャの潤んだ瞳が、更に興奮を掻き立てる。
歓喜、悦楽、恍惚、興奮、感謝、恋慕、情愛……様々な熱いものと温かいものが混ざり合った笑顔。
彼女のこんなに素敵な笑みが見られるのなら、堕ちるのもそう悪くは―――
許容量を超えた快感に蕩け、軽い頭痛のする頭でぼんやりとそんなことを考えていて、失念していた。
この後、サーシャの唇が奉仕のシメとして強烈な口撃をしてくることを。
俺の睾丸を包んでいた手が、ふたたび優しく蠢き始める。
サーシャの唇がカリを甘噛みして固定して―――
ちゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……っ!
口を窄めて、強烈に吸い付いてきた。
「う、ぐ、おおおぉぉぉぉぉっ………!?」
全く警戒せずにサーシャの『おそうじ』を受け入れていた俺は、襲い掛かるくすぐったさに悲鳴を挙げる。
反射的に腰を引こうとするが、唇の強烈な吸い付きが、睾丸を掴む手が逃がさない。
逃げ場を失った俺の腰が、彼女に吸い上げられるままにブリッジでもするように持ち上がる。
呼吸が出来ず、視界に再び花火が散る。
許容を超えた快楽に脳が焼け付いているかもしれない。
ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ♥
前回と違い、今度は睾丸へのマッサージも加えられている。
睾丸で生産された精液が、手で直接搾られて尿道をゆっくりと昇る。
精液に押し上げられた尿道に射精のそれと同じ快感が奔る。
ただし、あくまでゆっくりと。
鈴口から射精するまでの間、ずっと射精し続ける快楽に襲われ続ける。
永遠にも思える、僅か数秒の快楽の責め苦。
ぐうっ、と亀頭が膨らんで、そして射精した。
ぷしゅっ……!
ぷしゅぅぅぅぅぅ………っ
勢いは無い、生産されたてで粘度も無い潮のような射精。
ペニスに電気ショックを掛けられ続けるような強烈な快感に、最早声も出ない。
酸素を吐き尽くした肺で、声にならない悲鳴を挙げ続けた。
噴出した精液はすかさず吸い尽くされ、鈴口を舌で清められる。
射精の快感が引くまでの間、丁寧に、優しく舌先でチロチロと舐められる。
その穏やかな刺激にすらペニスがビクビクと震えた。
「あ……はぁっ……はあっ……!」
強烈な射精感が過ぎ去り、ようやく呼吸が出来るようになった。
感じていた眩暈と頭痛が、空気を肺に取り入れる度に薄れていく。
サーシャは未だにペニスを咥えたまま口内にある亀頭を舌で清めてくれているが、その舌の動きはなぞる程度に優しく、快感は感じるものの何とか調息することが出来た。
俺が調息できるように、加減してくれているようだ。
ここでふと、不思議なことに気付く。
自慰を遥かに上回る快楽に立て続けで3度も射精しているというのに、ペニスが萎える気配がまるでない。
過度の勃起で張り詰めたような鈍い痛みはあるが、自分で何度も抜いたときのような虚脱感はなかった。
強烈な快感を叩き込まれたことで感じる頭痛と眩暈も、2度目の射精時と比べて遥かに回復が早い。
呼吸を整えてもしばらくは心臓が悲鳴を挙げていたのに、今はほんの少し調息しただけで収まってしまった。
体力の消耗も……いや、これは一体どうしたことなのか。
確実に体力を消耗しているはずなのに、軽い準備運動をした直後のように体が好調だ。
疲労は残っているが、体力が尽きかけた虚脱感は消え、一汗かいた後のような爽快感さえ感じる心地良い疲労だった。
「ん、ちゅぱ……っ
どうやら……魔力が馴染んできたようですね♪
気分はどうですか?頭痛や、疲れは感じますか?」
ペニスから口を離し、俺を見上げて語りかけるサーシャ。
優しげな笑みには気遣いが見える。
サーシャが、負傷した兵士に治癒魔法を掛けるときと同じ表情だ。
……いや、こんな風に顔を赤らめている淫靡な表情ではないが。
「あ、うん。平気だよ。
……むしろ調子が良いくらいだ」
正直に答える。
少し引っ掛かるものは感じるが、今の体調は立て続けに3発も射精した後とは思えないほど好調だ。
ひょっとして、サーシャが俺にも気付かない内に回復魔法でも掛けてくれたのだろうか。
「それは良かったです♪
あともう少しで完全にインキュバスになれそうですね♥」
サーシャの言葉に、ようやく合点がいった。
インキュバス――魔に魅入られ、自らも魔に堕した元・人間。
俺は今、インキュバスになって……いや、彼女の言に従うなら、なりかけている最中なのか。
……………。
体力の回復が早くなった以外、これといって自覚症状は無い……ような気がする。
「心配しないでください。
インキュバスになるのは、なにも恐ろしいことはありません。
それどころか、インキュバスになれば何度お射精しても身体に負担が掛からなくなります」
未だに怒張しているペニスを手で優しく撫でて、ニコリと微笑む。
この笑みは、彼女が子供や怪我人を安心させようとするときの笑みだ。
「私はあなたに苦しい思いをして欲しくないのです。
あなたには私が捧げる快楽を思う存分、愉しんで欲しい……
何に気を咎めることなく、あなたが望むままに私を求めて欲しいのです」
――………ああ。
そういう、ことか。
魔物は、まるでケダモノのように捕らえた犠牲者に襲い掛かり乱暴に犯そうとする。
それが魔物の性質だと聞かされていたし、実際に貧民街でそのさまを見てきた。
魔物になった以上、サーシャもそうなるのだと覚悟していたが………違った。
いままで彼女は、魔物にしては大人しく、丁寧にそして優しく俺に奉仕してくれた。
魔物についての教本に書いてあるような『気が狂うような苦痛に等しい快楽』は与えられなかった。
サーシャは俺を気遣って、加減してくれていたのだろう。
そしてじっくりと時間を掛けて、俺をインキュバスへと慣らしてくれていたのだ。
……魔物に変わり、堕落した神の信徒へと身を堕しても、サーシャはやはりサーシャのままだった。
彼女が俺の知るサーシャのままであることを認識して安心したのか、胸の小さな痞えが取れた気がした。
そして、彼女の優しさと献身に胸が温かな喜びで満ちる。
『サーシャ』に愛され、『サーシャ』を愛せる喜びに、改めてペニスがビクビクと震えだす。
「あぁ………私を欲しがってくれるのですね……♥
もっとご奉仕しますから、もっと私を求めてくださいね♪」
サーシャは身を起こし、身に纏っている黒い僧衣の胸に手を掛けた。
胸元が大きく開いた僧衣の、胸を覆っている部分に内側から指を引っ掛けて横にずらす。
プルンッ、と拘束されていた乳房が勢い良く飛び出した。
視界に入ってきた美しい乳房に目を奪われる。
ほんのりと上気し、淡い桃色に色づいた乳房はまさしく桃の果実のようだ。
たっぷりとしているのに重力に逆らって、垂れることなく俺に向けられている。
先端にある、小ぶりな乳首は充血して、まるで桃の真珠のよう。
大きな乳房に反比例して小さな乳首が、余計に乳房を大きく見せていた。
「………っ」
息を呑む。
本に載っていたどんな女の胸も比較にならない。
いや、高名な芸術家が造った、女性を象った彫像の胸よりも美しいだろう。
目を逸らすことなど出来ない、男の視覚を支配する芸術品がそこにあった。
「ふふ……私のおっぱいは、あなただけのモノですよ?
今からこの、あなただけが自由にしていいおっぱいで……
あなたのオチンチンを、挟んであげますからね♥」
とんでもない発言をして、サーシャは自らの乳房を手で両側から押さえた。
柔らかな二つの果実が、押さえ込まれて形を変える。
そのまま身を屈めて、二つの乳房が重なった、ぴっちりと閉じた隙間にペニスの先端を導く。
期待に震えるペニスを、ゆっくり、ゆっくりと乳房の隙間に沈めてゆく。
「う、お……っ!」
「んんっ………熱ぅい………♥」
ズブズブズブ………そんな音が聞こえてきそうな程、淫靡な光景。
異様なほどに勃起した醜悪なペニスが、触れることすら畏れ多いような美巨乳に呑まれていく。
閉じられた二つの乳房の間を、先走りと唾液で濡れたペニスが掻き分ける。
シルク以上の感触の中を亀頭が突き進む。
乳房の中に進入した亀頭と肉竿を、たっぷりとした泡に包まれるような快感が迎える。
ぴったりと隙間無くペニスを包む乳房は、ペニスの芯に響くような優しい圧力を俺に与えた。
絹を超えるきめ細かい感触と、雲のような柔らかさと、全方位から押し付けられる心地良い圧力が包み込む。
勃起したペニスは大きな乳房にも収まりきらず、貫通して亀頭だけが頭を出した。
カリに乳房が引っ掛かって、これもまた刺激になった。
「凄いです……私の胸の中でビクビク震えて……
先っぽさんはお口でご奉仕しますから、またいっぱいお射精してください♥
………我慢なんて、しちゃダメですからね?」
我慢なんてできるものかと、言い返す余裕すらなかった。
包まれた肉竿に与えられる優しい快感は何の動作も必要とせず、じわじわと俺を追い詰める。
ペニスの内側からせりあがって来る射精欲動と、乳房の圧迫が二重の圧力となってペニスを襲う。
破裂しかねないほどに怒張した亀頭に吹きかけられる、サーシャの吐息もアクセントになった。
ただ包まれているだけでも十分すぎるほどの快感にあっという間に限界が訪れる。
限界が訪れている……のに、暴発はしなかった。
サーシャの口内での射精を体験したペニスは、いくら素晴らしくとも穏やかな快感では射精しなかった。
行き場の無い精液が、乳房の快感に下火で煮詰められて、量を増していく。
ぴちゃ……♪
出すに出せなかったペニスの先端に甘い痺れが奔る。
サーシャの舌先が、先走りが溢れ出る鈴口を舐めて突く。
それと同時に、乳房を持ち上げる手によって、乳房が押し付けられた。
そして、押さえつけられたまま上下に動かされ、ペニスが扱かれる。
「うぉぉぉぉぉ…………っ」
呻くことしかできない。
口淫奉仕と違い、たっぷりとした乳房での奉仕は優しくも確実に俺を追い詰めた。
真綿で絞められるという言葉があるが、まさにそれ。
強引に精液を吸い上げるのではなく、全方位からペニスを圧迫して射精欲動を煽り、射精に導く。
臨界点を超えるまで、その優しくも容赦の無い奉仕攻撃が続く。
サーシャは尚も奉仕を続ける。
舌を伸ばし、舌先で鈴口を舐め続け、乳房で肉竿を上下に扱く。
俺を細目で見上げるその蕩けた視線から目を逸らせず、彼女の奉仕している姿を凝視してしまう。
背筋がゾクソクする。
加圧された精液が、遂に放出の時を迎える。
過度の勃起で圧迫された尿道を押し上げて、精液が鈴口を目指して登り詰める。
サーシャは……何を思ったのか、舌を出したまま口をあーんと大きく開けた。
乳房を上下させながら、ペニスから口を離して射精を待つ。
ああ…口を離したら、顔に精液が掛かってしまうじゃないか……。
「サーシャっ……駄目だっ、もう………出るっ……!!」
退いてくれとも言えず、敗北を宣言する。
と、同時に決壊が始まった。
―ビシャッ!
――ビュッ!!ビュビュッ……!ビュッ!!
乳房の上下運動に合わせるように、断続的に射精する。
与えられたのが穏やかな快感だったためか、その勢いは口淫奉仕のとき程ではない。
だが深い快感だったためか、大粒の精液の塊を何度も何度も吐き出した。
「ああっ……♥♥はあぁぁぁぁぁ………♥♥♥♥」
鈴口から吐き出された精液を、サーシャは恍惚の表情を浮かべた顔で受け止める。
大きく開けられた口に入りきらず、髪に額に、鼻に頬に、精液が張り付いて白く穢す。
敬愛する彼女の顔が穢されているというのに、射精の快楽に翻弄される俺はそれを止めることが出来なかった。
……射精の続く中、不思議な感覚を覚えた。
射精して、自分の中の精力を吐き出すのと入れ替わりに何か……ねっとりとした感触の何かが俺の中に入ってくる。
その『何か』は俺の中に入ると、全身に散らばって温かな…というか熱い熱量へと替わる。
その熱量を感じると、射精で消耗したはずの体力が癒えるような錯覚を覚えた。
射精を終える頃には、既に俺の体力は射精前の状態に戻っていた。
いや、むしろ射精する前よりも気分が良く、頭が蕩けているのに意識がはっきりしている。
体力を奪われたというのに体力が増しているという矛盾した感じだった。
……もしかして、コレがインキュバスの?
「あ♥あぁぁぁぁ……♥♥♥」
顔面で精液を受け止めたサーシャは、顔を白濁に染めたまま恍惚としている。
精液を拭うこともせず、トロンとした瞳でぼんやりと俺を見つめていた。
その表情はなんとも淫靡で、声を掛けることも出来ずに俺も彼女を見つめてしまう。
興奮に、ペニスが節操無く震えて更に硬度を増した。
「あン……♥
ごめんなさい…今、お掃除しますから、ね♥」
胸の中のペニスの震えで忘我から復帰したサーシャは自分の胸の谷間……
精液の溜池に顔を埋める。
ずずっ……と、そこに溜まっていた精液を吸い出し、次に未だに精液が流れ出る亀頭に吸い付いた。
「あ、む………ちゅ、ちゅうぅぅぅぅぅっ………」
尿道に残っていた精液を吸い出される快感に、身震いする。
インキュバスになったからといって、与えられる快感に耐性が付く訳ではないらしい。
射精直後のペニスに奔る快感に、やはり為す術もなかった。
小さく呻きながら、快感が通り過ぎるのを待つ。
「ん………ご馳走、さまでした♥
どうやら、完全にインキュバスに成れたみたいですね……♥
気分はどうですか?まだ疲れは感じますか?」
「ああ……なんともないよ。
もう疲れも無いし、何度でもできちゃいそうだ」
正直な感想を返す。
射精して空になったはずの陰嚢にはもう重みが戻ってきている。
与えられた快楽は身体に残っているが、気だるさは既に無く、準備運動でもした後のように気が晴れている。
そうですか、と言ってサーシャが満面の笑みを見せる。
歓喜と期待と内なる悦びに満ちているが、顔面に張り付いた精液がたまらなく淫靡なモノに見せていた。
「ごめん、サーシャ……
サーシャの顔、汚しちゃった……」
ようやく、罪悪感に押されて謝罪する。
しかしサーシャは全く気を悪くしていないようで、ニコリと微笑む。
「謝ることなんてありません♪
あなたにお射精して貰えて、私は幸せです♥
それにですね……」
微笑みが変わる。
歓喜の笑みから、淫靡な恍惚の笑みへと。
「夫の精に染められることは私達にとって最高の栄誉なのです♪
…そして、あなたの精に染まることは、私にとって最高の幸せです♥」
頬についた精液を指で掬って、口に運ぶ。
紅い舌が美味しそうに精液を舐め取る光景に、また興奮が掻き立てられる。
サーシャは目を閉じ、ぶるりと身を震わせた。
すると、髪に顔に、そして乳房にこびり付いていた精液が蒸発するようにして消えた。
……いや、蒸発したというより、水が布に吸い込まれたかのようだ。
「さっき言ったように、あなたの精液は私の最高のご馳走なのです。
お口よりも吸収できる効率は落ちますが、こうして肌で精を吸収することもできますから
汚してしまった……なんて心配しなくてもいいのですよ♪」
汚してもらえるのも嬉しいのですけれど、とも付け加えて眩しいくらいの笑みを浮かべた。
「でも……やっぱり
お口や、赤ちゃんの部屋であなたの精を受け入れたいです……♥」
再び、微笑みが変わる。
今度は、妖艶と言えるような扇情的な、期待に満ちた笑みへと。
「お部屋に行きましょう?
そこで私の望むまま、あなたの望むまま……思う存分に………」
―――私を、あなたで、染めてください♥♥♥
その行為の意味は、“誓い”。
これからは、本当の家族として生きる。
俺を必要としてくれる、求めてくれる彼女に全てを捧げる。
教団でも、主神でも、魔王でも、堕落した神とやらにでもなく
…遂に想いの届かなかった大好きな女の子にでも、なく
俺を欲しいと言ってくれた、愛するサーシャに俺を捧げる。
これから死ぬまでずっと続く、その一番初めの、最初のキス。
―最初のキスくらい、俺からしないと恰好悪いよな。
サーシャの肩をそっと抱き寄せて、恐る恐るではあるが、自分から唇を重ねた。
「…………っ」
「んっ……♥」
熱を帯びた、ホイップみたいにふにゃりとした柔らかな感触に唇を押し付ける。
すごい……やわらかい……。
女の子の唇は、サーシャの唇は、こんなにも柔らかかったんだ……。
唇の表面は乾いているのに、まるで果実のように瑞々しい感触。
快楽、とまでは言わないが、ずっとこうしていたいと思うほどに只管心地良い感覚。
心地良いのは唇の感触だけではない。
サーシャの身体から立ち昇る香り、体香。
よく城で嗅ぐ、城勤めの女性たちが付けている香水のように主張の激しい香りではなく、包み込まれるような淡くて甘い香り。
何の香りかは……上手く説明できない。
この香りに似ている匂いを俺は知らないからだ。
花や薬草のような香りとは違う、それらから抽出・蒸留した香水や石鹸とも違う。
吸い込むと鼻から頭に抜けて、脳が甘く痺れる感覚。
まるでサーシャの人柄を表すかのように、優しく包み込んで、温めて、癒す。
そんな、『サーシャの香り』。
俺の顔にかかるサラサラした髪の感触もまた、心地が良い。
頭皮を保護する、というよりも触れる者に快感を与えるためにあるのではないのか……。
そんな馬鹿げたことを思うほどに、ほんの少し顔に触れるのもいちいち心地良い感触。
まるで存在の全て、その機能の全てが愛し、愛されるために在るかのような……。
これが、『魔物』というものなのか。
いや、違うな。
これはきっと……。
「ん………ふふふっ……」
彼女の存在そのものに陶然として、意識がぼやけ始めた頃、サーシャが唇を離す。
離れてしまった彼女の唇が、とても名残惜しく見えた…。
「今度は、私からですね…。
お口を開けて、じっとしていて、ね?」
サーシャの言葉に、俺は異論も挟まずに従う。
彼女の言うとおりに口を開けて、彼女の行動を待つ。
「あなたのお口の中も、私が頂きますね……♥」
サーシャは俺の頬を両手でやんわりと包んで頭を固定する。
そして自らも口を大きく開けて、俺の開いた口に被せるように口付けた。
「あぁ…んむ……ぅ」
人工呼吸のように口に口が覆いかぶさり、そして
口の中に熱くぬめる舌が浸入してきた。
にちゃ……ちゅるっ………
熱い異物感に一瞬身震いするが、ゼロ距離で交わる彼女の視線が、言葉も無しに俺を落ち着かせる。
―怖がらないで。
身体の力を、抜く。
彼女の行為に身を委ねる。
口付けながらやんわりと押し倒されて、座り込んでいた体勢から彼女を上に乗せて寝転ぶ。
サーシャの舌は、唇以上の熱量を持っていた。
滴る唾液は、これがまた熱く、サラサラした感触と不思議な甘味を感じる。
上質な砂糖を湯に溶かして作ったシロップのよう。
ただしその甘さには重みもクセもなく、水が染み込むように舌に染み渡る。
いくらでも求めてしまうような、果糖に似た優しい甘味。
サーシャは俺の口の中を、唾液を塗しながら征服する。
まずは尖った舌先が、俺の上顎を舐める。
熱く柔らかい感触と、甘い唾液に擦られて、むず痒いような、くすぐったい感じ。
舌が上顎を舐める度に、サーシャの唾液が滴って俺の舌の上に落ちる。
滴る唾液は俺の舌を浸し、痺れるような甘さを齎した。
ぷちゅ……ちゅ……
上顎の次は、俺の舌。
滴って溜まったサーシャの甘い唾液に浸された俺の舌を、彼女の舌が包むようにして捕まえる。
口の中、彼女と俺の唾液で出来たプールで、二人の舌が絡まる。
ぬちゃ……ぴちゃ……
甘い、甘い、甘い……
引っ切り無しに襲ってくる甘味に、頭が茹ってくる……。
キスをしながら、サーシャは俺を見つめる。
濡れた深紅の瞳に見据えられると、意識がぼやけてしまう。
感覚が、思考が、彼女に支配されていくかのようだ。
あぁ……それが、とても、心地良い……。
こびりつく程度に残っていた後悔が、良心が、彼女の舌が踊り、見つめられることで崩れていく。
堕落する、というのはこういう事か……。
先刻まで感じていた、今までの人生を裏切る罪悪感が、ボロボロと崩れて只管に気持ちが良い…。
このまま身を任せていれば、サーシャだけのモノにしてもらえる……。
自分の心が造り替えられていくことに、もう恐怖も感じられなくなっていった。
「ちゅるっ……こくん……
ふふっ…美味しい……♥」
サーシャがキスを止めて唇を離す。
彼女と俺の唇に、二人の唾液でできた糸がアーチを作る。
俺はぼんやりとした頭で、その銀の糸を見つめていた。
「あなたも、飲んでください。私の唾…♥」
サーシャに言われるまま、口の中に溜まっている彼女の甘い唾液を……飲み下す。
甘くサラサラしたシロップが咽喉を潤し、食道を潤し、胃に落ちる。
美味しい……。
いつかサーシャが飲ませてくれた薬湯のように、咽喉を潤し、胃に優しく溶けて取り込まれていく。
飲み込んだ胃から、酒を飲んだように身体が温まっていくような……。
胃から頭にじんわりと熱が昇ってきて、酒に酔ったような酩酊を感じた。
「気に入って貰えたみたいですね♥
もっと、私を求めてください……
さぁ……今度はあなたから………♥」
サーシャが口を開けて、小さく舌を出す。
彼女を抱き寄せて、引き寄せられるように唇を重ねる。
出された彼女の舌に、今度は俺からしゃぶりつく。
口の中にサーシャの舌を取り込む。
爪の無い指で引っ掻くように、自分の舌で彼女の舌を捕まえる。
抵抗せず、むしろ待ちかねていたかのように舌が俺に突き出される。
ちゅるるぅ……にゅるぅぅ……
絡めて、吸って、しゃぶる。
無限にシロップが湧き出る、その柔らかい舌を飢えた犬のように懸命に吸い立てる。
吸えば吸うほど、甘いシロップが俺の咽喉を潤してくれる。
ちゅるるっ……ちゅるるっ……
サーシャの熱い視線が、香りが、体温が、肌の感触が
舌に感じる甘味が、脳に響く水音が俺を酔わせていく、
俺を見つめるサーシャの目じりが、小さく垂れ下がった。
「ん……っふ……♪」
唇を重ねたまま、笑う。
甘えるようにしなだれかかり、俺に身体を預けてきた。
シャツ越しに押し付けられる、サーシャの乳房の感触…。
彼女と俺の衣服、2枚の布越しでも分かった。
充血して、コリコリに硬くなった乳首。
サーシャは身を揺らして、自分の乳首を俺の乳首に擦り付ける。
「………っ」
「んふっ……♥」
初めて感じるくすぐったさに、身を捩ろうとした俺をサーシャの左腕が抱き締めて拘束する。
キスを貪りながら、乳房を胸板に押し付けながら、右手が俺の腹を撫でて降りて行き……
俺の股間を優しくまさぐった。
「………っ!!」
キスに気を取られていて自分でも気が付かなかったが、俺のペニスはかつてないほどに屹立していた。
今にもズボンを突き破らんばかりに天を突き、先走りのせいか、押し上げられている先端が湿っている。
意識の外にあったときには分からなかったが、認識した途端に痛みに似た圧迫感を感じた。
「ちゅっ……
ああ……熱くて、かたぁい……♥」
うっとりとした声と熱い吐息を漏らすサーシャ。
股間に置かれた掌は、布地越しにペニスを執拗に撫でる。
背中がゾクゾクする。
今更にだが羞恥を感じた俺は彼女の愛撫から逃れようと身を捩るが…
「めっ……♪」
ペニスを強く握られて、制された。
痛みは感じず、ジワリとした甘い痺れが走る。
呻く俺に微笑みかけて、サーシャは股間を撫で続ける。
掌で撫でながら、人差し指でペニスの先端部分をくりくりと突く。
「じっとしていて?
すぐに『シて』あげますから、ね?」
熱い吐息とともに囁いて、悪戯っぽく笑う。
初めて見る彼女の淫靡な表情に見とれて、俺は意味も分からず頷く。
愛撫していた手がベルトに掛かる。
俺が小さく声を挙げる間も無く、ベルトが外された。
次に、ズボンのボタンを片手で器用に外し……
拘束が解かれたズボンと下着の中にサーシャの手が滑り込んできた。
「うぁ……っ」
「ああ……っ♥熱ぅい………っ♥」
しなやかな指がペニスの竿を包み込み、痛みを感じない程度の力できゅっと握られた。
にちゃっと滑る感触がしたのは、既に下着の中が先走りでベタベタになっていたからだろう。
サーシャの手に押し込まれて、ズボンのチャックが降ろされてペニスが外気に触れた。
………な、なんだ…コレ?
サーシャに握られて下着の中から開放されたペニスは、見たことが無いグロテスクな様を呈していた。
まずサイズからして異常だ。
幾ら彼女の手が大きくないとはいえ、彼女の人差し指と親指の輪に収まらない程の胴回りなんてなかったはずだ。
長さも、普段の勃起したときよりも亀頭一つか二つ分くらい増している。
赤黒く充血した亀頭からは水漏れでも起こしたかのように先走り汁が流れ続け、亀頭をテラテラと光らせている。
掴んでいる彼女の手の美しさが、余計にペニスの異形さを際立たせていた。
「凄い……とっても、逞しい……」
うっとりとした表情で、サーシャは俺のペニスを見下ろす。
吐息が重く、熱い。
今更に、本当に今更にだが気恥ずかしくなって俺は弱弱しくだが抗議した。
「ねえさ……サーシャ、あ…あんまり、見ないで……恥ずかしいよ……」
抗議する俺にサーシャは目を移す。
彼女の表情は、興奮で上気しており、目が合った瞬間にまたどきりとした。
「恥ずかしがることなんてありませんよ?だってほら……」
「うあっ……!」
サーシャがゆっくりと竿を握った手を上下させる。
その弱い刺激ですら、暴発寸前のペニスには身震いするような快感が走った。
「とっても熱くて、硬くて、逞しくって……素敵なオチンチンです♥
今からこれで、私をあなただけの女にして貰えるのだと思うと……あぁっ♥」
堪らない、と言わんばかりにサーシャは俺の胸板に頬ずりをした。
俺は、というと彼女の言った言葉に心臓が更に高鳴った。
サーシャを、俺だけの女に、する。
憧れていた彼女を、これから……犯す。
この、猛り狂ったペニスを、サーシャの、誰も触れたことのない場所に、突き立てて……
セックス、するんだ。
確定事項であったそのことを改めて認識すると、訳の分からないものが胸から噴き出してきた。
僅かな恐怖とそれを押し流すほどの期待。
これまでの関係は終わり、もっと、遥かに深い新しい関係の始まり。
憧れの女性をこの手で犯す背徳感と、彼女を俺だけのモノにできるという暗い悦び。
サーシャへの愛しさと、激しい独占欲。
「あぁぁ……素敵です……♥
私を、欲しがってくれるのですね………嬉しい……嬉しい……っ!!」
「うっ、くっ……!!」
俺の何かが琴線に触れたのか、サーシャが熱い息を吐いてペニスを握る手に力を込めた。
傷が付くほど強い訳ではないが、いつ破裂してもおかしくない程に勃起したペニスには電撃のようにも感じられる刺激。
ペニスの根元、その奥から得体の知れない熱量がせりあがってくる。
「はぁぁっ……こんなにドクドクって、脈を打って……堪りません……っ」
きつく握った後は、優しく擦る。
中指から小指の三つ指と掌で竿を掴んだまま、人差し指と親指で亀頭を撫で回した。
すでに先走りで滑り、真っ赤に充血した亀頭。
カリを、鈴口を、二本の指が執拗に撫で、突き、こねくり回す。
「う、ううぅぅっ……!」
ただ情けない声を挙げることしかできなかった。
弱いが、引っ切り無しに襲ってくる刺激にあっという間に追い詰められる。
射精が、近い。
サーシャの攻めに白旗を揚げようとしたその時、唐突に攻撃が止まる。
、
「出しちゃいそうなんですね……♪
でも、もう少しだけ待ってくださいね?
もっと良いやり方で、あなたにうんと気持ちよくなって欲しいのです♥」
俺の頬にちゅっ、と軽く口付けて、俺を拘束していた腕を離す。
乳房を俺に押し付けながらの身を捩り、股間の位置にまで身体を移動させた。
醜悪な俺のペニスが、サーシャの顔のすぐ傍、息の掛かるほど近くにある。
気恥ずかしさに俺が抗議するより早く
「ちゅっ…♥」
亀頭に、親愛を示すようなキスが触れた。
「くぅ……っ!?」
胡乱な頭では、その現実離れした光景を理解し切れなかった。
自分で恐怖を感じるほどに肥大した醜悪な肉棒に、憧れの女性の麗しい唇が愛しげに押し付けられた。
頭で思い描いたことすらない、未知の光景。
自慰の際に、女にしゃぶられる光景を妄想したことはあるが、自分の身近な女性を投影したことなんて無い。
ましてや、尊敬し憧れていた彼女に奉仕させるなんて……妄想の中ですら畏れ多いことだった。
「うふふっ……とっても、素敵です……♥
いっぱい、お口でご奉仕しますから、出したくなったら……」
―私のお口に、いっぱい射精してくださいね……♥
彼女の口から出たとんでもない発言に、制止も遠慮も口に出来ず、ただ押し黙る。
立て続けに起こる異常事態に混乱は極まり、もはや俺の意識と思考は完全に彼女の為すがままだった。
彼女を凝視し、その行動を見守る。
「あ〜……ん」
サーシャは両手で竿を握って固定し、口を小さく開けて
「は、むっ…」
亀頭の先端に、唇を被せた。
最初に感じたのは、ぬるくぬめった水の感触。
それはすぐにじわじわとした熱さに変わって、まるで炭酸が弾けるような弱い電撃にも変わる。
ただ唇に包まれているだけだというのに、凄まじいくすぐったさに襲われる。
「―――っ!――――……っっ!」
その快楽に慣れる間も与えられず
「じゅ、ぷぷぅ………」
亀頭が、サーシャの唇に、口の中へとゆっくりと呑み込まれていく。
極上の柔らかさのする唇を押し割って、脳を蕩かす甘い唾液を塗りたくられて、口内へとペニスが突き進む。
唇が、充血した亀頭に吸い付いてくすぐる。
唾液が、酸のように亀頭に染み込み、蜜のように蕩かす。
「ぁ――!ぁ―――!!――――!」
ただ、声の無い悲鳴を、嬌声を挙げる。
くすぐったさは熱へと変わり、じんわりとした熱は得体の知れないエネルギーとなって、ペニスの奥へと向かう。
彼女の手で弄られていたときからずっと溜まっていた熱量に、そのエネルギーが加わって圧迫を感じる。
ゆっくりと、唇の端から唾液を零しながら呑み込まれていた亀頭が、完全に彼女の口内へと消えた。
カリのくびれに唇が覆いかぶさり、包み込まれる。
亀頭全体が、あの甘い蜜のような唾液の滴る熱い口内に呑み込まれてしまった。
じんわりと侵蝕してくる甘い熱に陶然とする間もなく、鈴口が柔らかくも弾力を持った何かに突かれる。
サーシャの、舌だ。
「う、むぅん……♥、む、ぅん……っ♥」
ぺろり、ぺろり、ぺろり………
声を漏らしながらも決して唇を離さず、亀頭を咥えたまま口内で先端を舐める。
しかしそれはただ舌先でチロチロと舐める遠慮がちな舌使いではない。
舌の腹で先端を包み、舌の表面全体を先端に押し付けながら、ベロリと擦りあげる。
鈴口を含めた先端が、飴でも舐めるかのように、ゆっくりと強く舐められる。
一定のリズムでそれを繰り返す。
「お、ぉぉぉぉ………ぉぉぉ………」
ぺろり、ぺろり、ぺろり………
重いが、穏やかで優しい快感に、ただ情けなく声を漏らす。
竿に掛かる熱い鼻息が、充血したペニスには涼しく感じて心地が良い。
先端に与えられる刺激はやはり熱量に変わり、竿を伝わって根元の奥へと落ちていった。
ペニスの感覚が甘くぼやけてくるか来ないかのところで、サーシャの舌の動きが変化した。
舌の先端が鈴口に押し付けられて……
尿道をこじ開けるかのようにくりくりと捻り込まれた。
「うお、ぉぉぉぉ………っ!?」
狭い尿道をほじりながら、サーシャの舌が進入してくる。
無論、狭くしかも過度の勃起で圧迫された尿道には舌が入り込めなどしないのだが、それでも入り口を執拗に
彼女の舌がほじくりかえす。
痛みこそ伴わないものの、一番敏感な部分を突きまわされて俺は悶絶する。
感じるのは突かれる感触だけではない。
彼女の舌から滴る甘い唾液、それが尿道の中に無理矢理に押し込まれていく。
それはすぐさま痺れる熱に変わって、ペニスを内側から燃やす。
その新たに発生した熱量と、今までずっと放出の時を待っていたペニスの奥に蓄えられた熱量が共鳴を起こす。
根元から、重たくて熱くて大きなものが先端へ、先端を抜けた先にあるサーシャの口を目指して昇る。
ぼやけた感覚の中で唯一鋭敏になったペニスに、内側から爆発するかのような圧迫感が襲う。
せりあがって来る力を留めるために、反射的に尻に力を入れて耐える。
「サ、ァシャっ……ダメだっ、退いて……っ!」
必死の思いで声を絞り出す。
このままでは、サーシャの口の中に汚液をぶちまけてしまう。
事前に許しを得ているとはいえ、心に強く刻み込まれた彼女への敬意が燃える獣欲にブレーキを掛けた。
「んん……んん……」
彼女はペニスを咥えたまま俺を見上げる。
その瞳には咎めるような…というか、拒否をするかのような色が見えた。
俺の言葉に反抗するかのように、口の中に引き込むようにペニスに添えた手をゆっくりと上下させる。
「で、ちゃうよ……っ、サーシャの、口に……精液っ……!」
上下運動を加えられ、さらに追い詰められながらも声をひり出した。
目の奥で火花が散っている。神経までもが悲鳴を挙げている。
「んっ……んっ……」
サーシャの瞳が細められる。
亀頭をくわえ込みながらも俺の言葉を肯定するかのように、声を漏らす。
その振動もまた、刺激へと加わった。
「出す、よ……っ?サーシャの、口のなかに、俺の……精液っ……出るよ……っ?」
返ってくるであろう彼女の返答が分かっているのに、女々しく許可を求める。
散々しゃぶらせておいて今更もいいところだろう。
だが、サーシャに対する敬意が、無遠慮に欲望を満たすことを許さなかった。
「ん……♪」
細められていた瞳の端が垂れ下がる。
見慣れても飽きることなど無い彼女のいつもの、笑顔。
言葉が無くても、その笑顔が俺に対する答えだった。
サーシャの許しを得て、最後まで残っていた箍(たが)が、外れる。
「出すっ、からね……サーシャに……精液……っ」
「んんぅ……♥」
脳を焦がす放出への欲望が、一気に溢れ出す。
サーシャを穢す罪悪感と背徳感までもが欲望の薪となって炎上する。
絞めていた尻の力を、抜く。
途端、尿道を凄まじい熱を持った圧力が昇っていった。
「で、るっ………!!出るよっ……サーシャ……っ!!」
降参する。
口の中で休み無く亀頭を嘗め回すサーシャに白旗を揚げる。
腰がガクガクと震え、甘い痺れが寒気のように全身に伝播する。
昇る圧力に、尿道が焼け付く。
ぐうっっ、と一回りペニスが膨らんだ気がした。
「出るっ!で、るぅ………っ!!!」
そして遂に、圧力が尿道を、鈴口を抜けた。
ーぶしゅっっっ!!
「んぅぅっ………!」
「お、ぅぉぉぉぉ…………っっ!!!」
ペニスが爆発した。そう思った。
視界がスパークして白に染まる。
言葉にならない、獣じみた喚き声をあげる。
―びゅるっ!びゅるるっ!!びゅるるっっ!!!
快感、というより衝撃だった。
2,3秒で終わる自慰での射精など比較にもならない。
一度の射精の快感がそのまま二度目の、二度目の射精の快感がそのまま三度目の射精の呼び水になる。
断続的に、連続で、サーシャの口の中に精液の塊をぶちまける。ぶちまけ続ける。
サーシャの狭い口内に、まるで小便のように大量の精液を吐き出す。
放出の度にペニスの熱量が上がっていくような錯覚を覚え、その度に倍に、倍々に快感が襲ってきた。
自分の内側に溜まった精と命と欲望を放出し続ける。
「ぉぉぉぉ――………ぁぉぉぉぉ―――………っ」
襲い掛かる快感に、為す術もなかった。
礼拝堂の天井を見上げて、口の端から涎を垂れ流しながら、ケダモノのようにただ―呻く。
呼吸も出来ず、肺に残った空気を呻き声と一緒に吐く。
サーシャを気遣うことすら、出来なかった。
……此処にいるのが俺と彼女だけで本当に良かった。
きっと今、俺の顔は見るに耐えない程に情けない顔をしているだろうから。
今までの人生で一番長かった射精が、終わる。
射精の快感は未だにペニスから引かないが、もう何も出ない。
出すものが無くなったお陰でこれ以上の快感には襲われなかった。
「はぁ――っ!!はあぁ……っ!!」
空になった肺に酸素を取り込む。
荒い呼吸に胸が痛くなるが、我慢して呼吸を繰り返す。
快感で散り散りになった意識を修復しようと調息する。
……ようやく頭が回る程度には落ち着いて、顔をサーシャに向ける。
「サーシャ……大、丈夫?」
「んふぅー……っ、んふぅーー……っ!」
俺の射精を口で受け止めたサーシャは目を閉じて、荒い鼻息を吐いている。
目を閉じて、亀頭を口に咥え込んだまま俺と同じように調息しているようだった。
…我ながら情けないが、そんなサーシャにも劣情を抱いてしまった。
「んんっ………」
調息を終えたサーシャが、ゆっくりと顔をペニスから離す。
亀頭に吸い付き、ずず……と小さな音を立てながら唇を引いていく。
ちゅっ、ぽん……と彼女の唇から亀頭が頭を出した。
あれだけの量の精液を吐き出したというのに、未だにペニスは萎えることがない。
「んん………」
サーシャは口を閉じたまま、俺を見上げて微笑む。
紅潮したその笑みはとても美しかった。
潤んだ瞳に見据えられるだけで、心臓の鼓動が加速する。
愛想笑いの類ではなくこれは……悦びや感謝の笑み……?
「ばぁ……♪」
俺の目を見つめながら、見せ付けるように閉じていた口を開く。
そこには当然ながら、たった今俺が吐き出した精液が溢れんばかりに溜まっていた。
綺麗なピンク色の口の中に精液がたっぷりと溜まり、その中を紅い舌が浸っている。
敬愛するサーシャの口の中いっぱいに、俺の欲望が詰まった白濁した精液が……。
今更ながらに、自分の仕出かしたことに慄く。
「ご、ごめん、サーシャ……!
ちょっと待って、今ハンカチを
――……?」
ズボンのポケットを探ろうとした俺の手に、サーシャの手が置かれやんわりと制止される。
熱っぽい視線で俺を見つめながら、開けていた口を閉じて――
「んく、もく…もく……♪」
咀嚼するように口を動かした。
……そ、咀嚼…?
その行動の意味が分からず――
いや分かってはいるのだが、想像すらできない行為に思考が追いつかなかった。
何も出来ずに、その行為を見守る。
サーシャはゆっくりと、味わうように口を動かす。
二度、三度、四度と咀嚼を繰り返しそして――
ご、くんっ……♥
白い咽喉を揺らして、嚥下……口の中にあったものを飲み下した。
「あ……」
「ん、ばぁ……♪」
再度開いた口の中には、もうあの白濁液は無かった。
サーシャは、俺の吐き出した大量の精液をそれは美味しそうに、飲み込んでしまった。
「んふっ……ご馳走様です♪
あなたがくれた精液、とぉっても……
美味しかったですよ♥」
うっとりと蕩けた、淫靡な貌で、微笑む。
自分が出した精液を、憧れの女性が美味しそうに飲み干して、しかも感謝までされるという異常な状況は、俺の認識を遥かに超えていた。
背徳感と罪悪感――そして激しい興奮が混ざり合って頭をぐるぐると回る。
声の出ない俺に、サーシャは愛しそうにペニスを擦りながら語りかける。
「驚くのも無理もありませんね……私も始めて知ったことですし。
魔物にとって、人間の男性の精液は最高のご馳走なのです♪
そして……」
ペニスを手で包み込むように握り、ゆっくりと上下する。
優しい快感に、ペニスがまたびくりと震えた。
「この世でたった一人の愛する男性……『夫』とみなした方の精液は
もうそれ無しではいられなくなってしまう程に美味しくなるのです。
もう、他の男性の精液なんて、不味くて触れるのも嫌になってしまうほどに、ね」
――つまり、私は
―もう、あなたの精液しか飲めないのです♥
―もう、あなたの精液しかこの身は受け付けないのです♥
―もう、あなたの精液無しでは私は生きることができないのです♥
―もう、あなた無しでは私は存在することすらできなくなってしまったのです♥
――つ・ま・り……♥
「もう、私は
あなただけのモノ
なのですよ♥」
歓喜に満ちた素敵な笑みで、彼女は微笑んだ。
……得体の知れないものが、胸の奥から沸騰して、湧き上がってくる。
サーシャの恍惚とした笑顔が、陶酔した視線が、紡がれた言葉が欲望を掻き立てる。
ペニスが、射精前のそれを凌ぐほどの硬度を取り戻し、天を向き突いた。
「ふふっ……逞しくって、とっても素敵です……♥
いっぱいご奉仕しますから、もっと私にご馳走してくれませんか?
……ココから出る、あなたの美味しい精液……♥」
声も出せずに頷く。阿呆のようにコクコクと。
あの快楽をもう一度味わえるという期待。
愛する彼女に自分の肉棒をしゃぶらせ、精液を飲ませるという狂った肉欲。
……そして、彼女に喜んで貰える―彼女の役に立てるという魂が震えるような歓喜。
それらが混じりあって、一つの欲望と化して燃え上がる。
「ありがとうございます♪
じゃあ、まず……おちんちんに残っている精液も、頂きますね♥」
再び、サーシャはペニスの先端に口付ける。
期待にビクビク震える肉竿を手で固定しながら、亀頭をゆっくりと唇に沈める。
ちゅ……♥
しかし、すぐに止まる。
先刻のように、亀頭をカリまで口のなかに咥え込まず、三分の一だけを唇で包む。
あの凄まじい快感に身構えていた俺は、何事かと思って力を抜く。抜いてしまった。
「……♥」
サーシャは俺が力を抜いたのを見計らってそして……
ちゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……っ!
「あっ、く、ぅぁぁぁぁぁぁ……っ!?」
口を窄めて、鈴口を吸い上げた。
鈴口の内部…尿道に掛かる強烈な圧力。
射精時のあの凄まじいくすぐったさがペニスを襲う。
まるで、射精しつづけるかのような快感。
「ぉ、ぉぉぉぉぉ………!!」
言葉にならない声で呻くことしかできない。
尿道に僅かに残っていた精液が、吸い上げられて、サーシャの口を目指して昇っていく。
肉竿を手で上下に扱きながら、尚もサーシャは俺を吸い上げる。
「ちゅうぅぅぅぅ♥ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ♥」
残っていた精液が、尿道を抜けて吐き出された。
数滴程度のそれを、すかさずサーシャの舌が舐め採る。
舌先でほじくるように鈴口を突きまわされた。
「ぉぉぉ―――……ぉぉぉぉ―――………っ」
口での吸引と、手での上下運動は終わり、今度は舌先での突き攻撃。
否、慈しむようなその優しい舌使いは所謂『おそうじ』というやつだろう。
下級とはいえ貞淑を善しとする教団兵だった自分には一生縁が無いと思っていた、本で得ただけの知識。
実際にこの身で、それも愛する彼女によって経験することになるなんて…。
「ちゅっ………♪
んふっ……美味しい……♥
でも、まだまだ………これからですよ?」
与えられた快楽に翻弄される俺を見上げて、優しく微笑むサーシャ。
自らの唾液と俺の先走りで濡れてテラテラと光る唇が艶かしい。
その淫靡な笑みは、何故か……
……美しき捕食者のようにも、慈愛に満ちた女神のようにも見えた。
エメラルドの髪を掻きあげて、みたび亀頭を唇に呑みこんでいく。
ふわふわの唇を押し広げ、ザラついた舌に迎え入れられ、上顎に亀頭の上部が触れる。
湧き出る唾液が口内に包まれた亀頭に纏わり付き絡みつく。
「んんん………んむぅぅ……っ」
くぐもった声を漏らしながら、サーシャは更に口の奥、咽喉にまで俺のペニスを呑みこもうとする。
しかし、決して大きくない彼女の口内には、いくら大きく口を開けても勃起した肉棒なんて納まりはしない。
俺の普段のペニスだって入りそうにないのに、彼女の魅力に中てられて異常に肥大したペニスなど言うに及ばずだ。
先刻も、亀頭を呑みこむだけで彼女の口内のほとんどを占拠してしまった。
今も、肉竿の三分の二以上は彼女の口の中に納まっていない。
唾液をペニスに塗していたサーシャが、顔を引いてゆっくりと唇からペニスを引き抜いた。
「ぷあっ……♪
逞しすぎて、お口に納まりらないですね……♥」
恍惚として、ペニスを見つめる。
彼女の表情に見とれていた俺は、彼女の手が俺の陰嚢に伸びるのに気付かなかった。
「んぁ……っ!?」
ほっそりとしたしなやかな指が、俺の陰嚢を包み、指の間に陰嚢の中にある睾丸を挟んで揉む。
強く、だが痛みを感じない絶妙な力加減でクニクニと男の急所を弄ぶ。
ぞくぞくする感触が睾丸からペニスと、腹の中へと伝わってくる。
「お?ぉぉぉ……!?」
「うふふっ……気持ち良いですか……?
ここで、いーっぱい精液を作って、たっくさん射精してくださいね……♥」
睾丸を揉まれる度に、精液が溜まってくるのか陰嚢が重たくなる気がする。
根元からの圧力が増して圧迫されたペニスの先端から、新しい先走りが溢れ出す。
それを子猫がミルクを舐めるように、サーシャの舌が舐め採った。
「ここを揉みながら、お口の中でジュポジュポってしてあげます。
出したくなったら我慢せずに、お口のなかでお射精してくださいね?
あなたの濃くて、熱くて、甘くて、美味しい精液、全部私にご馳走してください♥♥」
再度、親愛の挨拶をするように亀頭の先端に軽くキス。
あーん、と大きく開け、俺のペニスを唇に呑みこんで行く。
「ん、むぅ………♪」
じゅ……じゅぅぅ……
「く、お……ぉぉぉ……」
水音を立て、ペニスと唇の間から唾液を零しながら呑みこまれる。
一度体験しているとはいえ、その光景はたまらなく扇情的で興奮を掻き立てる。
サーシャのふわふわした唇が甘噛みしながら口の中に俺のペニスを招き入れる。
竿の上下から軽く前歯に当たる感触がするが、痛みなどまるで感じず、甘い痺れだけが返ってくる。
サーシャの舌の上に亀頭が載せられて、熱い唾液を塗しながらカリの内側と付け根をペロペロと舐められた。
分泌される唾液はあっという間に口内を満たし、俺のペニスは彼女の唾液の中に浸る。
柔らかな唇に竿を咥えられ、裏筋を舌の上に載せられ、上顎に亀頭の上側が当たり、そして唾液に包み込まれる。
口の中に納まりきらない肉竿を、口から零れた唾液が伝って濡らす。
筆舌に尽くし難いほどの快楽を感じるが、同時にペニスに鈍い痛みも感じた。
過度の勃起で暴発寸前で、射精する前に破裂するんじゃないだろうか。
快感の熱でぼやけた頭でそんなことを考えた。
「んん……ふ♥」
じゅっ……じゅ………
恍惚と慈愛の混ざり合った笑みで俺を見つめていたサーシャが、静かに顔を引く。
その柔らかな唇を吸い付かせて肉竿を引っ張り、カリの部分にまで唇を移動させる。
口の中で亀頭をペロリと舐め上げて、再び顔を下ろして肉竿を呑みこんでいく……。
じゅじゅっ………ぢゅる………
再び、サーシャの口内に俺のペニスが深く呑みこまれる。
口内に導かれた亀頭の上側に上顎が、下側を舌がそれぞれ包んでしゃぶる。
口の端と、唇とペニスの間から唾液が零れて肉竿を濡らす。
口の中で舐めしゃぶるだけでなく、睾丸を揉む指も止まらない。
しなやかな指の間に挟まれ、優しい力でクニクニと刺激される。
される度、快感に増産される精液で重みを増していくようだ。
「う、お………っ」
凄まじくも優しい快感に息を漏らす。
すでに我慢のリミットなど超えていて、いつ射精してもおかしくなさそうだが、激しく攻め立てられないことが放出を先送りさせていた。
その分、与えられる快感は深く、射精のエネルギーが限界以上に蓄えられていく。
口の奥で亀頭を愛撫し、再度サーシャは顔を引いて亀頭のカリまで唇を移動させる。
その間、唇は竿に吸い付いたままだ。
空気を吸い込み、ペニスと唇の間からじゅるじゅると卑猥な音が立つ。
ペニスに口の感触を覚えこませようとするように、じっくりと優しく、そして濃厚に。
サーシャは俺のペニスに口淫奉仕する。
口の奥へ導いてはじっくりとしゃぶり、竿を唇で扱き、亀頭を咥えては舌で舐め回す。
彼女の甲斐甲斐しくも淫らな奉仕に、限界の時が近い。
「サ、サーシャ……もう、出そう……っ」
「んんぅっ………ぷぁっ…♪」
あっさりと白旗を揚げて降伏する。
口を離し、サーシャが微笑む。
解放されたペニスは唾液と先走りの混合した粘液でべっとりと濡れていた。
真っ赤に充血し、更なる快感と射精を求めてビクビクと震える。
「ふふ……いいですよ……
お口でゴシゴシしてあげますから、そのままお射精してください♥
全部飲ませてくれなくちゃ、ダメですからね?」
そう言って、あぁむ、とペニスを咥える。
亀頭を口内で2,3回ペロリと舐めたあと、舌を亀頭の下側へと滑り込ませた。
そして口撃を開始する。
唇を肉竿に吸い付かせ、亀頭のカリから口内に入れられる位置までを顔を上下させて扱く。
最初は味わっていた時のようにゆっくりと……徐々に速く、そして激しく。
「んんぅっ…んんっ…んんっ…んんぅ……っ」
じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ……っ
「く、うううぅぅっ!!」
唾液を滴らせながら、一定のリズムでペニスをストロークする。
口内粘膜との摩擦が強烈な熱を持った快感になり、ペニスを加熱していく。
張り詰めたペニスが、さらなる圧力を掛けられて追い詰められていく。
ペニスのみならず、手でのマッサージで精液を増産した睾丸も張り詰めている。
圧縮され、塊と化した精液がストロークに呼応してせりあがって来る。
内側から感じるカウントダウンに、興奮を伴う恐怖を感じた。
せりあがって来る精液塊が、ペニスの根元に到達した。
あとは、尿道を通って放出するだけ。
最早、我慢など効かない焦燥感に押されて、宣言する。
「出るよ……っ、サーシャっ……!
出るっ……出るっ……出るっっ………!!」
「んんんぅっ……♥」
ペニスを咥えたままニコリと微笑んで、サーシャはとどめとばかりにストロークを速めた。
卑猥な音を立てて、滴る唾液でペニスの根元を濡らして、激しく上下させる。
背筋がゾクゾクする。視界に小さな火花が映る。
知らず知らずに背筋がピンと延び、ペニスを突き出すように腰が浮く。
亀頭がぐうっと膨らんで…
そして遂に、決壊の時を迎える。
「出るっ………出、るぅぅっ………!!!」
「んんっっ………!!」
すかさずサーシャは顔を引き、カリを咥える位置で射精を待ち受ける。
左手で睾丸を揉み、右手の人差し指中指親指の三つ指で搾るように竿を扱く。
咥えた亀頭を舌で休み無く舐め回して、最後のアシストをする。
―ぶびゅっ…
――ビュルルルルルルルルルっっっっっっ!!!!
最初の一滴が鈴口から噴き出し、間を置かずに長い長い射精が始まった。
ペニスの根元、その奥から鈴口目掛けて矢のような勢いで精液を噴出する。噴出し続ける。
尿道を奔る灼熱と、撓みに撓んだエネルギーを吐き出す開放感にひたすら曝された。
「オ、オオォォォオォォォオォォオッッッ………!!」
涎を零しながらケダモノじみた咆哮を挙げる。
視界が白に染まり、意識が爆ぜる。
キィィィンという耳鳴りがして、やがて音も聞こえなくなった。
ただただ、射精の快感に翻弄される。
射精の終わるまでのほんの数秒間の間、俺は完全に射精感の奴隷と化した。
永遠に思えるような数秒間が終わる。
嵐が過ぎていくかのように、耳鳴りが治まり、ホワイトアウトした視界に色が戻る。
頭痛と眩暈と、酸欠の苦しさが意識を混濁させた。
「はぁーっ……はぁーっ……はぁーっ……!」
咆哮で空になった肺に酸素を取り込む。
荒い息で呼吸し、調息。
心臓が全速力でランニングしたとき以上にバクバクと鼓動して痛いくらいだ。
一度目の射精以上の快楽で、回復には余計に時間が掛かった。
頭痛に耐えながらなんとか顔を上げて、サーシャの様子を確認する。
射精の衝撃に翻弄されて、彼女を気遣う余裕すらなかった。
「んふぅぅーーっ……んふぅぅーーっ……」
サーシャは目を閉じ、ペニスを咥えたまま鼻で大きく呼吸を繰り返していた。
頬が小さく膨らんでいる。
口内のペニスが粘つく感触に包まれている……サーシャの口内には俺の精液が溜まっているのかもしれない。
何度かそのまま鼻呼吸を繰り返し、そして……
「ん……♥」
こくん………こくん………っ
白い咽喉を鳴らしながら、口内に溜まった俺の精液を嚥下し始めた。
二度目だからといって、そう簡単に慣れることなどできない衝撃的な光景。
サーシャは目を閉じたまま、苦も無く俺の精液を飲み下していく……。
精液を飲み下しているサーシャをぼんやりと見つめていた俺は、衝動的に彼女の髪に手を伸ばす。
俺のペニスに奉仕し、精液を美味しそうに飲んでくれるサーシャがたまらなく愛おしくそして愛らしく見えて、その想いに押されるように彼女の髪をゆっくりと撫でた。
「……♪」
髪を撫でられて嬉しそうな声を漏らすサーシャが、また愛おしい。
側頭部から前頭部にかけて生えている闇色の角にも触れてみるが、返ってくるのは何故か柔肌の感触だった。
口内の精液を飲み終えたサーシャの舌が、口に含んだままのペニスの鈴口をチロチロと舐めて突く。
射精直後で敏感になったペニスにビリビリとした寒気にも似た電撃が奔る。
快楽を与えられる度に、異常な量の精液を吐き出して空になったはずの睾丸が重くなる錯覚を覚えた。
「気持ちいい……凄く、気持ちいいよ、サーシャ……」
「んん……♪♪」
細目で俺を見上げるサーシャの潤んだ瞳が、更に興奮を掻き立てる。
歓喜、悦楽、恍惚、興奮、感謝、恋慕、情愛……様々な熱いものと温かいものが混ざり合った笑顔。
彼女のこんなに素敵な笑みが見られるのなら、堕ちるのもそう悪くは―――
許容量を超えた快感に蕩け、軽い頭痛のする頭でぼんやりとそんなことを考えていて、失念していた。
この後、サーシャの唇が奉仕のシメとして強烈な口撃をしてくることを。
俺の睾丸を包んでいた手が、ふたたび優しく蠢き始める。
サーシャの唇がカリを甘噛みして固定して―――
ちゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……っ!
口を窄めて、強烈に吸い付いてきた。
「う、ぐ、おおおぉぉぉぉぉっ………!?」
全く警戒せずにサーシャの『おそうじ』を受け入れていた俺は、襲い掛かるくすぐったさに悲鳴を挙げる。
反射的に腰を引こうとするが、唇の強烈な吸い付きが、睾丸を掴む手が逃がさない。
逃げ場を失った俺の腰が、彼女に吸い上げられるままにブリッジでもするように持ち上がる。
呼吸が出来ず、視界に再び花火が散る。
許容を超えた快楽に脳が焼け付いているかもしれない。
ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ♥
前回と違い、今度は睾丸へのマッサージも加えられている。
睾丸で生産された精液が、手で直接搾られて尿道をゆっくりと昇る。
精液に押し上げられた尿道に射精のそれと同じ快感が奔る。
ただし、あくまでゆっくりと。
鈴口から射精するまでの間、ずっと射精し続ける快楽に襲われ続ける。
永遠にも思える、僅か数秒の快楽の責め苦。
ぐうっ、と亀頭が膨らんで、そして射精した。
ぷしゅっ……!
ぷしゅぅぅぅぅぅ………っ
勢いは無い、生産されたてで粘度も無い潮のような射精。
ペニスに電気ショックを掛けられ続けるような強烈な快感に、最早声も出ない。
酸素を吐き尽くした肺で、声にならない悲鳴を挙げ続けた。
噴出した精液はすかさず吸い尽くされ、鈴口を舌で清められる。
射精の快感が引くまでの間、丁寧に、優しく舌先でチロチロと舐められる。
その穏やかな刺激にすらペニスがビクビクと震えた。
「あ……はぁっ……はあっ……!」
強烈な射精感が過ぎ去り、ようやく呼吸が出来るようになった。
感じていた眩暈と頭痛が、空気を肺に取り入れる度に薄れていく。
サーシャは未だにペニスを咥えたまま口内にある亀頭を舌で清めてくれているが、その舌の動きはなぞる程度に優しく、快感は感じるものの何とか調息することが出来た。
俺が調息できるように、加減してくれているようだ。
ここでふと、不思議なことに気付く。
自慰を遥かに上回る快楽に立て続けで3度も射精しているというのに、ペニスが萎える気配がまるでない。
過度の勃起で張り詰めたような鈍い痛みはあるが、自分で何度も抜いたときのような虚脱感はなかった。
強烈な快感を叩き込まれたことで感じる頭痛と眩暈も、2度目の射精時と比べて遥かに回復が早い。
呼吸を整えてもしばらくは心臓が悲鳴を挙げていたのに、今はほんの少し調息しただけで収まってしまった。
体力の消耗も……いや、これは一体どうしたことなのか。
確実に体力を消耗しているはずなのに、軽い準備運動をした直後のように体が好調だ。
疲労は残っているが、体力が尽きかけた虚脱感は消え、一汗かいた後のような爽快感さえ感じる心地良い疲労だった。
「ん、ちゅぱ……っ
どうやら……魔力が馴染んできたようですね♪
気分はどうですか?頭痛や、疲れは感じますか?」
ペニスから口を離し、俺を見上げて語りかけるサーシャ。
優しげな笑みには気遣いが見える。
サーシャが、負傷した兵士に治癒魔法を掛けるときと同じ表情だ。
……いや、こんな風に顔を赤らめている淫靡な表情ではないが。
「あ、うん。平気だよ。
……むしろ調子が良いくらいだ」
正直に答える。
少し引っ掛かるものは感じるが、今の体調は立て続けに3発も射精した後とは思えないほど好調だ。
ひょっとして、サーシャが俺にも気付かない内に回復魔法でも掛けてくれたのだろうか。
「それは良かったです♪
あともう少しで完全にインキュバスになれそうですね♥」
サーシャの言葉に、ようやく合点がいった。
インキュバス――魔に魅入られ、自らも魔に堕した元・人間。
俺は今、インキュバスになって……いや、彼女の言に従うなら、なりかけている最中なのか。
……………。
体力の回復が早くなった以外、これといって自覚症状は無い……ような気がする。
「心配しないでください。
インキュバスになるのは、なにも恐ろしいことはありません。
それどころか、インキュバスになれば何度お射精しても身体に負担が掛からなくなります」
未だに怒張しているペニスを手で優しく撫でて、ニコリと微笑む。
この笑みは、彼女が子供や怪我人を安心させようとするときの笑みだ。
「私はあなたに苦しい思いをして欲しくないのです。
あなたには私が捧げる快楽を思う存分、愉しんで欲しい……
何に気を咎めることなく、あなたが望むままに私を求めて欲しいのです」
――………ああ。
そういう、ことか。
魔物は、まるでケダモノのように捕らえた犠牲者に襲い掛かり乱暴に犯そうとする。
それが魔物の性質だと聞かされていたし、実際に貧民街でそのさまを見てきた。
魔物になった以上、サーシャもそうなるのだと覚悟していたが………違った。
いままで彼女は、魔物にしては大人しく、丁寧にそして優しく俺に奉仕してくれた。
魔物についての教本に書いてあるような『気が狂うような苦痛に等しい快楽』は与えられなかった。
サーシャは俺を気遣って、加減してくれていたのだろう。
そしてじっくりと時間を掛けて、俺をインキュバスへと慣らしてくれていたのだ。
……魔物に変わり、堕落した神の信徒へと身を堕しても、サーシャはやはりサーシャのままだった。
彼女が俺の知るサーシャのままであることを認識して安心したのか、胸の小さな痞えが取れた気がした。
そして、彼女の優しさと献身に胸が温かな喜びで満ちる。
『サーシャ』に愛され、『サーシャ』を愛せる喜びに、改めてペニスがビクビクと震えだす。
「あぁ………私を欲しがってくれるのですね……♥
もっとご奉仕しますから、もっと私を求めてくださいね♪」
サーシャは身を起こし、身に纏っている黒い僧衣の胸に手を掛けた。
胸元が大きく開いた僧衣の、胸を覆っている部分に内側から指を引っ掛けて横にずらす。
プルンッ、と拘束されていた乳房が勢い良く飛び出した。
視界に入ってきた美しい乳房に目を奪われる。
ほんのりと上気し、淡い桃色に色づいた乳房はまさしく桃の果実のようだ。
たっぷりとしているのに重力に逆らって、垂れることなく俺に向けられている。
先端にある、小ぶりな乳首は充血して、まるで桃の真珠のよう。
大きな乳房に反比例して小さな乳首が、余計に乳房を大きく見せていた。
「………っ」
息を呑む。
本に載っていたどんな女の胸も比較にならない。
いや、高名な芸術家が造った、女性を象った彫像の胸よりも美しいだろう。
目を逸らすことなど出来ない、男の視覚を支配する芸術品がそこにあった。
「ふふ……私のおっぱいは、あなただけのモノですよ?
今からこの、あなただけが自由にしていいおっぱいで……
あなたのオチンチンを、挟んであげますからね♥」
とんでもない発言をして、サーシャは自らの乳房を手で両側から押さえた。
柔らかな二つの果実が、押さえ込まれて形を変える。
そのまま身を屈めて、二つの乳房が重なった、ぴっちりと閉じた隙間にペニスの先端を導く。
期待に震えるペニスを、ゆっくり、ゆっくりと乳房の隙間に沈めてゆく。
「う、お……っ!」
「んんっ………熱ぅい………♥」
ズブズブズブ………そんな音が聞こえてきそうな程、淫靡な光景。
異様なほどに勃起した醜悪なペニスが、触れることすら畏れ多いような美巨乳に呑まれていく。
閉じられた二つの乳房の間を、先走りと唾液で濡れたペニスが掻き分ける。
シルク以上の感触の中を亀頭が突き進む。
乳房の中に進入した亀頭と肉竿を、たっぷりとした泡に包まれるような快感が迎える。
ぴったりと隙間無くペニスを包む乳房は、ペニスの芯に響くような優しい圧力を俺に与えた。
絹を超えるきめ細かい感触と、雲のような柔らかさと、全方位から押し付けられる心地良い圧力が包み込む。
勃起したペニスは大きな乳房にも収まりきらず、貫通して亀頭だけが頭を出した。
カリに乳房が引っ掛かって、これもまた刺激になった。
「凄いです……私の胸の中でビクビク震えて……
先っぽさんはお口でご奉仕しますから、またいっぱいお射精してください♥
………我慢なんて、しちゃダメですからね?」
我慢なんてできるものかと、言い返す余裕すらなかった。
包まれた肉竿に与えられる優しい快感は何の動作も必要とせず、じわじわと俺を追い詰める。
ペニスの内側からせりあがって来る射精欲動と、乳房の圧迫が二重の圧力となってペニスを襲う。
破裂しかねないほどに怒張した亀頭に吹きかけられる、サーシャの吐息もアクセントになった。
ただ包まれているだけでも十分すぎるほどの快感にあっという間に限界が訪れる。
限界が訪れている……のに、暴発はしなかった。
サーシャの口内での射精を体験したペニスは、いくら素晴らしくとも穏やかな快感では射精しなかった。
行き場の無い精液が、乳房の快感に下火で煮詰められて、量を増していく。
ぴちゃ……♪
出すに出せなかったペニスの先端に甘い痺れが奔る。
サーシャの舌先が、先走りが溢れ出る鈴口を舐めて突く。
それと同時に、乳房を持ち上げる手によって、乳房が押し付けられた。
そして、押さえつけられたまま上下に動かされ、ペニスが扱かれる。
「うぉぉぉぉぉ…………っ」
呻くことしかできない。
口淫奉仕と違い、たっぷりとした乳房での奉仕は優しくも確実に俺を追い詰めた。
真綿で絞められるという言葉があるが、まさにそれ。
強引に精液を吸い上げるのではなく、全方位からペニスを圧迫して射精欲動を煽り、射精に導く。
臨界点を超えるまで、その優しくも容赦の無い奉仕攻撃が続く。
サーシャは尚も奉仕を続ける。
舌を伸ばし、舌先で鈴口を舐め続け、乳房で肉竿を上下に扱く。
俺を細目で見上げるその蕩けた視線から目を逸らせず、彼女の奉仕している姿を凝視してしまう。
背筋がゾクソクする。
加圧された精液が、遂に放出の時を迎える。
過度の勃起で圧迫された尿道を押し上げて、精液が鈴口を目指して登り詰める。
サーシャは……何を思ったのか、舌を出したまま口をあーんと大きく開けた。
乳房を上下させながら、ペニスから口を離して射精を待つ。
ああ…口を離したら、顔に精液が掛かってしまうじゃないか……。
「サーシャっ……駄目だっ、もう………出るっ……!!」
退いてくれとも言えず、敗北を宣言する。
と、同時に決壊が始まった。
―ビシャッ!
――ビュッ!!ビュビュッ……!ビュッ!!
乳房の上下運動に合わせるように、断続的に射精する。
与えられたのが穏やかな快感だったためか、その勢いは口淫奉仕のとき程ではない。
だが深い快感だったためか、大粒の精液の塊を何度も何度も吐き出した。
「ああっ……♥♥はあぁぁぁぁぁ………♥♥♥♥」
鈴口から吐き出された精液を、サーシャは恍惚の表情を浮かべた顔で受け止める。
大きく開けられた口に入りきらず、髪に額に、鼻に頬に、精液が張り付いて白く穢す。
敬愛する彼女の顔が穢されているというのに、射精の快楽に翻弄される俺はそれを止めることが出来なかった。
……射精の続く中、不思議な感覚を覚えた。
射精して、自分の中の精力を吐き出すのと入れ替わりに何か……ねっとりとした感触の何かが俺の中に入ってくる。
その『何か』は俺の中に入ると、全身に散らばって温かな…というか熱い熱量へと替わる。
その熱量を感じると、射精で消耗したはずの体力が癒えるような錯覚を覚えた。
射精を終える頃には、既に俺の体力は射精前の状態に戻っていた。
いや、むしろ射精する前よりも気分が良く、頭が蕩けているのに意識がはっきりしている。
体力を奪われたというのに体力が増しているという矛盾した感じだった。
……もしかして、コレがインキュバスの?
「あ♥あぁぁぁぁ……♥♥♥」
顔面で精液を受け止めたサーシャは、顔を白濁に染めたまま恍惚としている。
精液を拭うこともせず、トロンとした瞳でぼんやりと俺を見つめていた。
その表情はなんとも淫靡で、声を掛けることも出来ずに俺も彼女を見つめてしまう。
興奮に、ペニスが節操無く震えて更に硬度を増した。
「あン……♥
ごめんなさい…今、お掃除しますから、ね♥」
胸の中のペニスの震えで忘我から復帰したサーシャは自分の胸の谷間……
精液の溜池に顔を埋める。
ずずっ……と、そこに溜まっていた精液を吸い出し、次に未だに精液が流れ出る亀頭に吸い付いた。
「あ、む………ちゅ、ちゅうぅぅぅぅぅっ………」
尿道に残っていた精液を吸い出される快感に、身震いする。
インキュバスになったからといって、与えられる快感に耐性が付く訳ではないらしい。
射精直後のペニスに奔る快感に、やはり為す術もなかった。
小さく呻きながら、快感が通り過ぎるのを待つ。
「ん………ご馳走、さまでした♥
どうやら、完全にインキュバスに成れたみたいですね……♥
気分はどうですか?まだ疲れは感じますか?」
「ああ……なんともないよ。
もう疲れも無いし、何度でもできちゃいそうだ」
正直な感想を返す。
射精して空になったはずの陰嚢にはもう重みが戻ってきている。
与えられた快楽は身体に残っているが、気だるさは既に無く、準備運動でもした後のように気が晴れている。
そうですか、と言ってサーシャが満面の笑みを見せる。
歓喜と期待と内なる悦びに満ちているが、顔面に張り付いた精液がたまらなく淫靡なモノに見せていた。
「ごめん、サーシャ……
サーシャの顔、汚しちゃった……」
ようやく、罪悪感に押されて謝罪する。
しかしサーシャは全く気を悪くしていないようで、ニコリと微笑む。
「謝ることなんてありません♪
あなたにお射精して貰えて、私は幸せです♥
それにですね……」
微笑みが変わる。
歓喜の笑みから、淫靡な恍惚の笑みへと。
「夫の精に染められることは私達にとって最高の栄誉なのです♪
…そして、あなたの精に染まることは、私にとって最高の幸せです♥」
頬についた精液を指で掬って、口に運ぶ。
紅い舌が美味しそうに精液を舐め取る光景に、また興奮が掻き立てられる。
サーシャは目を閉じ、ぶるりと身を震わせた。
すると、髪に顔に、そして乳房にこびり付いていた精液が蒸発するようにして消えた。
……いや、蒸発したというより、水が布に吸い込まれたかのようだ。
「さっき言ったように、あなたの精液は私の最高のご馳走なのです。
お口よりも吸収できる効率は落ちますが、こうして肌で精を吸収することもできますから
汚してしまった……なんて心配しなくてもいいのですよ♪」
汚してもらえるのも嬉しいのですけれど、とも付け加えて眩しいくらいの笑みを浮かべた。
「でも……やっぱり
お口や、赤ちゃんの部屋であなたの精を受け入れたいです……♥」
再び、微笑みが変わる。
今度は、妖艶と言えるような扇情的な、期待に満ちた笑みへと。
「お部屋に行きましょう?
そこで私の望むまま、あなたの望むまま……思う存分に………」
―――私を、あなたで、染めてください♥♥♥
12/06/28 22:53更新 / ドラコン田中に激似
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