大好きな、愛しい女の子
俺が誓いの言葉を口にすると同時に、ウィルマリナは目蓋を落とし、少し顎を上げる。
いくら色事に縁が無かった俺でもその意味は、彼女が何を求めているかは分かる。
誓いのキス。
口にした約束を確かなものにするための、神聖で大切な。
彼女の青みが掛かった、瑞々しい唇に唇を合わせる。
俺から進んで。俺の意志で。
ウィルマリナの背に手をまわして、身体が密着するように、やんわりと抱きしめる。
柔らかく心地よい弾力を持つ唇に、自分の唇を押し付ける。
「ん……♪」
ファーストキスの時のように貪られはしなかった。
ただお互いの唇を合わせるだけの軽いキス。
だが、今の俺達にはこれが一番のキス。
しばらく唇を重ね合わせた後、どちらともなく唇を離す。
「うふふふっ……♪」
「……ははっ………」
ウィルマリナの幸せそうな笑顔を見たら、つられて俺も笑みが浮かんだ。
……そういえば、魔物になったウィルマリナと会って初めて笑ったな…。
「今すぐあなたが欲しいけど……此処は要らない臭いが多いよね……」
ウィルマリナが少し顔をしかめる。
「臭う?……なんの……?」
俺には桃色の湯の匂いとウィルマリナの香りしか感じないが……
「あなた以外の男の臭いがする。
……嫌な感じ」
……魔物になったことで嗅覚が鋭くなったのだろうか。
確かに、此処は一般兵用の大浴場の男湯だ。
時間で考えて俺は最後の客だろうし、俺の前に大勢の人間が此処に来ていたんだろうが……。
ウィルマリナは俺以外の男の臭いがするのが不満らしい。
「ね、行こ?」
「行くって……何処へ?」
ウィルマリナは、笑う。
「私の、ううん。
私達が、これから暮らす部屋♪」
ウィルマリナは俯いて目を閉じ、小さく何かを口にする。
「………――――っ」
呪文の、詠唱?
詠唱を終えると、ウィルマリナの身体から淡い光の粒子が溢れ出してきた。
その光は俺の身体からも溢れてきて……
―――意識が、反転した。
意識が戻る―――。
「う、あ……?」
ウィルマリナの後ろに見えるのは今まで俺達が居た浴場ではなく、途轍もない広さの豪奢な部屋。
一目で高価だと判る調度品がところ狭しと置かれ、部屋の隅には大の大人が3,4人は眠れるのではないかと思うほどの巨大な天幕付きのベッド。
まるで贅を凝らした王族の部屋のようだ。
「私達の部屋だよ♪」
俺の疑問に、先んじてウィルマリナが応える。
ここは、ウィルマリナの自室……なのだろうか。
俺の稼ぎでは一生掛けても届かないような装飾品で飾り付けられた、大仰なまでに豪華な部屋。
眼も眩むような煌びやかな空間は、お世辞にも人間がリラックスできるような場所には思えなかった。
教団の経済力を、権威を不必要なまでに誇示している。
そこに住まう者に、自分もその一員であることを無理矢理にでも自覚させようとする圧迫を与える……
少なくともウィルマリナは絶対に好まないであろう趣の部屋。
ウィルマリナは、城内でいつもこんな部屋に住まわされていたのか……。
可哀想に……。
こんな部屋では心が休まる暇など無かっただろう。
「邪魔な“ガラクタ”が多いけど、ベッドは広いから、いいよね」
手を引かれて、俺は部屋の隅の天幕付きのベッドへと導かれる。
ウィルマリナは俺の手を離し、はしゃぐ子供のようにベッドに飛び込んだ。
そして立ち尽くしている俺に向き直って
「……来て♥」
両手を広げた。
「ファーストキスは私からだったから、“はじめて”はあなたから、ね?」
………―――ああ。
そうか。そうだよな。
魔物になったとか人間を辞めたとかは、彼女にとって大きな意味は無いのかもしれない。
ウィルマリナは普通の女の子なんだ。
普通に笑って、恋をして、異性を好きになって、結ばれる…その神聖な瞬間に憧れて………。
魔物になったからといって、理性も人格も無い怪物に変わったわけじゃない。
もしそうだったら、浴場で初めて魔物化したウィルマリナを見たとき
いくら姿形が似通っていても俺は彼女をウィルマリナとして認識できなかっただろう。
ならば、『ウィルマリナ』のことが好きな俺がすべきことに変わりは無い。
ベッドに乗り、膝立ちの状態で彼女に近づく。
ウィルマリナは脚を広げて、その間へと俺を導く。
彼女の両手が俺の肩に置かれ、尻尾が俺の腰に巻きついてきた。
「早く。早くぅ……。もう、我慢したくないよ……」
やんわりと倒れこみ、俺は覆い被さる。
俺は童貞だが、ここからどうすればいいかは同僚達と廻し読みした本で知識を得ている。
ウィルマリナの脚の付け根の間にある、濡れた秘裂。
女の子の一番大事な場所。
そこに、俺は自分の、かつて無いほど肥大したペニスを宛がった。
くちゅっ……
「くっ……」
「ああ………っ♪」
先端が少し触れただけだというのに、ぞわりと甘い痺れがペニスに走り、そこから全身に伝播する。
俺は快感から来た苦悶に、ウィルマリナは悦びと期待に声を漏らす。
「来てっ……早くっ……
私の、中に入ってきてっ……
一つに、なろっ……?」
ウィルマリナが腰を突き出してきて、急かす様に自らの秘所を俺のペニスに押し付ける。
くちゅり、くちゅりと、先端が擦れるたびに甘い痺れが襲い掛かり、危うく達してしまいそうになる。
挿入もしていないのに快楽を齎すその秘所にペニスを潜り込ませることに僅かな恐怖と凄まじい興奮を覚えた。
ペニスの根元を手で固定して、狙いを定める。
彼女と、繋がる………その前に。
彼女に促されずに、俺の意志で自発的に言わなければならないことがあった。
幾ら役立たずの能無しといえど、俺だって男だ。
男として、これからウィルマリナだけの男になる身として、情けない真似はしたくない。
「ウィルマリナ」
「……うん」
―――大好きだ。君を、愛してる。
腰を、突き出した。
ちゅっ………ぶぷぷぷっっ……!!
「くぅ………ぁぁぁあああああっ………!」
「んぅああああああぁぁぁぁっ…………♥」
――薄い抵抗を貫通して。
最初に感じたのは快感ではなく、強烈な、熱。
火傷になる痛みを感じる寸前の、途轍もない熱さ。
その熱は、滲むような熱としてペニスに伝わってきて……
……痛みに変わる前に凄まじいくすぐったさへと替わる。
亀頭を中心に纏わりつく、焼け付く熱さのゼリーでできた手に掴まれているような感触。
「ーーーーーーーーっっっ!!!!」
射精しなかったのは快感に耐えられたからじゃない。
あまりの快感にペニスの膨張が高まりすぎて、圧迫された尿道から精液を出せなかったからだ。
俺は、すでに射精の快感に襲われていた。
「ーーーーっ………ーーーーっ!!」
尿道が精液で押し上げられて、ペニスが更に膨張する。
ウィルマリナとの邂逅からすでに有り得ない程に肥大していたペニスに、更に圧力が加わる。
引っ切り無しに襲ってくる快感に、ペニスに感じる圧迫感……。
破裂するんじゃないか……そんな恐怖を感じた。
「やぁっ……
停まっちゃ、やだぁ……
最奥(おく)まで、入ってきて……っ」
俺の下でウィルマリナが弱弱しく懇願する。
快感に紅潮した顔に潤んだ瞳で俺を見上げ、尻尾が更に俺を奥へ、奥へと導くように俺の腰を引き寄せる。
俺のペニスはまだ、ウィルマリナの中に3割程度しか入り込んでいない。
腰を思い切り突き出したのだが、最初の弱い抵抗と、膣壁の強烈な摩擦に勢いを削がれて停まってしまった。
ウィルマリナはそれが不満らしい。
「切ない……よぅっ……
もっと……もっと、あなたを感じたいっ………!」
震えた声で、俺を………求めてくれる、愛しいヒト。
―――ウィルマリナの懇願に、胸に火が灯る。
快感で自分の身体が壊れるかもしれないという恐怖が消し飛んだ。
ウィルマリナへの愛しさが、優しい温かさと激しい熱さを伴う灯になって、胸に満ちて溢れる。
ウィルマリナと離れ離れになってから、俺はずっと彼女への想いを溜め込んでいた。
―――この胸の灯にくべる薪なら、いくらでもある。
歯を食いしばる。
自分の身体がどうにかなってしまっても構わない。
ウィルマリナにもっともっと、喜んで欲しい。
両手でウィルマリナの細い腰を掴み、引き寄せる。
それと同時に、自分の腰を突き出す。
ちゅちゅっ……ぐちゅぅぅぅぅぅぅぅっっ………!
柔らかくも窮屈な膣内にペニスを進ませる。
奥へと侵攻するのと比例して、熱と快感が跳ね上がっていき、ペニスに感じる圧迫も増していく。
だが
「ああっ………あぁぁぁぁぁ……♥」
ウィルマリナの喜ぶ声が、嬉しそうなその表情が、俺の胸の火をさらに強くしてくれる。
その火に後押しされるように、更に更に……彼女の奥へ。
そして遂に、ペニスが根元までウィルマリナの膣内に呑み込まれた。
コツンッ……と
コリコリとした弾力を持った何かに先端が当たった。
「くうっっ……!」
「きゃうっん………♥」
柔らかさの中で唐突に感じた硬い感触に、敏感になっていたペニスに衝撃が走り、伝播する。
異なる種類の快感に、危うく暴発するところだった。
「全部、入ったよっ……。ウィルマリナ……?
………ッ!?」
彼女を見下ろし―――胸が跳ねた。
――涙。
ウィルマリナの瞳に大粒の涙が浮かんでいた。
表情は綻んでいる笑顔だが、浮かんだ涙に胸が締め付けられる。
童貞を捧げたばかりのガキの俺にはその涙の意味が解らず、自分が何か粗相をしたのかと困惑する。
「ウィルマリナ……苦しい、の……?」
だからこんな、雰囲気を読めないような愚かな問いをしてしまった。
だが、俺の愚問に対して彼女が返した答えは
「うん……。苦しいよ……っ
だって……」
やっと、あなたと一つに成れた。
やっと、あなただけのモノになれた。
やっと、一番欲しかったあなたが私だけのものに……
「嬉しくって……
あったかくて……
気持ち良くって……
胸が、あなたで一杯で
私――――幸せ………だよ……っ♥」
ぽろぽろと涙を零しながら微笑んで
ふるふると身を震わせながら喜びを語る彼女に
俺の心の灯は―――狂おしいほどに、激しく燃え上がった。
「―――――ウィルマリナぁぁぁ………っっ!!」
「きゃうううぅぅぅぅんっっっ!!!」
ウィルマリナに、腰を突き入れる。
既に最奥にたどり着いているのに、更に深く、奥に捻じ込むようにペニスを突き出す。
ひたすらに柔らかい彼女の膣内で唯一硬い、弾力を持った箇所をペニスの先端で突き上げる。
ウィルマリナも、更に俺を呑み込もうとする。
熱くて柔らかい膣壁は俺のペニスを締め上げるだけでなく、絡み付いて奥へと引き込むように蠕動する。
引き込まれた最奥にあるのは、彼女の……子宮。
この軟骨のような感触のする箇所は、彼女の子宮……なのか。
「好きだっ………!!
好きだ、ウィルマリナぁぁっっ!!」
「ああぁぁぁっ……♥
私もっ!……大好きっ!!
あなたが、大好きぃっっ!!」
壊れるほどに腰を振るような激しい抽挿ではない。
ただひたすら互いの性器を擦り合わせる、稚拙なセックス。
より愛する女の奥へと自分を捧げる。
より愛する男を自分の中へと導き入れる。
互いに求め合い、互いを捧げ合う、幸せなセックス。
「ウィルマリナっ!ウィルマリナぁ!ウィルマリナぁぁぁぁっ!」
「あああぁぁぁ!!ひああっ!!いいっ!いい、よぉ!」
熱に浮かされたように、名を呼ぶ。嬌声をあげる。
もはや快楽は許容量を遥かに超え、すでに絶頂など通り越している。
元々が勇者で、魔物になることで更に強靭な体力を得たウィルマリナと違い、鍛えているとは言えただの人間の俺が失神せずにいられているのは
過度の勃起で未だに精液を吐き出していないことと、もっと彼女を貪りたいという精神力によるものだった。
そして、それは遂に限界を迎える。
子宮に空いている、小さな穴の感触。子宮口。
亀頭の先端でぐりぐりとウィルマリナの子宮を突き上げていると、鈴口にその小さな穴が当たった。
子宮口が鈴口を捉え、強烈に吸い付いてくる。
鈴口と子宮口の、キス。
その刺激が限界を迎える切っ掛けになった。
「ぐっ………うぅぅぅぅっっ……!!!」
根元でせき止められて放出の時を待っていた精液が、圧迫された尿道をめりめりと押し上げてせり上がってくる。
快楽に練り上げられて、液体というよりゼリー状にまでなった精液の塊。
狭まった尿道を押し広げて、ゆっくりと登っていく。
一度の射精を普通の何十倍もの時間を掛けて行なうような、苦痛にも似た快感。
頭の中で花火が跳ねている。
過度の快楽で脳がオーバーヒートを起こしているかのような眩暈。
精液の塊の、ほんの一滴が、遂に尿道を抜けた。
「くうぅっ!!」
「ひゃあうっ!!熱ぅっっっ♥」
その一滴が、決壊を促した。
ウィルマリナの子宮口は鈴口から頭を出した精液を、凄まじい勢いで吸い上げる。
その吸引に、練りに練られてゼリーになった精液の塊が尿道から引っ張り出された。
今までの人生で最大の、最高に苦しくて最高に幸せな射精が始まる。
「うぐ、ああああぁぁぁぁぁ………っ!!」
尿道に走る、焼けつくような刺激。
普通では有り得ない快感に生理的な恐怖を感じて、腰が引けそうになる。
だが腰にウィルマリナの脚が絡み付いてきて、俺の身体は彼女と完全に密着する。
逃がさない、という意思表示。
ウィルマリナが逃げるなというなら、俺が逃げて良い道理は無い。
脳の中で火花が飛ぶ。視界に火花が映る。
あまりの快楽に神経が焼き切れているのかも知れない。
恐怖を、ウィルマリナを想うことで胸の灯にくべる。
細い腰を掴んでいた手を離し、しがみつく様にして彼女を抱き締める。
彼女の腕も、俺を強く強く抱き返す。
ウィルマリナの子宮に精液を捧げ尽くすことに注力する。
……どくんっ!……どくんっ!……どくんっ!
永くて鈍い、重い射精が続く。
限界以上に膨張した尿道を無理矢理こじ開けて、粘度の高い精液の塊が流れ出る。
噴出した精液塊を、鈴口に密着した子宮口が痛いほどに吸い付いて飲み込んでいく。
「ぐぅぅ………………っっぅ!!!!」
「ああぁぁぁ!!ふああぁぁぁっっ!!ああああああああああぁぁぁぁっっっっ♥♥♥」
快楽に意識は何度も途切れ、
途切れては断続的に襲ってくる射精の快感に叩き起こされる。
耳元で聞こえる、最愛の女性が挙げる、歓喜に満ちた嬌声が心地良い。
途切れては元に戻る、それを繰り返して粉々にされた意識の中で、彼女への想いだけが更に燃え上がっていくのを感じた。
永い、永い射精が、終わる。
どれくらいの時間が掛かったのかは分からない。
いくら永いといっても射精に掛かる時間なんて知れているのだろうが、体感的には永遠とも思える時間だった。
使命を終えて、体力を使い果たした俺はウィルマリナの上に突っ伏した。
「っ……は、あっ……はあっ………!」
「はあっ…あぁ……♥、あなた、の………
温かいの…いっぱいぃぃ………♥」
無音の部屋に、二人の呼吸音と鼓動だけが響く。
感じるのはお互いの体温と、香りと、存在と、一つになれた果てしない多幸感。
広い世界に二人だけになってしまったような………深い深い充足感。
どちらからともなく顔を近づけて、キスをする。
技巧の無い俺は重ね合わせた唇から舌を突き出すだけだが、ウィルマリナの甘い舌がゆっくりと、でも力強く絡みついてきた。
じゅるっ……ちゅるっ……ちゅるっ……
示し合わせたわけでもないのに、二人して互いの舌をしゃぶり合う。
疲弊した身体に、彼女の甘い甘い唾液が甘露のように染み込んできて疲れを癒してくれる気がした。
「ぷぁっ……。
ねぇ、もっと、して?
もっともっと、あなたを頂戴……♥」
涙に潤んだ瞳で見上げ、続きをねだるウィルマリナ。
行動を以って返事にしようと、俺は身体を起こして再度腰を突き入れ
……ようとしたが、身体を起こすことが出来なかった。
身体が甘く痺れて、力が、入らない。
「あ……れ……?」
シーツに手を付き、身を起こそうと力を入れるが、その力が入らない。
何度試しても、やはり駄目だった。
どうやら俺は自分で思っていた以上に身体を酷使していたらしい。
強烈な快感の峠を越えたお陰で意識は飛ばさずに済んだが、体力を殆ど使い切ってしまっていた。
「動けない?
……そっか、まだインキュバスになったばかりだものね………」
―――インキュバス。
魔物に魅入られた人間達。
教団においては魔物と同じ扱いで、魔物と同様に討伐対象にされている元・人間。
俺も、インキュバスになってしまったのだろうか。
………。
特にこれと言って、自分に変化が起こったようには思えない……ような。
「大丈夫♪すぐに元気になるよ♪
だからそれまで………」
ウィルマリナの腕が俺の背に回され
「えいっ♪」
「おわっ!?」
くるりと回転して、俺とウィルマリナの位置が逆転した。
背中からの落着の衝撃を、上等なベッドがぽふん、と優しく受け止めてくれた。
「私が動くねっ♥
いくよ……?」
上体を引いて、俺を見下ろす体勢になるウィルマリナ。
その潤んだ瞳に映るのは先刻までの快楽の余韻と、愛しい男を見つめる熱い視線。
それらに混じって
―――……獲物を貪る、嗜虐的な捕食者の妖しい光。
「んっ……♥」
「く……っ」
俺の腹に手を着き、ゆっくりと腰を引く。
ペニスの肉幹には膣壁が、亀頭には子宮口が吸い付いたままだ。
俺から離れるウィルマリナの身体に逆らって、膣だけは逃がさないと言わんばかりにペニスに絡み付く。
結果、ペニスに引っ張られて伸ばされるような快感が走る。
「んんぅ……♥」
「くぅ……っ」
膣肉は伸びるのか、ウィルマリナが膝立ちになって俺の体と離れても、ペニスは未だに彼女の膣内に収まったままだ。
さすがに根元は露出しているが、全体の7割は彼女の膣内で、絡みつく熱い感触に愛撫され続けている。
溜まりに溜まった精液を吐き出して僅かに萎んだペニスが、再び限界以上の硬度と、破裂しかねない膨張を取り戻す。
陰嚢が、熱い……。
空になっていたはずの精巣が、精液を増産して重さを増していくような…。
「ふっ………ン……っっっ」
身を引いていたウィルマリナが、呼吸を調えて
腰を落とした。
ストン、と。体重の軽い体が降りてきた。
ぶちゅり、と。淫らな音を立てて、再びペニスが呑み込まれた。
亀頭が子宮を突き上げて、弱い雷を落とされたような、伝播する快感が返ってきた。
「くふ、ぅっ…♥」
「くうっっ!!」
溜息のような嬌声を挙げるウィルマリナと、貫かれるような快感に声を漏らす俺。
電流が走った後、精巣に感じていた重さが更に増す。
快感が走る度に精液が生産されていくかのようだ。
「ふ、ふふっ…
いく、よぉ……っ♥」
俺を見下ろすウィルマリナ。
悪戯っぽい少女のようにも見える、妖艶な笑みを浮かべる。
どんな種類の笑みであっても、彼女の笑顔は素敵で、俺の胸の灯は燃え上がる。
そして……ウィルマリナの猛攻が始まった。
先刻と同じように腰を上げて、落とす。それを繰り返す。
ただし、その速度は徐々に速く、激しく。
二人の肉が当たる音が響く。
ぱちゅんっ……ぱちゅんっ……
ぱちゅんっ…ぱちゅんっ…ぱちゅんっ…
ぱちゅんっ!ぱちゅんっ!ぱちゅんっ!ぱちゅんっ!
「はあっっ♥、はあっっ♥
ああ、あははぁっ♥」
「う、ぐぅぅぁぁぁぁぁぁっ!?」
まるで叩き付けるかのように激しく、ウィルマリナは腰を振る。
抽送の摩擦で、瞬く間にペニスに精巣から熱い塊が込み上げてくる。
――堪えることなど出来なかった。
「ウィル、マリナっ……ダメだ、俺……もうっ……!」
激しい抽送に、俺はあっさりと白旗を揚げる。
尻に力を入れて射精を堪えるが、もう数秒も持つ自信が無かった。
「あはぁっ♥
いい、いいよぉっ!!
あなたの精液、私にちょうだいっっっ♥」
快楽に蕩けた笑みを浮かべ、ウィルマリナは俺に精をねだる。
最後の止め…とばかりに腰を俺に叩き付けて、背を反らした。
背を反らせば下半身に体重がかかる。
降りてきた子宮が、まるで自ら貫かれようとするかのように亀頭に押し付けられてきた。
再び始まる、鈴口と子宮口の熱烈なキス。
「くあっ……でっ……る…!」
掠れた声で宣言をして、尻の力を解く。
……決壊した。
―どぴゅるるるっっっっ!!
圧縮されていない分、最初の射精よりも激しい勢いで精液が尿道を駆け上がった。
鈴口を抜けた精液は一滴も零れず、鈴口と繋がった子宮口に注ぎ込まれ……
否、吸引されて吸い上げられる。
「きゃふっっ……♥
来たっ、あなたの、熱いのまた、きたぁぁぁ………っ♥」
ピンっと背を反らし体重をかけて、俺との結合部を密着させるウィルマリナ。
恍惚とした表情を浮かべて俺の精液を受け入れる……否、吸い上げる彼女の表情は
蕩かされるほどに淫靡で、見惚れてしまうほどに歓喜に溢れていて、狂おしいほどに……愛しかった。
――ああ、俺は
彼女に喜んでもらえるのが
なによりも、なによりも、嬉しい。
ウィルマリナの恍惚の笑顔に見惚れていた俺の身体に、不思議な感覚を覚えた。
射精して自分の中の精力を吐き出したのに、虚脱感を感じたのは一瞬だけ。
彼女と繋がっている下腹部から、射精と入れ替わるかのようにねっとりとした『何か』が流れ込んできて、俺の中に入ってくる。
その『何か』は血流に乗って全身に行き渡り、熱へと換わって俺の身体を温めた。
……似たような感じに覚えが有る。
入隊したての駆け出しの頃、訓練疲れで倒れた俺にサーシャ姉さんが飲ませてくれた薬湯。
触媒となる薬草を水に溶かして、体力を回復させる回復魔法を施した服用式の簡易魔法薬。
あの、取り込まれた薬が身体の内側から活力に換わっていく感覚と似ていた。
完全に…とはいかないが、全身を覆っていた疲労感が和らいだ気がする。
「ああ……♥熱いの、いっぱいぃぃ……♥」
身を震わせて喜んでくれる、愛しいヒト。
彼女の喜びが、俺に力を与えてくれるのだ。
そう考えることにした。
余韻に震えていた彼女が、再び腰を動かし始めた。
たぷんっ、と、子宮の中に注がれた精液が揺れる感触が亀頭を通じて返ってくる。
その僅かな振動でさえ、射精で敏感になった俺の体に粟立つような快感が走る。
「くぅっ………」
まただ。
この身に快感が走る度、精液を出し尽くして空になったはずの陰嚢が重くなる。
快感を感じる度に、精液が生産されていくかのように。
そして射精の度に体力は癒える…ということは
これなら、何度でも射精できるんじゃないか…?
これなら……何度でもウィルマリナに喜んでもらえるんじゃないか…?
「ふ、うふふふっ………♥
まだ、できる……よね?」
ゆっくりと腰を動かしながらも、俺に問いかけるウィルマリナ。
その顔は獲物を追い詰めて笑顔で脅す捕食者の貌にも見えるが、違う。
俺の身を気遣ってくれているのだ。
気遣いながらも俺を求めて、激しく腰を振りたいのを堪えてくれているのだろう。
俺は口では答えず、態度で応える。
少しはマシになったとは言え、未だ疲弊している身体に喝を入れる。
弱ったところを見せて、彼女が望みのままに俺を貪れなくならないように。
……男を、見せろ。
ウィルマリナの問いに笑みを返す。肯定の意だ。
彼女の笑みがさらに綻ぶ。……ああ、綺麗だ。
「ありがとう♥
大好きだよっ……♥」
彼女の再攻撃が始まった。
今度は腰を垂直に引いて落とすのではなく、自らに俺をねじ込ませるかのように腰を揺らす。
降りて来た子宮が、ペニスに押し上げられて変形するのが分かる。
子宮を押される度、ウィルマリナは甘い喘ぎ声を漏らす。
心地良い音色の歌を囀るかのように。
「あぁぁっ………♥、ああっ……♥、すご、いぃぃぃ……っ♥」
彼女の体温
甘い香り
歓喜で溢れる嬌声
情愛に満ちた視線
柔らかい膣の締め付け
押し付けられる子宮の感触。
その全てが俺に快楽を与えて、際限なく昂らせる。
あっという間に、陰嚢にたっぷりと精気を含んだ精液が溜まっていった。
再び破裂しそうなほどに膨張するペニス。
……そして、呆気なく決壊する。
―どぶゅるるるっっっっ!!
―――どぴゅるるるっっっっ!!
「んっ!あぁあああぁあっぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………っっ♥♥♥」
二回に分けられて噴出する精液。先刻よりも量が多く、長い。
長い嬌声を挙げるウィルマリナと、声にならない呻き声を挙げる俺。
意識を刈り取るような快楽を味わおうと、耐えようと、俺たちは互いの手を握り合う。
痛いほどに握り合って、暴力的な快感を愉しむ、耐える。
子宮に射精する度に、精液と入れ替わるように俺の中に入り込んでくる『何か』。
消耗したはずの体力が戻ってくる。
それどころか射精前よりも力が漲ってくる錯覚すら覚えた。
膣内射精される度に、熱さと複雑さを増していくウィルマリナの膣肉。
更にねちっこく、強く絡み付いてきて、ペニスに萎えることを許さない。
天井知らずにその心地良さを増していくかのようだ。
射精を終えると同時に、ペニスが硬度を取り戻す。
まだ、まだまだ、この歓喜の時間は終わらない。
……終わらせたくも無い。
調息を終えて、再び腰を揺すりながら俺を見下ろすウィルマリナ。
「ふふっ………♥
気持ち良さそうな、カオ……♥
あなたのその顔、とっても……素敵ぃ……♥」
俺は今、どんな顔をしているのだろうか?
……どうでもいいか、そんなこと。
だってウィルマリナの笑顔の方が素敵だ。
ずっと想い続けた大好きな女の子が、身も心も満たされて浮かべる、偽りの無い心からの笑顔。
ずっとずっと、俺が見たかった笑顔を彼女が浮かべてくれる。
俺を、貪ることで。
俺は今、ウィルマリナを喜ばせられているのだ。
俺で今、ウィルマリナが喜んでくれているのだ。
「ね、触って……?」
快楽に耐えて握り締めあっていた俺の両手が、彼女の胸に導かれる。
玉の汗が浮かぶ、瑞々しい果実のような美しい乳房。
ちょうど俺の掌に収まる、まるで俺に触られるために在るかのような絶妙な大きさ。
吸い付く絹のような手触りと柔らかくもハリのある弾力。
もっと触れといわんばかりに、彼女の手が俺の手に重ねられて押し付けられた。
くにゃり、と形を変える二つの乳房。
「んふぅっ……♥
どう、かな?メ のよりおっきいでしょ?
あなたに喜んでもらえるようにって、大きくしてもらったんだぁ……♥」
俺を想ってくれるウィルマリナの告白に、胸が温かくなる。
聞き取れなかった単語が齎したチクリとした小さな胸の痛みも、その温かさに流されて気にならなくなった。
俺は彼女だけのモノなのだから、彼女以外のことを考えて良い理由など無い。
彼女が俺で喜んでくれることが俺の喜びだが、彼女が俺を想ってくれることも素直に嬉しい。
「凄く、良いよ……ウィルマリナ……
ずっと触っていたいくらいだ………」
俺の手は今まで、こんなに心地良い感触のする物に触れたことが無い。
絹かそれ以上のきめ細かな手触りと、軽過ぎず重過ぎない質量と、吸い付くような柔らかさと、押し返してくる弾力と…
感じうる心地良さの全てを詰め込んで尚、それらが競合することなく奇跡的なバランスで調和し、芸術品のように成り立っている。
こんな凄い物……触れている感触だけで意識を支配されてしまうのではないのだろうか……。
「ふふ……ありがとっ♥
私はあなたのモノだから……このおっぱいも、あなただけのモノ、なんだよっ♪」
嬉しそうに、本当に嬉しそうに…ウィルマリナは言葉を紡ぐ。
俺の手に重ねられた彼女の手が、きゅっ、と握り締められる。
「これからは、あなたが触りたいときに、好きなだけ……触っていいの♥
私は、あなただけのモノだからぁ……
私のおっぱいも、あなたに可愛がってもらうためにあるんだよ♪」
自らに言い聞かせるかのように言葉を紡ぐ。
彼女は俺のモノだと、私はあなたのモノだと、宣言して自分の存在を確定させるかのように。
“俺のモノで在ること”が私の喜びだと世界へ宣言するかのように。
―ぞくり。
今までの人生で頑なにその存在を否定してきた、俺の中の醜くてちっぽけな欲望が心の奥から滲み出してくる。
分不相応の欲望。
いくら心身を鍛えても遂に克服することが出来なかった、俺の心の弱さ。
俺の全てを捧げるべき彼女(あるじ)を、俺だけのモノにしたいという醜悪な独占欲。
忠心に置き換えることで目を逸らし続けていた。
彼女の為に人生を捧げ続ければ、自分の弱さと醜さを殺せると思い込んでいた。
……もう、無理だ。
もう俺は、戻れない。
ウィルマリナを手に入れた。何の心の準備も無く手に入れてしまった。
きっと俺は、ウィルマリナから離れることが出来ない。
ウィルマリナの幸せを想って、身を退くことなんて出来ない。
ウィルマリナをずっと見ていたい。
ウィルマリナにずっと触れていたい。
ウィルマリナとずっと繋がっていたい。
ウィルマリナをずっと愛していたい。
ウィルマリナにずっと愛されていたい。
ウィルマリナとずっと二人で一緒にいたい。
ウィルマリナと、ずっとずっと、いつまでも、一緒に、居たい。
燃え上がる、むき出しのエゴ。
ウィルマリナを大切に想う愛しさ。
ウィルマリナへの独占欲からくる狂おしさ。
混ざり合って、反応を起こして爆発炎上する。
「………ウィルマリナっ………!!」
「きゃっ……ああンっ……♥」
熱情に圧されて、身を起こす。
彼女を抱き締めて、対面座位の形になった。
唾液が端から零れている瑞々しい唇にむしゃぶりつく。
「は、むっ……ちゅぅ、じゅるっ……」
「んむぅ♥、ちゅる、ぢゅるるぅぅっ♥」
互いに唇を奪い合う。しゃぶり合う。甘い甘い唾液を啜り合う。
互いの顔を互いの唾液で汚しながらの、格闘のようなキス。
ほとんど同時に、唇をぴったりと併せて、今度は舌と舌との格闘が始まる。
ちゅるっ、ちゅるっ………じゅるっ♥、じゅるるっ♥
キスをしながら零距離で見つめ合う。
愛情と情愛と欲望と渇望と歓喜と恍惚とが混ざり合った深紅の瞳。
全てを捧げたい。捧げずにいられない。独占したい、せずにはいられない。
彼女の動きに合わせて、俺も腰を揺らす。子宮を突き上げる。
口付けながらでは大きく動けないが、これでいい。
キスをやめたくない。視線を外したくない。
ウィルマリナも、同じ思いのようだ。
「んんっ……んんぅっ、んんぅっ………♥」
俺を見つめるウィルマリナの瞳が、トロンっ、と蕩ける。
その蕩けた熱い視線だけで、俺は達した。
―――どぴゅるるっ―――どぴゅるるるるるるるっっっっ!!
「んんんぅぅぅーーーーーーっっっっ♥♥♥」
精液を受け取ると同時に絶頂に達するウィルマリナ。
俺の身体を抱き締める腕が、俺の舌を吸い上げる口が、痛いほどに力を込められる。
負けじと俺も力を込めて、彼女を抱き締める。
一滴も零さぬように、子宮に精液を注ぐ。捧げる。
――どくんっ……とくん、とくん………
断続的な射精の勢いが収まってきた。
子宮に納まりきらなくなった精液が膣の中に溢れてジワリと染み込んでいく。
「んんっ、んふぅーー………、んふぅーー………」
余韻を愉しみながら呼吸を整える。息苦しいが唇は離さない。
キスを止めたくなかった。
愛しい彼女の髪をゆっくりと、何度も何度も撫でる。
硬質な印象を受ける角にも触れる。
どういう仕組みなのか、手に返ってくるのは柔肌の感触だった。
髪を撫でられた返礼とばかりに、ウィルマリナの舌が情熱的に応えてくる。
底無しの欲望と愛しさが、彼女の甘い唾液が、俺を癒して力を与えてくれる……。
もっとだ、もっと。
もっと、二人でこの交歓の時を愉しもう………。
「あ…………」
キスを貪っていたウィルマリナが唐突に、唇を離して声を漏らす。
「ん…ウィルマリナ………?」
快感に蕩けた思考のまま、ウィルマリナの顔を見て……一気に醒めた。
ウィルマリナが怯えた表情を作る。
「やぁ…やだぁぁ……やだぁぁぁ………」
弱弱しく、駄々をこねるように声を漏らし、自分の僅かに膨らんだお腹に手を当てる。
その表情はなんとも悲しげで、心臓を絞られるような切なさを俺に与えた。
ウィルマリナに泣かれるのは、何よりも苦しくて辛い。怖い。
「ウィルマリナっ……どう、したの………!?」
慌てて彼女を抱く。一体何があったというのか。
彼女は今にも泣き出しそうな顔で俺を見た。
「あなたのが…あなたに貰った精液、零れちゃう………
せっかく、あなたの、おなか一杯もらったのに………
やだぁぁ……でてっちゃ、やだぁぁっ………………」
ぴったりと合わさって二人の体液で泉が出来ている、俺と彼女との結合部。
俺のペニスが呑み込まれている彼女の秘裂から、子宮と膣に収まりきらなかった精液が溢れている。
お腹が膨らむほどに俺の射精を受け取り続けて、とうとうオーバーフローを起こしてしまったらしい。
「やだ……あなたがくれたせーえき……ぜんぶ、わたしのなかにほしいのに……ぃ」
まるで幼子のように切なく震えて呟く。
零れた白濁液を、ウィルマリナはのろのろと、でも大事そうに手で掻き集める。
ただの一滴も無駄にしたくない、
俺に注がれた精液が宝物だと言わんばかりに。
「大丈夫だよ、ウィルマリナ」
「えっ………
きゃんっ……!」
自分の身体ごと、ウィルマリナをシーツへ押し倒す。
驚いたウィルマリナが何か言う前に腰を強く突き出して、亀頭で子宮を突き上げる。
「ふぁっ………!」
快感と驚きの混じった声に応えず、そのまま腰を揺らす。
自分の中の精気を彼女の中に注ぎこむ事をイメージして、腰を突き入れた。
そして……射精する。
十分な快感に押し上げられてではなく、自分の意志による無理矢理の射精。
勢いも無く、量も多くはないが、それでも零れた分の精液を彼女の中に注ぐことは出来た。
「あああっ………♥」
新たな精液を注がれて、喘ぎ声を漏らすウィルマリナ。
涙は浮かんでいるが、悲しげな表情は消すことが出来た。
やはり、彼女には泣き顔なんて似合わない。
「大丈夫だよ……ウィルマリナ
ウィルマリナのお腹がいっぱいになっても、もっと注いであげる」
ウィルマリナの髪を撫で、涙を掬う。微笑みかける。額にキスをする。優しく語りかける。
無い知恵を絞り、彼女を安心させられそうな仕草を総動員する。
絶対に泣いて欲しくない彼女を、泣かせることがないように。
「零れたって、すぐにもっと熱くて新しいのを、いっぱい注いであげる。
………だから」
―――泣かないで、ウィルマリナ。
腰をゆっくりと、だが力強く動かして子宮を突く。
子宮に注がれた精液はそのままに、膣に溜まった精液がペニスに掻き出されて、二人の結合部から零れ出る。
外気に触れて捏ねられた精液と愛液が、ぶちゅり、ぐちゅり、と粘液質で淫猥な音を立てた。
「ひゃっ………♥
あうっ♥、ああんっっ♥♥」
子宮に注がれるだけでなく、膣壁に精液を塗り込まれる快感に嬌声をあげるウィルマリナ。
悲しげな表情は、淫靡な笑みに流されてもう無い。
もう一押しだ。
「ウィルマリナが欲しいだけ、俺をあげる。
ウィルマリナは、好きなだけ俺を貰っていいんだ……よっ!」
「ひゃうぅぅぅぅっっ♥♥♥」
一際強く突き上げると同時に、また射精する。今度はさっきよりも少し多い。
新たに子宮に注がれた精液は流動して、子宮の中に留まっていた精液を押し出す。
押し出された分は彼女の膣壁を浸し、収まりきらなかった分が結合部から泡立つ白濁になって零れた。
「ひぁっ、はうぅぅぅっ!!
嬉しっ………嬉しい、よぅっ……!
大好きっ、だいす、きっっっ!!!」
快感に歪んだ笑顔で笑い、喜びと好意を口にするウィルマリナ。
その笑みが、言葉が、ああ―――愛しい。
何度でも、出してあげたい。
何だって、してあげたい。
「あああっ♥♥あああああっっっっ♥♥♥
すごっ、すごひ、よぉっっ………♥♥♥
とまら、にゃいっ……イクの、とまらないよぉぉ………っっっ♥♥♥」
愛おしさが即座に精液を増産させ、精神を昂ぶらせる。
許容量を超えた快楽で脳が焼け付いているのか、視界に火花が散っている。
股間と言わず下半身の感覚がぼやけてきた。
彼女を喜ばせたいという一心で、ひたすらに腰を振った。
――ぷびゅるるるっっっっ!!
―――ぴゅるるるっっっっ!!
快楽と歓喜に蕩けた頭からは、世界への感覚が遠く薄く感じられて。
その中で確固たる感覚として感じられるのは彼女のことだけ。
ウィルマリナの熱い体温
情愛に満ちた深紅の視線
吸い付いてくる柔肌の感触
芳しい体香と熱い吐息
俺を抱きしめる腕と絡まってくる尻尾
キスの甘味
俺の名と『大好き』を連呼する耳に心地良い嬌声
鮮烈で、どこか現実離れした快感を齎す膣と子宮の感触
あとは、断続的に襲ってくる射精の快感。
世界にウィルマリナしか感じない。
俺の世界にはウィルマリナしか居ない。要らない。必要も無い。
ウィルマリナがそう想っている様に、俺の思考も作り変えられていく。
彼女を愛するのに都合が良いように。
彼女と共に生きるのに都合が良いように。
変わらずに残っているのは、ウィルマリナを愛しく想う、俺の本心。
それと、あともう一つだけ。
十回は超えた射精で、シーツには小さな精液の池が出来ていた。
ウィルマリナの背を精液で浸しても尚、俺は彼女に精液を捧げ続ける。
「ああっ♥………あああっ♥………」
蕩けに蕩けた視線で俺を見上げるウィルマリナ。
俺の脳も、既に蕩けている。
だから………
「ウィルマリナっ………俺、俺っ、なんでも、するよっ……」
幻滅されたくなくて隠してきた、情けの無い、俺のもう一つの本心を吐露し始めた。
「ウィルマリナが俺にして欲しいこと、なんでも、どんな事だって、全部っ……」
彼女に縋り付いて、懇願する。
「なんでもする……だから、だからっ………!!」
どうか、俺を
君の傍に、居させて―――。
自分の無力さが嫌だった。
俺が役立たずなせいで、大好きな両親が不幸になった。
ウィルマリナから引き離されて、ウィルマリナを悲しませた。
強くなれば、ウィルマリナの傍に居られると信じて、願って、自分を鍛え続けた。
『勇者』にでもなれば、ウィルマリナを護れると、そう思い込んできた。
心のどこかで、自分が『勇者』になれないことを主神のせいにしていたが、それはお門違いもいいところだ。
きっと、主神は俺の醜い本心など見抜いていたんだろう。
俺は、みんなを護る『勇者』になりたかったのではなく、ただウィルマリナの傍に居たかっただけだった。
なんという狭量。なんという傲慢。
しまいには、こうしてウィルマリナに許しを乞うている有様だ。
俺は………
「あ………」
頬に優しく、手が当てられた。
俺の頬を包み込むウィルマリナの手。
「…………………」
ウィルマリナは何も言わなかった。
俺を見上げるその視線は、もう蕩けてはいない。
人間だった頃のような強い意志を宿した深紅の瞳が真っ直ぐに俺を見つめる。
優しげな、赦しに満ちた視線で。
「あ、ああ……。あああぁぁぁ………」
微笑むウィルマリナ。
その笑みは、淫靡な魔物のそれではなく、まるで女神のような……。
ウィルマリナは俺を赦してくれたのだ。
彼女を悲しませた俺の罪も。
彼女の傍に居られなかった俺の不甲斐無さも。
『ウィルマリナの勇者』にも成れなかった俺の無力さも。
涙が溢れて、彼女の顔に落ちた。
彼女は俺の頬を包んでいた手を背にまわして、俺にキスをした。
唇を合わせるだけの、軽いキス。
俺も、彼女を抱き返して、唇を押し付けた。
「ね、『お願い』聞いて?」
頷く。
「私を抱きながら、―――って言って。
言いながら、私を愛して」
ああ。
望む、ところだ。
ウィルマリナを抱きしめて、覆い被さる。
ウィルマリナも、俺を抱きしめて、足を俺に絡めた。
――行くよ。
―――来て。
ゆっくりと腰を突き入れる。
最初の交わりのような正常位でのセックス。
激しく腰を振らない。ゆっくりとしたスローペースのセックス。
でも、お互いの存在を重ね合わせるような深い、深いセックス。
二人の体液でぐちゃぐちゃになった結合部が、粘着質な音を立てる。
「んぅ、あぁぁっ………♥」
彼女が声を漏らす。
俺も、声を出す。
「ウィルマリナっ………ウィルマリナは、俺のモノだっ……」
口にした瞬間、胸の灯が熱量を増した。
彼女が俺を抱きしめる腕と尻尾と足に力が入り、膣もその締め付けを増した。
「もっとっ………言って、ぇ……。いっぱい、いっぱい……っ」
「誰にも、渡さないっ。ウィルマリナは、俺だけのモノだ………!」
「ああっ………♥」
彼女が俺に求めた言葉を、俺は紡ぐ。
俺の心のままに。
「ウィルマリナは俺のモノだっ………君は、俺のモノだ……!」
「うんっ……!
私は、あなたのモノっ……♥
私はっ……あなただけのモノっっ………♥」
俺が言う。彼女が応える。存在を確定させるように。
二人して、世界に宣言するように。
「俺も……ウィルマリナのモノだ。
俺は……君だけのモノだっ……!!」
腰を突き入れる。俺を彼女に捧げる。
「ああっ……!!
あなたは、私のモノっ……♥
あなたは私だけのモノぉっ………♥」
誓い合う。
俺は彼女のモノで、彼女は俺のモノであると。在り続けると。
「……愛してる」
「愛してるっ」
亀頭が、幾度の射精を受けて解れた子宮口に浸入する。
髪の毛ほどの大きさだった穴に、亀頭が呑み込まれていく。
「愛してるっ」
「愛してるぅっ!」
狭い子宮口を押し広げて、亀頭が突き進む。
精液を注ぎ込むことしか出来なかった子宮に、俺自身を突き入れる。
「愛してるっ!愛してるっ!!愛してるっっ!!!」
「あああっ!!愛してるぅ♥愛してるぅ♥愛してるぅっっ♥」
彼女の唇を奪う。舌を奪い合う。
『愛している』と言いたいが、キスはやめたくない。
―くそ、もどかしい……!!
どうして、キスしながら愛してると言えないんだ………!!
―大丈夫、ちゃんと伝わるから。
亀頭が、子宮口を抜けた。
コリコリとした弾力と、ツルツルの感触をした子宮が俺をすっぽりと呑み込んだ。
カリを強烈に締め上げて、吸い上げて、亀頭を子宮壁が擦りあげた。
未知の快楽に、決壊する。
そして始まる、今までで最高に幸せで、最高に気持ちが良い射精。
絶叫する。
嬌声をあげる。
二人して大声で
君を
あなたを
愛していると叫びながら。
永い永い、射精を終えて、ウィルマリナの上に倒れこんだ。
二人の荒い呼吸だけが部屋に響く。
ウィルマリナが俺の胸板に何度も何度も頬擦りをする。
俺もウィルマリナの髪を何度も何度も撫でる。
呼吸を整えても、疲労感は抜けなかった。
あまりの快楽に、流石に体力を使い果たしてしまったらしい。
だが、心地良い疲れだ。
肉体だけでなく、魂を重ね合わせるような、至高の快楽。
愛するヒトと、身も心も全て繋がりあう……安心感。
最後に、情熱的な永い永いキスをして抱きしめあった。
二人はこれからずっと一緒。
もう二度と、離れることは、無い。
12/02/20 00:11更新 / ドラコン田中に激似
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