・・・前言撤回。ああいう変態は苦手だ
―皆さんに問題です。タッちゃんに最初に会ったのは誰でしょう?
・・・そう、ミミックの私。ミサです!
第二問 現在最もタッちゃんと関わりが無いのは誰でしょう?・・・いうまでも無く、私です・・・。一番最初に出たのに・・・。正ヒロインの座だと思ったのに・・・。
「も、もう一度じゃ!」
「ミサだって飽きている故、今日はもうおしまいに―」
「いやじゃあぁぁ!」
・・・いまでは完全に空気です。いっそ誰かを庇って死ぬならまだしも、生きているのにタッちゃんとの絡みが無い。さっき勇気を出してお出かけに誘おうと部屋に入った瞬間、バフォ様が現れ、「勝負じゃ!」と、巻き込まれ、今に至ります。
「ううぅぅ・・・。もうヤダ・・・。」
「ほらバフォ様、諦めが悪い。」
「も、もう一度・・・!」
―十分後
「ま、まだじゃ・・・もう一度・・・!」
「もう十回目だぞ。いい加減にしてくれバフォ様。これではミサがここに来た理由が聞けないではないですか。」
「ZZZzzz・・・。ハッ!」
ヤダな、寝てないですよ?ええ、決して寝てないです。
「あ、そうだ。買い物に行かねば。マリアに頼まれていたものがあってな。」
「ウソじゃ!ウソじゃなくても、オヌシはマリアの頼みをほいほい受けすぎじゃ!」
「十回以上の『もう一度』を繰り返しているものが言うせりふではないだろう。」
確かに。マリアさんに限らず、タッちゃんは頼めば基本的に何でもしてくれる(性交以外)。だから、みんなから支持されているんだろうけど。
「ミサ、悪いが少し付き合ってくれ。」
「え?あ、うん!」
「ま、待つのじゃ〜・・・。」
バフォ様の悲痛な叫びに反応する人はいなかった・・・。
―今日はとても気分がいい。朝起きたら、シルヴィア様が添い寝してくださっていたし、私を信頼して買い物を頼んでくれたし。・・・まあ、一緒にいるダークエルフさえいなければもっとよかったんだけど。
「なぁに?ミリアム?」
「・・・別に。」
うう!馴れ馴れしくファーストネームで呼ぶなんて!本当に信じらんない!ファミリーネーム覚えてないけど!
「そんなに、嫌そうな顔されたら興奮するじゃない。」
「・・・・・・。」
ガマンよガマン。今の私はシルヴィア様の使者・・・。そう、落ち着くのよ自分。落ち着いて―
「ミリアムはタツキとヤッた?」
「ブッ!」
な、な、な、
「なんて事きくのよ!」
「別にいいじゃない。そんなに怒らなくても。」
「ヤッてないわよ!」
あ、つい答えちゃった。
「ふ〜ん。ってことはまだ『男』じゃなくて、『男の子』ね・・・。」
「・・・その確認に意味を見出せないわ。そもそもなんであんたがついて来るのよ。」
「師匠として、弟子の試練を見ないわけにはいかないわ。」
・・・何言ってるのかしら。
―大丈夫、大丈夫。横目でタッちゃんを見ながら自己暗示。昨日あんなにマリアさんから、男性と仲良くなる方法を教えてもらったんだから。早速、プランAを実行しなきゃ。
「ね、ねぇタッちゃん。」
「?、どうしたのだ、かしこまって。」
たしか、プランAは―
「ムチで叩くのと、叩かれるのどっちが好き?」
「おまえは私に何を求めているのだ!?」
びっくりしてる・・・。確か、マリアさんは、『びっくりしたら、図星よ。どんどんそのことについて聞いてみるといいわ。』って、いってた。よし。
「私はタッちゃん次第では、ど、どっちでもいいよ・・・?」
「・・・私はそんなものを嗜むように見えるのか・・・?」
あれ?なんか、ションボリしてる・・・。このままだと、会話が途切れちゃう!プランBに移行しなきゃ!
「えーっと、じゃ、じゃあ、縛りたい?縛られたい?」
「おい、一体誰からその情報を得たのだ?今度そいつを、しっかりシバき倒してやる。」
たしかマリアさんは、『相手が質問してきても、絶対に自分のカードを見せちゃ駄目よ。ましてやタツキは結構頭がいいから、逃げられるわ。』って言ってたような。
「お、女の子には、秘密がいっぱいなんだよ!」
「随分アブノーマルな女の子だな。」
「むぅ、私はいたってノーマルだよ。」
「ノーマルな女子が、そんなマニアックなモノを嗜むわけないだろ!?」
あれれ?マリアさんは『男はみんなギャップ萌えなのよ。ミサならそうね・・・。うん、私と趣味が一緒のほうがいいわね。』って言ってたのに。・・・それにしても、この会話まで予測しているなんて・・・さすがマリアさん。大人の女性は違うね!
「で、キミが私の部屋を訪ねてくるということは、何か用事があったのだろ?外に連れ出しておいてなんだが、用件は何だ?」
・・・どうしよう。単純にタッちゃんとのふれあいで、高感度アップなんていえないし・・・。
「まあ、何でもいいか。それより、勝手に連れ出してしまったが、予定とかあったか?」
今日に限り、全く無いです!今日のこの日のために、マリアさんから一子相伝の奥義の数々を教えてもらったから!
「ううん別に。今日一日暇だったんだ。」
そろそろプランCへシフトしよう―
―ウフフ、いい感じよミサ。
昨日の夜、いきなり部屋に来て、泣きつかれたときは困ったけど、あの子は素直だから、あっという間に教えたことを吸収できてるわ。
「・・・お前が教えたのか?」
横でミリアムが少しひいているけど、コレで堕ちなかった男はいなかったわ。私の確固たる実績を元に、教えたもの。
『タッちゃん!靴で踏まれてみたい?』
「ブッ」
あらやだ、ミリアムったら、どうしたのかしら?
「な、何てこと教えてるのよ!?」
「ミサが知りたがっていたことよ。」
昨日、『マリアさんみたいに、タッちゃ―男の人にメロメロになってもらいたいです!』って言ってきたから、私は自己流を教えただけだし。特に変なことは言ってないわね、うん。
「もう、静かにしないとばれるわよ。」
「・・・!」
拳をワナワナさせちゃって。さて、次はどこに行くのかしら。
―だれだ、ミサにこんなへんな事を吹き込んだ奴は・・・!
「?、どうしたのタッちゃん。」
どうしたのはこっちのセリフだ。大方、マリアあたりが怪しいが、意外に彼女は優しいし、それだけで決めるのは早計だな。
「はあ・・・。」
まったく、ただでさえこれから忙しくなるというのに・・・。教団との戦闘に備え、私用の『魔道武具』を作っているらしい。私が聞いた話では教団特殊異端査問会にはいくつかの階級があるらしい。リエルなどはまだ、下っ端らしいが。
「もうすぐ町だねー。」
いつの間にか箱を消しているミサと共に、町へと入る。ここは男として、何か彼女に買ってあげよう。
―町に入ったわたしとタッちゃんは、とりとめも無く、街を歩き回った。途中マリアさんが言っていた、『ムチ』を売っている店があったけど、タッちゃんに阻まれて買えなかった。残念。
「しかし、相変わらずここは魔物が多い街だな。感心感心。」
「そういえばどうしてタッちゃんは、魔物が怖くないの?」
そこは疑問だ。私たち魔物は魔王が代わってから、いくら人を殺さなくなったとはいえ、タッちゃんみたいな『ぷらとにっく(マリアさんから聞いたけど、意味がわからないや。)』な人には大変なんじゃないかな?
「私は、怖いものなど「シノノメクウウゥゥン!」無いさらば!」
変な声がしたと思ったら、わき目も降らず私の腕を掴んでダッシュするタッちゃん。
「待ちたまえ!シノノメクウウゥゥン!」
「・・・前言撤回。ああいう変態は苦手だ。」
そういって、後ろからマントを羽織った、ブリーフ一枚のおじさんをさすタッちゃん。・・・確かに怖い。
「オオォォイ!ここは通行止めだぜ、シノノメクン。」
「・・・幻覚?」
目の前にも似たようなおじさんが。違うところといえば、ちゃんと服を着て、鎌を携えているところ。
「ハァ、ハァ、キミとは・・・ハァ、ハァ、いつもこんなことをしている気が・・・ハァ、ハァ、する。」
「情けないぞ我が義弟よ。」
・・・凄いそっくりさんだけど、義弟なんだ。
―まずいわね。こんなところにまで教団特殊異端査問会がいるなんて。
「助けに行くぞ。」
「待ちなさい。」
確かに助けに行く必要がある。だけど・・・
「今の、私たちに何が出来るの?」
親魔物派の町に教団がいるということは、それなりの装備できているはず。対する私たちは、『魔道武具』をもっていないし、体術で覆せるほど、格闘はできない。
「・・・見つけましたよ。」
問いって後ろからかかる声。
「・・・あら、久しぶりね。」
後ろにはよく見知った顔があった。そう、あの男は―
「アナタの元・奴隷、デュフォンです。」
・・・そう、ミミックの私。ミサです!
第二問 現在最もタッちゃんと関わりが無いのは誰でしょう?・・・いうまでも無く、私です・・・。一番最初に出たのに・・・。正ヒロインの座だと思ったのに・・・。
「も、もう一度じゃ!」
「ミサだって飽きている故、今日はもうおしまいに―」
「いやじゃあぁぁ!」
・・・いまでは完全に空気です。いっそ誰かを庇って死ぬならまだしも、生きているのにタッちゃんとの絡みが無い。さっき勇気を出してお出かけに誘おうと部屋に入った瞬間、バフォ様が現れ、「勝負じゃ!」と、巻き込まれ、今に至ります。
「ううぅぅ・・・。もうヤダ・・・。」
「ほらバフォ様、諦めが悪い。」
「も、もう一度・・・!」
―十分後
「ま、まだじゃ・・・もう一度・・・!」
「もう十回目だぞ。いい加減にしてくれバフォ様。これではミサがここに来た理由が聞けないではないですか。」
「ZZZzzz・・・。ハッ!」
ヤダな、寝てないですよ?ええ、決して寝てないです。
「あ、そうだ。買い物に行かねば。マリアに頼まれていたものがあってな。」
「ウソじゃ!ウソじゃなくても、オヌシはマリアの頼みをほいほい受けすぎじゃ!」
「十回以上の『もう一度』を繰り返しているものが言うせりふではないだろう。」
確かに。マリアさんに限らず、タッちゃんは頼めば基本的に何でもしてくれる(性交以外)。だから、みんなから支持されているんだろうけど。
「ミサ、悪いが少し付き合ってくれ。」
「え?あ、うん!」
「ま、待つのじゃ〜・・・。」
バフォ様の悲痛な叫びに反応する人はいなかった・・・。
―今日はとても気分がいい。朝起きたら、シルヴィア様が添い寝してくださっていたし、私を信頼して買い物を頼んでくれたし。・・・まあ、一緒にいるダークエルフさえいなければもっとよかったんだけど。
「なぁに?ミリアム?」
「・・・別に。」
うう!馴れ馴れしくファーストネームで呼ぶなんて!本当に信じらんない!ファミリーネーム覚えてないけど!
「そんなに、嫌そうな顔されたら興奮するじゃない。」
「・・・・・・。」
ガマンよガマン。今の私はシルヴィア様の使者・・・。そう、落ち着くのよ自分。落ち着いて―
「ミリアムはタツキとヤッた?」
「ブッ!」
な、な、な、
「なんて事きくのよ!」
「別にいいじゃない。そんなに怒らなくても。」
「ヤッてないわよ!」
あ、つい答えちゃった。
「ふ〜ん。ってことはまだ『男』じゃなくて、『男の子』ね・・・。」
「・・・その確認に意味を見出せないわ。そもそもなんであんたがついて来るのよ。」
「師匠として、弟子の試練を見ないわけにはいかないわ。」
・・・何言ってるのかしら。
―大丈夫、大丈夫。横目でタッちゃんを見ながら自己暗示。昨日あんなにマリアさんから、男性と仲良くなる方法を教えてもらったんだから。早速、プランAを実行しなきゃ。
「ね、ねぇタッちゃん。」
「?、どうしたのだ、かしこまって。」
たしか、プランAは―
「ムチで叩くのと、叩かれるのどっちが好き?」
「おまえは私に何を求めているのだ!?」
びっくりしてる・・・。確か、マリアさんは、『びっくりしたら、図星よ。どんどんそのことについて聞いてみるといいわ。』って、いってた。よし。
「私はタッちゃん次第では、ど、どっちでもいいよ・・・?」
「・・・私はそんなものを嗜むように見えるのか・・・?」
あれ?なんか、ションボリしてる・・・。このままだと、会話が途切れちゃう!プランBに移行しなきゃ!
「えーっと、じゃ、じゃあ、縛りたい?縛られたい?」
「おい、一体誰からその情報を得たのだ?今度そいつを、しっかりシバき倒してやる。」
たしかマリアさんは、『相手が質問してきても、絶対に自分のカードを見せちゃ駄目よ。ましてやタツキは結構頭がいいから、逃げられるわ。』って言ってたような。
「お、女の子には、秘密がいっぱいなんだよ!」
「随分アブノーマルな女の子だな。」
「むぅ、私はいたってノーマルだよ。」
「ノーマルな女子が、そんなマニアックなモノを嗜むわけないだろ!?」
あれれ?マリアさんは『男はみんなギャップ萌えなのよ。ミサならそうね・・・。うん、私と趣味が一緒のほうがいいわね。』って言ってたのに。・・・それにしても、この会話まで予測しているなんて・・・さすがマリアさん。大人の女性は違うね!
「で、キミが私の部屋を訪ねてくるということは、何か用事があったのだろ?外に連れ出しておいてなんだが、用件は何だ?」
・・・どうしよう。単純にタッちゃんとのふれあいで、高感度アップなんていえないし・・・。
「まあ、何でもいいか。それより、勝手に連れ出してしまったが、予定とかあったか?」
今日に限り、全く無いです!今日のこの日のために、マリアさんから一子相伝の奥義の数々を教えてもらったから!
「ううん別に。今日一日暇だったんだ。」
そろそろプランCへシフトしよう―
―ウフフ、いい感じよミサ。
昨日の夜、いきなり部屋に来て、泣きつかれたときは困ったけど、あの子は素直だから、あっという間に教えたことを吸収できてるわ。
「・・・お前が教えたのか?」
横でミリアムが少しひいているけど、コレで堕ちなかった男はいなかったわ。私の確固たる実績を元に、教えたもの。
『タッちゃん!靴で踏まれてみたい?』
「ブッ」
あらやだ、ミリアムったら、どうしたのかしら?
「な、何てこと教えてるのよ!?」
「ミサが知りたがっていたことよ。」
昨日、『マリアさんみたいに、タッちゃ―男の人にメロメロになってもらいたいです!』って言ってきたから、私は自己流を教えただけだし。特に変なことは言ってないわね、うん。
「もう、静かにしないとばれるわよ。」
「・・・!」
拳をワナワナさせちゃって。さて、次はどこに行くのかしら。
―だれだ、ミサにこんなへんな事を吹き込んだ奴は・・・!
「?、どうしたのタッちゃん。」
どうしたのはこっちのセリフだ。大方、マリアあたりが怪しいが、意外に彼女は優しいし、それだけで決めるのは早計だな。
「はあ・・・。」
まったく、ただでさえこれから忙しくなるというのに・・・。教団との戦闘に備え、私用の『魔道武具』を作っているらしい。私が聞いた話では教団特殊異端査問会にはいくつかの階級があるらしい。リエルなどはまだ、下っ端らしいが。
「もうすぐ町だねー。」
いつの間にか箱を消しているミサと共に、町へと入る。ここは男として、何か彼女に買ってあげよう。
―町に入ったわたしとタッちゃんは、とりとめも無く、街を歩き回った。途中マリアさんが言っていた、『ムチ』を売っている店があったけど、タッちゃんに阻まれて買えなかった。残念。
「しかし、相変わらずここは魔物が多い街だな。感心感心。」
「そういえばどうしてタッちゃんは、魔物が怖くないの?」
そこは疑問だ。私たち魔物は魔王が代わってから、いくら人を殺さなくなったとはいえ、タッちゃんみたいな『ぷらとにっく(マリアさんから聞いたけど、意味がわからないや。)』な人には大変なんじゃないかな?
「私は、怖いものなど「シノノメクウウゥゥン!」無いさらば!」
変な声がしたと思ったら、わき目も降らず私の腕を掴んでダッシュするタッちゃん。
「待ちたまえ!シノノメクウウゥゥン!」
「・・・前言撤回。ああいう変態は苦手だ。」
そういって、後ろからマントを羽織った、ブリーフ一枚のおじさんをさすタッちゃん。・・・確かに怖い。
「オオォォイ!ここは通行止めだぜ、シノノメクン。」
「・・・幻覚?」
目の前にも似たようなおじさんが。違うところといえば、ちゃんと服を着て、鎌を携えているところ。
「ハァ、ハァ、キミとは・・・ハァ、ハァ、いつもこんなことをしている気が・・・ハァ、ハァ、する。」
「情けないぞ我が義弟よ。」
・・・凄いそっくりさんだけど、義弟なんだ。
―まずいわね。こんなところにまで教団特殊異端査問会がいるなんて。
「助けに行くぞ。」
「待ちなさい。」
確かに助けに行く必要がある。だけど・・・
「今の、私たちに何が出来るの?」
親魔物派の町に教団がいるということは、それなりの装備できているはず。対する私たちは、『魔道武具』をもっていないし、体術で覆せるほど、格闘はできない。
「・・・見つけましたよ。」
問いって後ろからかかる声。
「・・・あら、久しぶりね。」
後ろにはよく見知った顔があった。そう、あの男は―
「アナタの元・奴隷、デュフォンです。」
11/05/01 07:45更新 / ああああ
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