僕の太陽と最後の引き金
大きな洞窟の入り口の前に、僕らは佇んでいた。
「ここか…」
「禍々しい雰囲気ですね…。」
僕らは、神の加護を受けた勇者とそのお供という二人組み。
魔王を倒し、魔物達の侵略を止めるための旅の途中、
立ち寄った村で、とんでもない話を聞いた。
なんとこの先の土地は、魔物達の侵略によって、魔物が跳梁跋扈する場所…
すなわち「魔界」へと変わりつつあるのだという。
勇者として、それを見過ごすわけにはいかない。
何とか手立ては無いものか…と考える僕に、お供の彼、クーイが情報をくれた。
「勇者様、先刻私がこの土地の魔力の流れを調べたところ、
膨大な量の魔物の魔力が一箇所に集まっている場所があるようです。
この土地がまだ魔界に変わっていないのは、そこに魔力が固まっているせいだと
思われますが…、もしその場所の魔力が溢れ出したりしたら、おそらく一瞬で……」
「なるほど…よし。行こう！」
「…どこにですか？」
「もちろん、その魔力を何とかしにだよ！」
「……そう言うとは思ってましたよ。しかしその前に、この村で休んでは如何ですか？」
「休んでる暇なんてない！いつ魔界に変わってもおかしくないんでしょ？
魔物達の思い通りになんてさせるもんか！」
「しかし、この村に着くまで長かったでしょう…
休めるときにしっかり休んでおかないと、冒険に差し支えます。
その魔力溜まりの中に、強力な魔物がいる可能性もありますから。
万全の体制で挑まずに力尽き、みすみす魔物に殺されてからでは遅いのですよ？」
「う………わかったよ。今日は宿屋に泊まろう。」
クーイはすごいリアリストで、僕の行動をいちいち制止してくる。
それだけに、彼の言ってることはいつも正しいんだけど…
もうちょっと、僕のような熱いハートを理解してほしいな。
なんてことを考えている間に、僕らは宿屋に到着した。
「おお、こんな村に勇者様が来てくださるとは…」
「どうもご主人。部屋は空いていますか？」
「ええ、空いております。この先の土地の魔物達のせいか、
最近は村にめっきり客が来なくなって、この宿もいつもガラガラですわい。」
「話は聞きました。私達も明日、その土地に向かってみます。」
「ええっ！？イヤイヤイヤ、あそこは危険ですぞ！
最近、見たことも無い魔物が現れたという噂もありますし…」
「僕達はそれでも行きたいんだ。
魔物の侵略も止められないようじゃ、勇者じゃないからね！」
「それは心強い…！勇者様、どうも有難うございます！！」
そう言うと店主は、クーイの手をとった。
「あ…、申し上げにくいのですが、勇者は私ではありません。このちっちゃい方。」
「なんと、これは失礼いたしました…」
「ちっちゃいって言うなァァー！！」
「はいはい、すみません勇者様。それでは店主さん、部屋を二つお願いします。」
「えぇ？一つでいいよ…」
「いや、ここは二つでしょう。幸い、お金は十分にあります。
一人きりの方が、集中して休めるでしょう？」
「……うん、そうだね。」
「…？、どうかしましたか？」
「え、いや、クーイってドケチな癖に、なんでか宿屋ではいつも部屋二つ取るから…」
「宿は休むためのものですから。私なりに効率を考えた結果です。」
「…そっか。」
「部屋は二つでよろしいですな？それではご案内いたします。」
その夜僕達は、それぞれの部屋でゆっくり休んだ。
そして次の日出発し、その魔力溜まりの洞窟にたどり着き、現在に至るというわけだ。
「とりあえず入ってみようよ。」
「そうですね…、しかし相手は、卑劣かつ狡猾、残虐な魔物。
何があるかわかりません。くれぐれも警戒を怠らぬよう…」
「わかってるよ…」
だけど、僕らが洞窟に入ってしばらく進んでも、魔物一匹見当たらない。
「う〜ん、ただ暗いだけで何にも無いみたいなんだけど…」
「それでも、魔力はここに集まっているんですから、必ず何かはあるはずです。
もしかしたら、他の魔物に頼る必要も無いほどに強力な魔物が居るのかも…」
「もしそうだとしても、僕らには神様がついてるんだ。君の強力な魔法だってある。
何度も修羅場をくぐってきた僕らが、そう簡単に負けるはずないよ！」
「だといいのですがね。………むッ！？」
「どうしたの！？」
「何か来ます！」
暗闇の中から現れたそれは、雫が滴る真っ黒な球体に跨った、
裸の女の子だった。背丈は僕とそんなに変わらない感じかな…
何だろう、あんな魔物見たことも無いし、見たという人の話も聞いたことが無い…。
それでも、僕にも感じ取れるくらいに強い魔力を感じて、直感した。
間違いない。魔力溜まりの核はこの魔物だ。
そう思っていると、魔物は黒い玉から触手を伸ばしてきた…
どうやら向こうは臨戦態勢らしい。…迷っている暇は無い！！
「やあッ！」
僕に向かってくる触手を、すばやく剣で切り落とす！
…しかし、斬った触手は霧のようになって、黒い玉の中に戻っていった。
まさか…剣が効かない？
どんどん向かってくる触手を、何度も何度も切り落としたけど…
魔物はダメージを受けるどころか、疲れた様子すらない。
クーイの魔法も、魔物は軽々とかわしていく…
「クーイ！あの黒い玉はダメみたいだ。あの作戦で、上の体を狙おう！」
「了解しました！」
クーイが呪文を詠唱している間、僕は触手からクーイを守る。
そして呪文が完成する直前、僕は魔物に向かって走った！
触手をかわしながら、魔物のすぐ横に立つ。
そこでクーイは、魔物に向けて魔法を放った！
やっぱりかわされるが、もちろんそれだけでは終わらない。
僕は神の加護を受けた剣で…クーイの魔法を、魔物めがけて跳ね返す！
回避の時に隙が出来た魔物は、連続で魔法をかわすことが出来ず、
魔法は見事に上の体に命中！敵はかなりひるんでいるようだ…
「今だッ！！」
その隙に僕は魔物に必殺の一太刀を食らわせ……
…ようとした時、苦しんでいたはずの魔物の表情が、急に不適な笑みに変わった。
魔物は、ただ「ひるんだフリ」をしていただけだったのだ。
まずい！そう思ったが、時すでに遅し。
僕の体は、何本もの黒い触手に絡め取られていた……
「ゆ、勇者様ッ！！」
クーイが叫ぶ。
「クーイ！僕にかまわず魔ほ…んぐッ！？」
魔物に口を塞がれてしまった。
そしてそのまま、魔物は触手を使って、僕の服を脱がせていく…
鎧は外され、服ははだけられ、やがて僕は全裸になってしまった。
すると魔物は、クーイに見せ付ける様に、裸の僕を向けた。
全然成長しない胸も、子供のままのつるつるのアソコも、全部クーイに丸見えになる。
（恥ずかしい…クーイに見られてるよぉ…）
しかしクーイは、僕を見つめたまま動かない。恐怖で動けないのか…？
いや、クーイに限って、それはあり得ない。じゃあ、まさかクーイは………
…もっとあり得ない。こんな、まだ女の子らしさも出ていない子供の体型に。
なら、どうして？
恥ずかしさと、クーイの反応に対する混乱で、抵抗すら忘れてしまった。
魔物はその隙をついて、僕の体を黒い玉の中に埋めていく。
もうダメだ、食われる…！
（クーイ…！！）
最後に彼の名前を叫ぼうとしたがそれも叶わず、
僕の体は、完全に黒い玉に埋まってしまった…………
目が覚めると僕は、何もなく、ただ真っ暗な空間に浮かんでいた。
（僕は、死んだのかな…？）
ぼんやり、そんなことを考えた。
ここが死後の世界だとすると、僕は神様のところへは行けなかったのか？
大地が魔界になるのを止められなかったのだ。それも仕方ないのかもしれない。でも…
（寂しい……）
真っ暗な中で、たった一人。しかも裸。
どうしようもなく心細く、不安と悲しみが押し寄せてきた。
まだ、女の子らしい体つきになることも、お洒落も、恋愛も、結婚も、子供を作ることも、
「女」である喜びを何一つ知らないまま、それを捨てて勇者になった自分。
その選択を、いまさらながら後悔した。
（クーイ…）
最期まで自分に付いてきてくれた彼のことを思い浮かべると、涙が溢れてきた。
ケチで冷めた性格だけど、整った顔立ちをしていて、僕には優しさを見せてくれる。
一緒に旅をして、色んなことを話して、家族と同じくらい大切に思っていた彼…
（もう一度、会いたいよぉ……）
「…あいたいの？」
（えっ？）
「そのひとに、あいたい？」
僕の目の前には、いつの間にか、黒髪の裸の女の子が、微笑みながら佇んでいた。
…何処かで会ったような気がするけど、思い出せない。
だけど僕は、ほとんど無意識に、その子の問いに答えていた。
「うん。会いたい…」
「わかった。わたしが、あわせてあげる」
「えっ？会えるの…？」
「あえるよ、でも、そのかわり…」
「そのかわり…？」
「あなたのぜんぶを、ちょうだい」
「僕の…？」
「ちょうだい」
「それって、どういう事？」
「ちょうだい」
「ねえ…」
「おねがい、ちょうだい」
「……わかった。」
「ありがと」
すると次の瞬間、どこからか黒い触手が伸びてきて、僕の体を触り始めた。
薄い胸を、口を、お腹を、乳首を、お尻を、アソコを…
その触手に触れられた瞬間、もはや衝撃と言ってもいい位のものすごい快感が、
全身を突き抜け、苛んだ。
「ああぁぁぁッ！？はあっ、はあっ！な！ふぁっ！や…なにこれ…！？
あ、あひゃうッ！んんんんっ！にゃ、うあ！きゃうううぅぅううぅんっ………！！！」
触手にあちこちを擦られ、僕は何度も何度も何度も絶頂する。
そのうち、浅くだけれど、触手は僕のアソコの中やお尻の穴にまで侵入してきた。
僕がイく度に、僕の心の中に、だんだん何か違うものが混ざっていく。
触手が乳首に吸い付く度、敏感な突起を弾く度、お尻の穴を擦る度に、
僕は頭がおかしくなりそうな快感に襲われた。
そのうち、金色だった髪はどんどん黒く染まっていき、
心の中にも、どんどん黒い何かが混ざってくる。
「きもちいい？」）
「あきゃ、んあああぁッ！！きゃひん！はぁぅうううぅぅ！！？」
「きもちいいみたいね。そろそろ、いいかな…」
そう言うと、黒髪の少女は、僕を抱きしめて、キスをした。
「あなたのぜんぶを、わたしにしてあげる…………」
少女にキスをされながら、僕の意識はだんだん遠のいていって……消えた。
私は、勇者様が食われていくというのに、何も出来なかった…
この役立たずが、勇者様を護れず、何が供か！！
せめて、一矢報いないことには…！
「くそッ！！よくも勇者様を…姿を現せ、魔物めッ！」
すると、その声が届いたのか、魔物の体が黒い球体から出てきた。しかし…
「ゆ、勇者…様？」
出てきた魔物は、あの勇者様と瓜二つだった。
いや、騙されてはならない。あれは魔物だ。勇者様を食らった、憎き敵…
勇者様に擬態しているとはいえ、髪の色までは変えられないようだ。
私は急いで、魔法を詠唱し、放つ…！
「ふふ…♪」
しかし、魔物はよける素振りすら見せない。まさか、魔法など効かないから
よける必要も無いという事か…？などと考えていると、
恐ろしいことが起こった。
なんと魔物は、私の魔法を黒い球体で受け止め、そのまま飲み込んでしまったのだ…！
「そんなのきかないよ〜、クーイ。」
目の前の魔物は、私のよく知る声で、私のよく知る笑顔で、私の名を呼ぶ。
「やめろ、お前は勇者様じゃない、勇者様を食らった敵だ。私の敵だ！
そんなもので、私をかき乱すなッ…！！」
「ひどいなぁ、僕は偽物なんかじゃないよ？
僕はね、さっきの女の子になっただけなんだよ。」
「そんな馬鹿な話があるものか！神の加護を受けた勇者様が、
お前の様な魔物になど…」
「でもね、本当なんだよ、僕とこの子は一つになったんだ。それに…」
「それに…？」
「そんなにぼーっとしてていいのかな？隙だらけだよ、クーイ♪」
「なッ…！！」
不覚…！動揺のあまり、自分の周りに気を配ることを、すっかり忘れていた。
たちまち私は、大量の触手に囲まれ…
「やっぱり、クーイは優しいよね。僕のことを心配してくれてたんだもん。
僕に当たると思って、魔法を使うこともできなかったし、
自分の周りのこともすっかり忘れてたし、ね。」
「くっ、貴様、離せぇッ…！」
「ダメだよ。」
僕はクーイをすぐ目の前まで引き寄せて…告げた。
「ねえ、クーイ……僕、言いたいことがあるんだ。
僕はね…クーイのこと、ずっとずっと、男の人として好きだったんだよ？
でも僕はまだ子供だからとか、勇者としての使命があるからとか、
そういうつまんない理由で、今までずっと言えなかった…」
「何を……」
「でも、この子と一つになって、僕は気づいたんだ。
魔物を狩ることも、侵略を止めることも、つまんない理由で告白できない事も、
みんなみんな、バカらしい事だったってね…。おかげで不安がなくなって、
すごくスッキリしたし、勇気がわいてきたんだ。だから今、君に告白するよ。
ケチだし、頭固いし、性格も冷めてるけど…頭もいいし、強いし、とっても優しい。
僕は、そんなクーイのことが大好きだよ。愛してる。だから……」
「…？」
「僕の『太陽』になって欲しいな。」
あぁ、よかった。やっと言えた……
でも、もちろんこれだけじゃ終われない。僕は素早く触手を引きよせて、
クーイの服を脱がせて、黒い玉の中に埋め込んだ。
ああぁ、もう我慢できない。クーイが欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい……！
そんな僕に応えて、黒い玉は、さっそく行動を始めてくれた。
「うっ！？何だこれは、くぁっ、止め…
うぁっ、が、ぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………！！」
僕にははっきりと見える。
クーイが今、沢山の触手に犯されているところが。精もビュービューと出ている。
そして、僕の中に「あの子」を流し込まれた時のように、
クーイの体と心の中に、黒いものを流し込んでいく…
「…！！、！、！！！…！！」
すごく気持ちいいらしくて、クーイはもう声すら出せないみたいだ。
精の量も、さっきより増えている。もちろん僕は全部吸収した。
次第に、クーイの茶髪も、僕と、玉の色と同じく、真っ黒に変わっていった。
（ああっ、どうした事だ…！？私の体が、何か別のものに…
ほ、欲しい……抗えない…勇者様、勇者様ッ…、私は………！！）
全ては上手くいったみたいだ。
黒い玉は全部、クーイの中に入り込み…クーイは、完全に「インキュバス」へと変わった。
僕の魔力の影響なのか、肌も褐色になっている。
「ふふっ、終わったね…。さあ、しよっか？」
「はい、ですが…一つだけ、宜しいでしょうか？
貴方と交わる前に、一つ言っておきたいことがあるのです。」
「何？」
「実は…私も、以前から貴方の事を…その、好き…だったのです。
貴方の裸を見た時に動けなかったのも、現れた時動揺で前後不覚になってしまったのも
そのためです…ですが、勇者様を惑わせては、後の冒険に支障が出るかもしれない。
私はただの従者でいなければならないと思っていました。
それに、貴方の事を、まだ子供だと思っていたのも事実。勇者様に、
ロリコンの従者が付いているなどと噂されれば、貴方の名誉も傷つきます。
しかし…貴方も私の事を好いてくれていたのを知って、嬉しかった…」
「！そう…だったの……？」
「はい。断じて、嘘偽りはございません。」
それを聞いて、ぶわっと涙が出てきた。びっくりした。
「ありがとう、ありがとう、クーイ…！！！」
「おや、勇者様、涙はいけませんよ。私と交わりたいのでしょう？」
「ううん、もう勇者はやめたよ。今の僕は魔物。
ちゃんと名前で呼んでほしいな。普通の恋人同士みたいに『ヴィーカ』ってさ。
あと、丁寧語もなしでね。」
「…わかったよ、ヴィーカ。」
「よろしい。それじゃ、始めよっ♪」
目を閉じて、唇を重ねる。
その内、どちらともなく舌を絡め合い、相手の口の奥の奥まで進んでいく。
「んふっ、んぁ、はふ、ちゅ…れろ…」
それだけでもう、全身がどんどん熱くなってきて、頭がぼーっとして、
僕の足の間から、熱い白っぽい液が激しく溢れだす。ものすごく嬉しい。気持ちいい。
クーイの物を触ると、すごく硬くて熱い。そして同じように、液がたくさん溢れていた。
キスって、こんなに気持ちいいものだったんだ…。
（ちゅぱ…）
「ふぁぅっ…」
唇が離れた。途端に、切なさが襲ってくる。もっと欲しい、もっと…
「あ、クーイ…」
「どうしたんだい、ヴィーカ？」
「その…もっと、して…よぅ……」
「ああ。でもキスの前に…私の物を、何とかして欲しいな。」
「あ、うん。わかった…」
そう言って、僕はクーイの股間にある物を見つめて…固まった。
（ちょ…えぇぇ、何これ！！？？）
知識はあったけど、男の人の「現物」を見るのは初めてで…
それでも、クーイの物は、「規格外」だと直感できるほどの、とんでもない大きさだった。
もしかして…黒い玉が全部入り込んで、インキュバスになったから！？
僕のまだ幼い性器に入るかどうかすら疑わしいそれを前にして、僕は戦慄すると同時に、
大きな期待を抱いていた。もし入ったら…入って、クーイを手に入れられたら……
そう考えながら、とりあえず手で擦ってみる。
「うくっ…はぁ…いい。気持ちいいよ、ヴィーカ…」
「そう、よかった…」
クーイも、僕の胸やアソコを愛撫しだして、互いに、ますます気持ちよくなる。
しばらく擦り続けていると…クーイの声に、余裕がなくなってきた。
どうやら、クーイはもう限界みたいだ。一度、出してもらおうかな？
やっぱり、初めては長く楽しみたいし…
「ヴィ、ヴィーカ、私はもう…」
「いいよいいよ、一回出しちゃって♪」
僕はクーイに止めを刺すべく、ひくひくしだしたクーイの大きな物を、
口いっぱいに含んでペロペロしゃぶりだした。先走りの液の味が口中に広がる。
クーイが喜ぶ場所は、魔物の本能が教えてくれた。ひたすらその弱点を責めつづけ…
「うぐっ、くぁぁぁぁ…ッ！！」
「うんぐっ！？んんっ、んふぅ、ふぅぅ〜ん♪」
クーイの、濃いぃインキュバスの精が、僕の口中に勢いよくほとばしった。
当然、僕は全部飲み込んでいく。初めて味わう男の人の精は、もう、何ていうか…
美味しすぎるくらいに美味しかった。…クーイのだからかな？
「ぷはっ、はぁ……クーイ、お願い。こっちにも…」
まだ全く衰えていない物を掴んで、狙いを定めながら、クーイに跨る。
……それにしても、入る気がしない。実際、口の中には最後まで入りきらなかったし…
その上、クーイはどうか知らないけど、こっちは初めてだ。
痛いのかな、裂けちゃったらどうしよう…とか、不安になってくる。
でも、彼のものを見ていたら、そんな不安を一気に消し去るような強い欲望が、
むくむくと湧き上がってきた。
これはクーイの物。クーイそのもの。これが僕に入ったら…
クーイ、クーイが欲しい。欲しい。欲しい。欲しい。ほしいほしいほしいほしい
ホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイ
ホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイ…
自分の中の魔物の部分を、抑えられない…！
魔物の声に導かれるまま、僕は勢いよく腰を落とし、
ずっと僕の中にあった、何か大事な物が千切れる感覚、僕の中が押し広げられる感覚、
僕の「いちばん奥」にクーイの物が当たり、そのまま押し上げられる感覚を経て…
ぼくはとうとう、くーいを、てにいれ、た。
「っひぁぁはあああぁぁアアアアアァァァァァァァアッ！！！？？」
その瞬間、あの時の触手の責めなんか比じゃない、
僕の何もかもが吹き飛んでしまうような、絶大な快感が全身を走り抜ける。
思考が完全に白い光で覆われ、意識すら失いそうになった。
それでも、ここで気絶するわけにはいかない。僕が、クーイを気持ちよくしてあげるんだ。
クーイを抱きしめて、僕は自ら腰を上下に動かしだす。
一回腰を上げれば、敏感すぎる壁全体がクーイの物で刺激され、
一回腰を落とせば、いちばん奥にゴツッと当たり、重苦しくも力強い快感がやってくる。
ただの抽送だけで際限なくイき続けながら、腰は狂ったように動いて、止まらない。
長く何度もあがる僕の絶叫の下で、クーイが喘いでいるのがわかる。
彼も一緒に腰を振りながら、僕を抱きしめる腕に、どんどん力がこもっていく。
「くあぁぁっ！も、もう絶対離さないからね、クーイ、クーイ…！！」
「ああっ、はっ、私もだよ、ヴィーカぁ…！」
やがて僕の中で、手でした時よりも激しく、クーイがびくびく震えだした。
もうすぐ絶頂らしい。けど、僕も、これまでよりさらに強力で、
一番大きな絶頂が来るのを予感していた。やっぱり、最後は二人一緒に迎えたいよね。
終わりに向かって、僕らはより一層激しく動き出した。
「はぁぁ、ひあぁぁっ！んあッ、あっ、あっ、あっ……！！」
「うっ、くぉぉ、ああぁぁ…！！」
そして、最後の一突き。僕の中で、クーイが大きく弾け飛んだ。
絶頂自体のとてつもない快感、精の美味しさ、好きな人と一緒にイけた幸せな気持ち、
そして、僕とクーイの体に溜まっていた黒いものが、勢いよく弾け出る感覚…
それら全部を同時に味わった後、僕は全ての力と思考を手放し、意識を失った……。
目が覚めるとまず、クーイの笑顔があった。いつの間にか服も着せられている。
「おはよう、ヴィーカ。」
「あ、おはよう…」
格好が元通りになっていたせいか、一瞬、さっきの出来事は夢だったのかと思った。
でも、彼の黒い髪と肌、しゃべり方を見て、現実だったと安心する。
「さて、これからどうしよっか？」
「とりあえず、洞窟の外に出てみよう。」
洞窟を出て、最初に僕らの目に飛び込んできたのは、
草木も大地もすっかり魔界のものに変わってしまった土地だった。
そういえばさっき、僕とクーイの体から黒いものが弾けた感覚があったけど…
まさか、あの時に？
だとしたら、僕が魔物になって、クーイと交わることが、
魔界化の最後の引き金だったんだろうか？
…まあ、あれこれ考えてても仕方が無いよね。僕は、もう一度目の前の風景を見る。
普通の人間には禍々しい風景に見えるだろうけど、僕らにとっては、
そこはすごく美しい場所に見えた。
「きれい…」
景色に浸っているところに、クーイが声をかけてきた。
「ヴィーカ…私と、結婚してくれないかい？」
「うん。喜んで。ここで、ずうっと暮らそう……と思ったけど…」
「ダメなのか？」
「そうじゃなくて…僕、もうちょっとクーイと一緒に旅がしたいな。いい？」
「なんだ、そんな事か。それなら構わないよ。それに、この先の旅は
もっと楽しく…そして、楽なものになるに違いない。」
「楽？」
「そう。これをご覧…」
そう言うと、なんとクーイの体が宙に浮き上がり…あの黒い触手も生えてきた。
「ヴィーカが眠っている間に、自分の体をいろいろと調べてね。
どうやら私は、インキュバスになると同時に、あの黒い玉の性質も
受け継いでしまったらしい。おそらく、君を乗せて飛ぶことも可能だろう。」
「すごい…僕達、これからは空飛べるんだ。」
「それに、この触手を使えば、夜も退屈はさせないと思うよ。」
「なるほどね……よし！もうじっとしてられない。早速出発しよう！」
「了解！行き先は？」
「とりあえず…このままどんどん進もう！」
僕達は勇者だった頃、沢山の魔物達を殺してしまった。それは許されないことだろう。
だから僕は、少しでもその償いをするために、彼女達の目的に向かって行動して、
世界中に魔物達を、そして魔界を広げていこうと思う。
それが、魔物の僕と、僕の太陽になってくれたクーイの、一番の使命だと思うから。
人を、魔物を、世界中を、僕達「闇の太陽」が照らすことが出来ますように……。
10/08/10 03:04更新 / Ｋ助