1LDK、狐憑き。
「おきつね様、おきつね様。似非京言葉のおきつね様」 「どないしはりました〜?」 「いつになったら生活費入れてくれるんですか?」 「……旦那はん、今日は暴風警報出てるってにゅーすで言うてはったんやけどな…あの、そのぅ…」 「いつになったら働くんですかアンタ」 「……だ、旦那はんになにかあったらと思うとうち、胸が張り裂けそうに……」 「おい」 「……だってお外暑いんやもん。 うちが居らんとなーんもできへん癖にえらそーに……」 「逆ギレするな、逆ギレ。あと今日は雨だ」 「濡れるんはもっと嫌やもん。そもそもうち、妖怪なんよ? 誰が雇うん?」 「今のご時世、在宅でも仕事なんか腐るほどあるぞ」 「そんなんうちわからんもん……」 「調べろ」 「旦那はんのいけずぅー…」 |
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